インタビュー

Kunio Kishidaが原点回帰で臨んだ8thアルバム『Slide Angel』

Kunio Kishida / 岸田邦雄

学生時代よりセミプロのミュージシャンとしても活躍。70年代から80年代には某大手楽器店に勤務し、当時の日本では珍しかったヴィンテージ・ギターの市場開拓にも従事し、のちにヴィンテージ・ギターをメインに販売するギター・ショップ“ナンシー”をオープンさせる。90年代からはあらためてギタリストとしてライブ活動を活発に行うようになり、2002年にアルバム『南水(スワンプ・ウォーターズ)』をリリース。サザンロックやブルース・ロックをメインに今や希少となったヴィンテージ・ギターの最高のサウンドを聴かせるギタリストとして知られる。http://www.kuniokishida.com/index.html

 Kunio Kishidaのニュー・アルバム『スライド・エンジェル』が届いた。このアルバムは、岸田にとって原点回帰であると同時にローリング・ストーンズのキーボードとしても知られるチャック・リヴェールとのタイトな競演も聴きどころだ。このアルバムのレコーディング・ストーリー、楽曲、そして使用ギターなどについても詳しく語ってもらった。

―チャックは気合を入れながら弾くんです。まるでハモンドと格闘しているみたいに。

 前作『ノーザン・ソング』から約1年。この1年の動きについて教えてください。

 このアルバムは一通のメールからスタートしたんですよ。ローリング・ストーンズにキーボードとして参加しているチャック・リヴェールに「またパーティとか色々やろうねと、よかったらレコーディングも付き合ってね」とメールしたんです。というのも、前回(2014年)のストーンズの来日公演が、滞在時間に対しコンサートの本数が少なかったんから。そうしたらとんとん拍子に話が進んで、3月5日にチャックさんとレコーディングができることになりました。そこから約1ヶ月弱の間に9曲作ったの!(笑)。レコーディングは銀座にある"音響ハウス"っていうスタジオで、その3月5日だけが偶然空いていたんですよ。そこをリザーブして臨んだんです。時間が限られているので、チャックと一緒にやった曲もあれば、曲によっては先にチャックだけで演ってもらう曲もあり、最終的にはその日だけで6曲録音しました。

slideangel-9.jpg

 当日、スタジオの階段を上る途中でチャックがオルガンのハモンドB3があるのを見つけて、「じゃ、あのB3を持ってきて!」言い出したんです。B3は本体とは別の部屋にレスリー・スピーカーを設置して使うから、プレイヤーは声を出せるんですよ。だから、レコーディング中にチャックは「ハァ~っ!」とか「ウワァ!」とか気合を入れながら弾くんです。まるでハモンドと格闘しているみたいに(笑)。スタッフを含め、その場を見ている人全員、鳥肌がたちましたね。全く仕事モードじゃ無いから。

 このアルバムのスタートに、そのエネルギーがあったから良かったんだよね。その後に録った僕のギターもアメリカでドラムとベースを入れてくれた仲間も、プロデュースしてくれたジョニー・サンドリンも、そのエネルギーで行けました。

チャックはオルガンもピアノもどちらも演奏が冴えてますよね。

 チャックは以前のアルバム『アラバマ・ボーイ』でも参加しましたが、その時には彼よりも先輩たちが大勢いたから、チャック自身はまとめ役に徹してくれたんです。でも、今回は演奏グループが少人数だとわかると「わかった。じゃあ俺が全部やる!」って。録音の前にみんなで一緒にご飯を食べたんだけど、その時「とにかくお互いを60歳を過ぎてるし、これからもっと仲間との音楽を大切にしていきたい」って、安いギャラなのにね(笑)。

 他のパートのレコーディングは?

 2014年3月にレコーディングがスタート、5月にはベースとドラムをアメリカで録音。7月に僕が日本でギターとボーカルを入れて、その音源をもう一回アメリカに送りました。8月にあらためてチャックとポール・ホーンズビーという二人のキーボーディストがジョージアのマスカディン・スタジオでレコーディングしました。そして、10月にミキシングが終わって、向こうでコーラスを入れてくれて・・。

 実は、今回は(共同プロデュースの)ジョニーが体調が悪くて、入退院してたんですよ。で、今年の4月にミキシングができて「あ、よかった」と思ってましたね。そこでマスタリングまで行ったんですが、ジョニーが、その後でもう一回聴いたら「気に入らないところがある」って言い出して、何曲かやり直したんです。それで、今年の5月に完成。6月にアメリカで発売されました。

―ブルース・ロックの音はやっぱりレスポールが中心だと思うんですよ。

 今回は非常にガッツ溢れるロックな曲が目立ちますね?

 前作はレクイエム的なアルバムだから、今回は原点回帰して"ブルース・ロック"で押そうと思いました。"サザンロック"あり、"スワンプ・ロック"もありますね。

 ブルース・ロックの音はやっぱりレスポールが中心だと思うんです。だからギターはギブソンだけにした。個々のギターが持つ良い音を可能な限りに録音したんです。同時にギターの種類もゴールドトップ、サンバースト、LPジュニアなど、本数的にも可能な限り入れようと。ですので、オリジナルのエクスプローラも借りたんです。そうしたらカラーンとしたアメリカン・ロックの音になりましたね。

 今回、フェンダーは全然使っていないんですか?

 実は、最後の曲に57年のストラトを使おうと思ってたんです。でも、リハに持っていったら音が出ない。「チェックしてあるのになぜ?」って。でも、持って帰ってきたらちゃんと音が出るんですよ(笑)。

 "そこまでこだわったんだから、今回はフェンダーは弾くな"ってことですよ。

 そう思って、今回はRSから出している僕のシグネチャー・モデル以外はギブソンにしよう!って開き直りました。

今回は非常にガッツ溢れるロックな曲が目立ちますね?

前作はレクイエム的なアルバムだから、今回は原点回帰して"ブルース・ロック"で押そうと思いました。"サザンロック"あり、"スワンプ・ロック"もありますね。

ブルース・ロックの音はやっぱりレスポールが中心だと思うんです。だからギターはギブソンだけにした。個々のギターが持つ良い音を可能な限りに録音したんです。同時にギターの種類もゴールドトップ、サンバースト、LPジュニアなど、本数的にも可能な限り入れようと。ですので、オリジナルのエクスプローラも借りたんです。そうしたらカラーンとしたアメリカン・ロックの音になりましたね。

今回、フェンダーは全然使っていないんですか?

実は、最後の曲に57年のストラトを使おうと思ってたんです。でも、リハに持っていったら音が出ない。「チェックしてあるのになぜ?」って。でも、持って帰ってきたらちゃんと音が出るんですよ(笑)。

"そこまでこだわったんだから、今回はフェンダーは弾くな"ってことですよ。

そう思って、今回はRSから出している僕のシグネチャー・モデル以外はギブソンにしよう!って開き直りました。

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2017年8月号

定価760円
(本体704円)A4判

2017年7月1日(土)発売

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