インタビュー

We Love FENDER GUITARS! Vol.19

We Love FENDER GUITARS!

伊藤友樹

 「GAKKIソムリエ」のオリジナル企画“We Love FENDER GUITARS!”。アマチュア・ギタリスト達のギターライフやギターストーリーを、ギターの紹介と共にたっぷりと語って貰う人気コーナー。そうだ、僕達はフェンダー・ギターで大きくなったんだ!大切な思い出、そこにはいつもギターがあった…。

WLF_kiji_banner.png 幼い頃から俳優に憧れ、小学校6年生で劇団ひまわりに入団した。中学生になってアコースティック・ギターを手にしてから、大きな目標が2つになった。俳優として忙しい日々を送りながらも、バンドにも憧れそのフロントマンとしても活動していく自分がいた。そしていくつもの栄光と挫折を味わって行く中で、自分の目標を見失った時期もあった...。しかし今の自分には、新たな目標が見えている。ギター以上に打ち込める物が見つかったのだ。バンドでベースを弾いているときの自分は、決して役者ではない。自分自身の人生を楽しむために、俺は今日もベースを弾く...。

■「マジレンジャー」が終わり一段落

WLF_itohsan_1280-101.jpg 俳優を目指したのはいつ頃からですか?

 俳優の養成所に入ったのが、小学校6年生の終わりです。自分で親にお願いしました。両親は共働きでしたが、もうすぐ中学生だから一人で通えるだろうということで。

 それと並行してバンドや音楽も?

 養成所に入った年の4月にギターを買ってもらいました。当時ラジオの「オールナイトニッポン」を夜な夜な布団の中で聴いていて、「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない!」というCMが流れていたんです(笑)。兄もモーリス・ギターを持っていました。親父がフォーク世代なので、家ではよくフォークソングが掛かっていましたね。

 ではエレクトリック・ギターは?

 アコギがちょっと弾けるようになるとエレキも弾きたくなり、高校1年生の時に買いました。近所に古い質屋さんみたいな、リサイクルショップがあって、そこでグレコのラージヘッドのストラト・タイプを値切って買いました(笑)。高校に入ると周りが皆バンドをやっていて、57クラシックが載ったレスポールが欲しいとか、サンバーストのストラトが欲しいとか...。僕のグレコがあまりにもボロだったので、もう少し良いギターが欲しいと思っていたら、友達の先輩がUSAのイングヴェイ・モデルのストラトを安く売ってくれると言うんです、スモールヘッドの(笑)。フェンダーだからと思って譲ってもらったのですが、指板がスキャロップなので弦をグッと押さえるとどんどん音がシャープして(笑)。それで最初のストラトは上手く弾けませんでしたね。僕は「プレイヤー」誌を中学生の頃からずっと愛読していたのですが、「告知板(売ります/買います)」のコーナーにグレッチの6120が載っていて、それも買いました。その後にブラック・ファルコンも。当時俳優のお仕事もしていたので、高校生としては多少お金が入ってきましたから...。アンプはフェンダーのブルース・ジュニアを買いましたが、バンドはあまり長続きせずにまたアコギに戻って...。

 なかなかベースが出てきませんね(笑)。

 中学生の時に「スタンド・バイ・ミー」を聴いてからベースには興味がありましたが、やはりバンドだったらボーカルとギターでやりたいっていう願望があり、なかなかベースに行かなかったのですが、知り合いからベースを譲ってくれたので、ちょっとずつ触っていました。で「魔法戦隊マジレンジャー」(20042月〜20052月放送)が終わり、一段落した頃にもう一度バンドをやりたいと思ってギブソン・カスタムショップの59レスポール・リイシューや57レスポール・カスタムのリイシュー、斉藤和義さんのシグネチャー・レスポールを手に入れました。

■本当に自分が楽しめること...

WLF_itohsan_1280-102.jpg 続けてギブソンですね。

 でもその後フェンダーに行くんですよ(笑)。ブルース・スプリングスティーンやビリー・ギボンズも好きで、それならテレキャスよりもエスクワイアだって思って、二十歳の半ばくらいにカスタムショップ製を買いました。それですっかりフェンダー・カスタムショップにハマりましたね...。今日は持ってきていませんが、エスクワイアを買った後に中古でサンバーストのセイモアダンカン・エスクワイア、ノーキャスターのレリック仕様、ポール・ウォーラーのダニー・ガットン・スタイルのテレキャス、それからユーリ・シスコフのエスクワイアも入手しました。それぐらいバンドに熱を上げていたんです。でも、結局バンドは上手くいかず、気が付いたらギターばっかり増えていて、ちょっと後悔もしたし、ギターからちょっと離れた時期がありましたね...。でもその時思ったのですが、もちろん俳優の仕事を辞めるつもりはないし、音楽も絶対に辞めないので、だったら本当に自分が楽しめることをやっていこうって...。ギター・ボーカルというポジションだと、どうしても良い曲を書かなきゃいけないとか、結果を出さなければと思っていたけど、そうではなくて、プレイする時間を人生の中で増やすために、楽しんでバンドに関われるのは何かなって思った時に、昔からちょこちょこ触っていたベースをやろうかなと...。

 伊藤さんはベースがよく似合ますよ。

 ありがとうございます(笑)。ですので、ベースをちゃんと弾くようになったのは、実はここ1年くらいなんです。最初にカスタムショップのプレシジョンを買ったのですが、本当はスラブボディでコンターのない51年型のモデルが欲しかったんです。ZZトップのダスティ・ヒルが使っているタイプですね。見た目は頼りなさそうなシングルコイルだけど、あんな凄い音が出るっていうのが凄くかっこいいなって。ずっと探したのですが見つからず、ようやく見つかったのが中古のフェンダー・ジャパンのOPB51でした。

 いっそヴィンテージを買おうとは?

 いや〜、思わなかったですね。すでにカスタムショップのギターを持っていたので、製品的に信頼していますから。それにプレベの51年と52年製は個体数がかなり少ないんです。スラブボディは53年までで、53年製のプレベでも市場価格はけっこうしますし...。

 今カスタムショップで欲しい製品は?

 やはりプレシジョンの53年までのタイプのが欲しいです。バタースコッチのブラック・ガード...。ぜひカスタムショップさんに作って欲しいですよ。マスタービルド製品も所有していましたが、個人的な意見としては、チームビルトの製品の方が、フェンダーらしいトーンやフィーリングを感じますね。

 なるほどね。では最後にジャズ・ベースに対する思いを...。

 以前は、自分はロックをやっているのでジャズ・ベースに行くことはないと思っていたんです。たまたま38スペシャルの映像を見ていたら、ベースが昔イングヴェイのライジングフォースにいたバリー・ダナウェイだったんですよ。彼がスタックノブのジャズ・ベースをピックで弾いているんです。ジャズベもこれならカッコ良いなと思いました。それでスタックノブのモデルを探していたんですが、カスタムショップにその仕様の製品がなくて。そしたらでちょうどこのジャズベが知り合いのお店に入ってきたので弾いてみました。

 いかがでした?

 いや〜、びっくりしました! ジャズベをみんなが弾く理由がよく分かりました(笑)。すごく弾きやすくて、ご機嫌ですよ。こりゃ皆弾くでしょと思って、即買っちゃいました。

WLF_itohsan_s450-119.jpg[今週のゲスト]
伊藤友樹
1985年生まれ、東京出身。俳優。
劇団ひまわりに入団し、若くして俳優としての道を歩み始める。「魔法戦隊マジレンジャー」の主人公役他、数多くのTV番組や映画に出演。俳優業と平行して、近年はTHE SPAM69のベーシストとしても活動している。本格的にベースを弾くようになったのはここ1年ほどだが、現在13本のプレミアム・ベースを所有。「プレイヤー」誌20176月号52日発売)にて、伊藤友樹のベース・コレクションを特集している。

FENDER Custom Shop 1957 Precision Bass

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 2016
年にカスタムショップで製作された1957年タイプのプレシジョン・ベース。以前からカスタムショップのギターを愛用していたことから、CS製品には絶大な信頼を寄せている。以前から捜している1951年製のプレシジョンと同じ、アッシュ・ボディとメイプル・ネックを採用している仕様も購入ポイントのひとつ。

 ブロンド・フィニッシュを透かして薄っすらとアッシュ材の木目が確認できる。レリック仕様であるため、指板は自然な感じに塗装が剥げている。アルミ製のアノダイズド・ピックガードとブロンドカラー、そしてメイプル1ピース・ネックとのマッチングも素晴らしい。

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FENDER Custom Shop 1964 Jazz Bass

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 つい最近購入した1964年スタイルのカスタムショップ製ジャズ・ベース。このベースに出会うまで、ほとんどジャズ・ベースには興味がなかったが、これでジャズベの素晴らしさに開眼したという。あっさりお気に入りの1本に...。

 ヴィンテージであれば極めてレアなショアラインゴールドを採用。フェイデッドフィニッシュの間から、アルダー・ボディがハッキリと確認できる。できれば最初期の特徴となるスタックノブ仕様のモデルが欲しかったが、カスタムショップ製品としては見当たらず、断念。ブリッジカバーやピックアップカバーを取り付けたまま使用している。

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[ お知らせ ]

 20161118日にスタートした「We Love FENDER GUITARS!」は、今回を持ちまして、しばらく連載をお休みすることになりました。20人近くのゲストの方々にご登場頂き、また多くのギター・ファンの方々にご愛顧頂きましたことを、心から感謝申し上げます。インタビューの新規掲載はお休みとなりますが、このコーナーはしばらくの間引き続き掲載を継続致します。「GAKKIソムリエ」では、今後も新しいコーナーや新連載を企画しておりますので、これまでと同様に、また音楽月刊誌『Player』誌も含め、ご愛顧いただけますよう、よろしく願い致します...。

GAKKIソムリエ」編集部


We Love FENDER GUITARS!

連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.18
川村 兆 / Master Build Series 1961 Stratocaster Heavy Relic Build by John Cruz
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.17
平野 慎吾 / 1960 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.16
石井 聡 / 1954 Stratocaster Custom Built For Normans Rare Guitars
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.15
堀 芳郎 / Master Built Series Jason Smith 1959 Telecaster Relic
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.14
北 翔太 /
Master Built Series '69 Stratocaster by Todd Krause
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.13
西田 泰司 / Robben Ford Ultra SP , Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.12
佐藤 雅之 / Robben Ford Model
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.11
関口 健一 / Telecaster Thinline CC , 1963 Stratocaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.10
遠藤 淳也 / 1966 Stratocaster by Dennis Galuszka
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.9
加藤 健平 / 1960 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.8
稲垣 隆 / 60th Anniversary 1954 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.7
渡辺 敬友 / 1957 Stratocaster , 1962 Stratocaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.6
小島 章紘 / 1959 Jazzmaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.5
久保田 衛 / 1966 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.4
北川 裕康 / 1957 Stratocaster Dennis Galuszka
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.3
池田 進太郎 / Custom Telecatser
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.2
永田ショーザブロー / Harrison Tribute Rooftop Tele
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.1
篠田 徹 / 54 STRAT, Michael Landau Signature 1963 Relic Stratocaster

Interview : 田中 稔 (月刊『Player』)

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FENDER Custom Shop
1957 Precision Bass

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定価760円
(本体704円)A4判

2017年7月1日(土)発売

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