製品レビュー

グレッチのプレイヤーズ・エディションにセンターブロック・モデルが登場

GRETSCH
Players Edition
G6609TG

伝統的なギターに現代的な仕様を加味したプレイヤーズ・エディション。センターブロック・モデルが登場。G6609TGを例にその魅力を追ってみた。

《Point》
◇アコースティック感とソリッド感を兼ね備えたセンターブロック構造
◇実用性を重視した細部の現代的な仕様
◇新開発のフルトロン・ピックアップ
◇トレブル・ブリード・サーキットやノー・ロード・トーンの採用

■独自の工夫を凝らしたセンターブロック

 現在グレッチでは製品コンセプトに応じて、プロフェッショナル・コレクション、ヴィンテージ・セレクト・エディション、シグネチャー等の様々なシリーズがラインナップされている。中でもプレイヤーズ・エディションは、伝統的なグレッチらしさを引き継ぎながらも、ギタリストのリクエストに応える形で進化した新しいスタイルのグレッチ・ギターで、今回、センターブロック・シリーズが加わった。

 グレッチのセンターブロック・モデルは2013年に登場した比較的新しいモデルで、今回のモデルも2013年のモデルと同様のセンターブロック構造を引き継いでいる。ダブル・カッタウェイ・スタイルのシンライン・モデルをベースにデザインされたこのボディは、15-3/4インチ(約400ミリ)幅に対して、1-3/4インチ(約44.5ミリ)厚と薄く、プライウッド・メイプルのボディ内部には、スプルース材を使ったセンター・ブロックが配置されている。これらはサイズこそ一般的なセミ・アコースティック・ギターに近いが、それらのボディがソリッド・ギターに近い響き方をするのに対して、グレッチではセンター・ブロックに軽量のスプルース材を使用し、ブロックの幅を少し狭く、そしてボディ・エンド付近をくり抜くことで、アコースティックな響きを重視しているのが特徴だ。

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▲センターブロックはスプルース材が使われ、ボディ後方(写真左側)がくり抜かれたホロー構造が特徴。

■様々なモデルが一挙に登場

 ラインナップは、往年のグレッチのギターやドラムに使われてきたブロードキャスター(Broardkaster)のモデル名を使用したダーク・チェリー・ステインまたはブラックに仕上げられたハードテイル・スタイルのG6609(価格=360,000円(税抜))、ゴールド・ハードウェアにキャデラック・グリーン、ヴィンテージ・ホワイト・フィニッシュを合わせたG6609TG(価格=440,000円(税抜))、高級感溢れるフレイム・メイプルをボディに使用したバーボン・ステイン(ライト・ブラウン)、ダーク・チェリーのG6609TFM(価格=440,000円(税抜))、更にオレンジ・カラーに身を包んだG6120の流れを汲むナッシュビルG6620TFM(価格=440,000円(税抜))、グレッチのトップ・モデルとして知られるファルコンG6636T(価格=460,000円(税抜))、そして14インチ(約356ミリ)幅の小型シングル・カッタウェイ・スタイルのブロードキャスター・ジュニア(価格=440,000円(税抜))も用意されている。

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G6609 価格=360,000円(税抜)

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▲G6609TFM 価格=440,000円(税抜)

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▲G6620TFM 価格=440,000円(税抜)

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▲G6636T 価格=460,000円(税抜)

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▲G6659TFM 価格=440,000円(税抜)

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▲G6659TG 価格=440,000円(税抜)

以下はG6609TGを例に細部を見ていこう。

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▲GRETSCH G6609TG 価格=440,000円(税抜)

■実用性、演奏性を重視した各部の仕様

 ローズウッドもしくはエボニー/メイプル製のネックは、実用性を考慮して広げられた約43ミリのナット幅、滑らかでややスリムなラウンド・グリップへと加工されている。スケールは他モデルと同じ24.6インチ、そして高さのあるミディアム・フレットを使った22フレット仕様になっている。

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▲ナット幅は約43ミリ。摩擦係数が低いグラフテックのTUSQナット。フレットはミディアム・ジャンボ。ヘッドには「THE BROADKASTER」(カタカナでは「ブロードキャスター」と表記)のエンブレムが使われている。

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▲ややスリムなラウンド・グリップ。

 伝統的なグレッチ・スタイルを象徴するビグスビー・ビブラートが搭載されているが、チューニングの安定性などを目指し、様々な工夫が施されている点も特徴となる。ゴトーのロック・チューナーと摩擦係数の低いグラフテックのTUSQナットを使用しアーム使用時のチューニングの乱れを最小限に留めている。そしてブリッジには各弦ごとに正確なイントネーション調整ができるアジャスト・マティック。従来のグレッチ・ギターは、アーチトップ・ギターで一般的な木製ブリッジ・ベースが使われてきたが、本モデルでは強度やトーン、サステイン等を考慮してブリッジは直接ボディ・トップからセンターブロックに貫通させて取りつけている。これを実現するために、ボディ/ネックのジョイント位置やセット角度までが見直されている。ビグスビー・ヴィブラートもテイルピース・シャフトを通して弦を張るタイプのガイド付きB7が組み込まれている(G6609ではV型ストップ・テイルピース仕様となっている)。

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▲ブリッジはボディ・トップを貫通し、センターブロックに到達している。このため、木製のブリッジ・ベースのシリーズとはネックのセット角なども変えている。

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▲ゴトーのロック・チューナーを採用。

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▲テイルピース・シャフトを通して弦を張るタイプのガイド付きビグスビーのB7。

■G6609TGなどに搭載された新開発のフルトロン・ピックアップとこだわりのサーキット

 グレッチならではのキャデラック・グリーンが目を引くのがG6609TG。ボディと同じカラーに仕上げられたヘッドストック・フェイスには、ブロードキャスターの文字が刻まれたメタル・プレートが取り付けられている。本モデルの大きな特徴のひとつと言えるのが、初お目見えとなったフルトロン(Fulltron)・ハムバッカーである。伝統的なフィルタートロンと同じサイズに仕上げられたこのピックアップは、かつてギブソン、そしてフェンダーでピックアップ開発を行ったティム・ショウによって開発された。クリアーなサウンドで使われることが多い従来のフィルタートロン・ピックアップは、やや出力が低めで、トレブリーで鋭いエッジを備えているのに対して、フルトロンはドライヴ・サウンドも念頭に入れ、出力がやや高めで、ロック寄りのサウンドに仕上げられており、フィルタートロンと一般的なラージ・ハムバッカーの中間的なキャラクターとなっている。また、フェライトに替わってアルニコ・マグネットを選択したことでややアタックを抑えたファットな口当たりが生まれ、これにセンター・ブロック構造がもたらすサステインが加わり、ブルース・ロック・ソロにも十分対応する粘りや力強さが生み出される。(ナッシュビルとホワイト・ファルコンには、より伝統的なグレッチ・サウンドを生み出すハイ・センシティブ・フィルタートロンがマウントされている)従来固定式だったピックアップ・アジャストは、3本のスクリューを使って上下、角度を調整できるようになっている点も特徴となる。

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▲フルトロン・ピックアップ。フィルタートロンと同じサイズで、フロント用がFL65A、リア用がFL62Aだ。他のフィルタートロン系のピックアップよりもパワフルで、フルサイズの一般的なハムバッカーよりも出力はやや抑えている。

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▲左側に見える2つのネジ穴で角度調節もできる。

 ピックアップに加えて、他のエレクトロニクスに関してもグレッチのこだわりが満載されている。CTSポット、スイッチ・クラフト・ジャックといった定評あるパーツに加えて、ヴィンテージ・グレッチの特性を再現したオイル・キャパシター/スクイーズボックス、配線にはベルデン・ケーブルが使われている。また、トーン・コントロールには、ツマミが10の時にトーン回路が物理的にバイパスされるノーロード・トーン・ポットを使用、マスター・ボリュームには音量を下げた時のハイ落ちを防ぐためのトレブル・ブリード・サーキットが組み込まれている。他にも、ライヴ等での実用性を高めるシャーラー・ロック・ピン、メタル・ジャック・プレートなどが採用されている。

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▲写真右のマスターボリュームにはトレブル・ブリード・サーキットが取り入れられている。これはボリュームを絞った際にトーンのハイ落ちを防止する回路だ。2つのピックアップのボリュームのバランスでサウンドを作るグレッチでは大変効果が期待できる。その効果は動画で確認いただきたい。

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▲3つのノブの一番右がマスター・トーン。ツマミが10の時にトーン回路が物理的にバイパスされるノーロード・トーン・ポットとなっている。

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▲メタル製ジャック・プレートを使ったジャック。

GRETSCH G6609TG デモンストレーション

《Part.1 / 各ピックアップのクリーン・サウンドと各部の機能について》

Part.1の動画では各ピックアップのクリーン・サウンドやトレブル・ブリード・サーキット、ノー・ロード・トーンなどの機能について、また、オーソドックスなグレッチサウンドを生かしたデモンストレーションを行っている。クリーン時の"鈴鳴り"と称されるサウンドがセミアコでも楽しめる。(収録時間 4:00)

《Part.2 / センター・ブロック・モデルにふさわしい歪ませたソリッド感のあるサウンド》

センターブロック構造にすることで、アコースティック感だけでなく、ソリッドギターに肉薄するドライブサウンドまでフォローできる。動画の前半部では歪ませて、一般的なセミアコ的なデモンストレーションを展開している。後半では、強めに歪ませてロングトーンやダークなリフなど、ソリッドギターに肉薄するサウンドを収録。(収録時間 2:12)

 デモンストレーター/仲 比呂志:大手楽器店、ヴィンテージギターショップ店長を経て、Crossed Pairs代表としてオリジナルギター「Current Kathy Guitar」の製造/販売の他、ミュージシャンとして西荻窪Terraを中心にライブ活動を行う。ヴィンテージ・ギターはもとより古今東西のギター/機材に精通し、表情豊かな演奏に定評がある。

本文テキスト : Jun Sekino  写真・動画撮影編集 : GAKKI ソムリエ

製品情報

GRETSCH
Players Edition
G6609TG

価格 440,000 円(税抜)

問い合わせ:(株)神田商会 ☎03-3254-3611

http://www.kandashokai.co.jp/

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製品情報

GRETSCH
Players Edition
G6609

価格 360,000 円(税抜)

問い合わせ:(株)神田商会 ☎03-3254-3611

http://www.kandashokai.co.jp/

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製品情報

GRETSCH
Players Edition
G6636T

価格 460,000 円(税抜)

問い合わせ:(株)神田商会 ☎03-3254-3611

http://www.kandashokai.co.jp/

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GRETSCH
Players Edition
G6659TFM

価格 440,000 円(税抜)

問い合わせ:(株)神田商会 ☎03-3254-3611

http://www.kandashokai.co.jp/

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GRETSCH
Players Edition
G6659TG

価格 440,000 円(税抜)

問い合わせ:(株)神田商会 ☎03-3254-3611

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