ローリング・ストーンズのアルバムのなかで「なにがいちばん好きか?」と聞かれたら、迷わず、『エグザイル・オン・メイン・ストリート』と答える。もちろん『ベガーズ・バンケット』や『レット・イット・ブリード』も優れた作品だが、やはり『エグザイル』がいい。発表は1972年の春。ちょうど、僕が大学に入ったころのことだった。
その『エグザイル・オン・メイン・ストリート』のデラックス・エディションを米盤で入手した。発売当時はLP2枚組だったが、これは、最新リマスターの18曲を収めたCDが1枚、未発表テイク10曲を収めたCDが1枚、ドキュメンタリーやライヴなど貴重な映像を収めたDVDが1枚、最新音源をあらためてアナログ化したLPが2枚、さらには豪華で資料価値も高いブックレットに特製ポスター・カードという構成だ。
ちなみにこのアルバムを、ストーンズのメンバーは、71年から72年にかけて、南フランスで録音している。当時の彼らは深刻な税金問題を抱えていたため、イギリスを離れざるを得なかったのだ。タイトルの「エグザイル」には、そういった状況を反映して、逃亡者や流刑者という意味が込められているのだが、今回の再発売にあたっても日本でのタイトルは『メイン・ストリートのならず者』のままだった。ストーンズに関しては「悪魔を憐れむ歌」という有名な誤訳邦題がある。こういうものは再発を機会に修正していったらどうかと思うのだが、なんだか、残念でならない。
場所柄か、とても礼儀正しい。
リリース関連でいうと、3月に実現した、ジミ・ヘンドリックスの一連の作品の再発売も高く評価できるものだった。60年代当時のジミの創作活動を支えたエディ・クレイマーらの全面協力を得て、歴史的名曲の数々をあらためて最高の音質で届けてくれたもので、「ギタリスト=ヘンドリックス」という次元を超えた部分での、総合的な芸術家としての突き抜けた存在感を再認識した。
3月から4月にかけて、ジャクソン・ブラウン&シェリル・クロウ、ボブ・ディラン、キャロル・キング&ジェイムス・テイラーが相次いで来日している。足を運ばれた方も多いだろう。いずれも僕が若いころから、強い刺激や影響を受けながらその作品を聴きつづけてきたアーティストたちである。アメリカを旅する際のBGMは、彼らの曲で占められていることが多かった。そんな人たちが次から次へと来てしまったのだから、お金もたっぷりと使わされたけれど、それだけの喜びも与えられ、今年のピークがもう過ぎ去ってしまったような気分だ。
とりわけ感動させられたのは、CK/JTのバックを務めたセクション(ダニー・クーチ、リー・スクラー、ラス・カンケル)の、まさに円熟という言葉がふさわしいプレイ。「バックを務める」などという表現が馬鹿げたものに思えてくるほど、すべてがひとつに溶けあったオーガニックなライヴだった。ドラムスが歌えることを教えてくれた「ファイアー・アンド・レイン」でのカンケルのプレイも忘れられない。
というわけで(なにが「というわけ」なのかわからないが)、
一年間、ありがとうございました。なにかを得ていただけたら、幸いです。
一年間、ありがとうございました。なにかを得ていただけたら、幸いです。




















