今回は、高田さんが使用されているTech 21のSANS AMP Classicについて、その使い方などを大いに語っていただきます。
こんちは〜!今回はTech 21の “SANS AMP Classic” についてやってみようか。
じゃあまず “SANS AMP” とは一体何をするものなのか?僕も最初わかりませんでした。(笑)とにかく “SANS AMP” が出た時、これを買った人がみんな、いい、いいって言ってて、見た目もボリュームのツマミ以外にちっちゃいスイッチが8個も並んでて、これは一体何なんだ〜!?って本気で思ったね。
うん。僕のユニットの [BROKEN MACHINE] のアルバムなんかは、ほとんど1枚 “SANS AMP” だけで作っちゃったもんね。
僕も持ってるんだけど苦労しましたね〜。いまだに色々探ってます。
使い方の第一段階としてはまず、3種類のインプット(Bass・Normal・Lead)から出したい音によって1つ選んで、おおまかな音の方向性を決めるのね。 なんでこんな名前が付いてるのかはわかんないけど・・・(笑)
宅録で “SANS AMP” を使うってことは「ライン」で録るってことだよね。 「ライン」 でギターを録ってしまうと、経験ある人も多いと思うんだけど、ギターらしいサウンドにならないんだよ。 なぜかというと、普段はアンプのスピーカーから音が出てるわけだよね? アンプのスピーカーってのは30cmくらいのあまり性能のよくない代物でオーディオ・スピーカーほど広いレンジを表現できないのよ。
そのアンプのスピーカー の音がまさに 『ギターの音』 としてイメージされてるわけ。そこに 「ライン」 で録るということは、モニター・スピーカーにしろヘッド・フォンにしろ、いきなりレンジの広い音響システムの中でギターを鳴らすことになるのよ。だからギターらしいサウンドにならないんだよ。
通常はアンプから出ている音をマイクで拾うわけだから、マイクで拾ったような音にする機材があればいいわけだよね。そこで “SANS AMP” が登場するわけ! “SANS AMP” はもちろん普通のプリ・アンプとして使うこともできるし、ノーマルな設定にして自分の持ってるプリ・アンプの後につないで『スピーカー・シュミレーター』 (ラインの音をスピーカーをマイクで拾ったような音に変えるもの)としても使えるのね。
それとこのまん中のミニ・スイッチの中で、おもしろいのが7の 「Speaker Edge」 と8の 「Close Miking」 だね。 「Speaker Edge」 は “エッジ(角)” っていうくらいだから、堅い音をねらったスピーカーのマイキングをシュミレートしてるわけ。「Close Miking」はちょっと外向きにマイキングした音をシュミレートしてるのね。なかなかユニークだよね!
じゃあ音を出してみるんだけど、今日は “SANS AMP” の特性をわかりやすくするために “SANS AMP” から直接ミキサーにつないで、ツイーターの付いてるYAMAHAのモニター・スピーカーから鳴らしてみるね。まず何も通さないラインの音はこんな感じ。 〜試奏〜
いよいよ “SANS AMP” を通すわけだけど、まずはフラットな設定を作って、ライン直接の音と比べてみましょう。クリーンな普通のアンプの音を作るわけだけど、僕の場合はこんな感じかな。 「Output」のレベルは3種類のインプットのどれを選ぶかによってぜんぜん違うから、“SANS AMP” をOn-Offして、ライン直接の音とレベルを合わせてください。〜試奏〜
じゃあ次にミニ・スイッチの 「Low Drive」 をONにしてみるとこんな感じ。〜試奏〜 かなり低音が強調されるよね。 これをOFFにして、「Mid Boost」 の1&2を順番にひとつずつONにしてみると。〜試奏〜 あんまり変わらないでしょ? インプットで 「Bass」 を選んだ時はこの2つのスイッチはほとんど機能しなくて、「Low」 だけやたら効くんだよね。だから 「Low Drive」 をONにした時は 「High」 のツマミを全開にしてあげるのね。
これでクリーンな音はできたんだけど、ここで 「Presence Drive」 を少しずつ上げてみるね。「Presence」 は上の方の周波数帯をコントロールするんだけど、この設定だとタッチによって、チューブっぽい歪みが得るられるんだな。〜試奏〜 でも上げすぎるとちょっと不自然な感じになっちゃうから気を付けてね!〜試奏〜
チューブではあり得ないつぶれ方しちゃうから要注意だね。 これだけでもかなり音を作れるんだけど、この (SANS AMP) 後に、このあいだ、お話した 「パラメトリック・イコライザー」 をつないで、さらに細かい周波数の補正をしてあげるのがベストかな!
“SANS AMP” の売りとしては、アメリカンな「ず太い」音がするっていうことなんだけど、1番太い音がするのは、インプットで 「Normal」 を選んだ時だね。〜試奏〜
あとはこれにミニ・スイッチの 「Speaker Edge」 を足してみたり、場合によっては 「Close Miking」 を足してみたりしていくんだけど、フロント・ピック・アップでブルースっぽいリードを弾きたい時なんかは、この 「Bright Switch」 がかなり有効だね。〜試奏〜
あんまりこれ (Vintage Tube)、使ったことないな。 それと 「Mid Boost1&2」 とか 「Low Drive」 とかは積極的に足さなきゃいけないってわけじゃなくて、これらを足すと 『プリ・アンプ』 っぽい使い方になるっていう感じかな。 「スピーカー・シュミレーター」 としてはこれらは使わなくていいと思うよ。 あとは、“SANS AMP” を歪まして使う時はインプットの 「Normal」 か 「Lead」 を選ぶんだけど、「Normal」 を選んだ時に 「Mid Boost」 を足してあげると、かなりブギーっぽくなるよね。〜試奏〜
次に 「Lead」。〜試奏〜 これだけだとぜんぜん 「Low」 が足りないから 「Low Drive」 をONにして、もっとマーシャルっぽくするなら 「Presence Drive」 を上げてあげると。〜試奏〜 かなりいい線いってるんだけど、マーシャルに比べて、ちょっと中域にまとまっちゃってる感じがするから、「パラメトリック・イコライザー」 で1kHzあたりを少しへこましてあげるとバッチリだよね!
“SANS AMP” は自分が出したい音はどんな音なのかっていうのを、ちゃんとイメージして音を作っていかないと難しいと思います。でも (時間はかかるかもしれないけど) “いい音” をちゃんと作れる機材だから根気よく研究してみてください!今、説明したなかでもわかると思うけど、適当にいじくってれば、“いい音” が作れるっていう代物ではないよね。
そう。ある程度イメージをもってから音を作り始めることがコツかな。難しいよ。インプット切り替えただけで、レベルはぜんぜん違うし、「Presence Drive」 にしても 「Amp Drive」 にしても、ちょっと動かしただけで微妙な(おいしい)ところがあるんだよ。(笑)
でも使いこなせれば『ず太い、いい音』 が作れるので、愛用しています。デビュー以来ずっと売れてるのもうなずけるよね。それくらいクオリティ高いです。
僕は絶対にこの “SANS AMP Classic” がお薦めです。ほんと気に入ってて、レコーディングだけじゃなくて、もうひとつのプリ・アンプとして自分のラックのシステムに入れてライブで使ったりもしてたよ。もちろんレコーディングでは大活躍!リバーブとはまた違う “空気感” を演出してくれる。ラインのレコーディングでは、その“空気感”をいかに出すかが勝負だからね。
部屋の質感を “SANS AMP” でシュミレートしてあげると、ほんとにマイクで録ったみたいになっちゃうからね。もうエレキに関しては、もう大音量でアンプを鳴らして、それをマイクで拾って、なんてことをしなくても、かなりいい音を作れるよね。宅録を含め、いろんな場面で手軽にレコーディングできるっていう点ではほんと素晴らしい機材だよ。“SANS AMP” エライ!
絶対おススメ!そして買うなら “Classic”。