特集

Talk About VINTAGE GUITAR case3:テレキャスター・ボディとフラットトップ・ギターの関連性

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

隔週連載のヴィンテージ・ギター・マニア必見のコラム、今回はフェンダー・テレキャスターのボディ・デザインの狙いについて推察します!

TalkAboutVG_263-80_C.jpgTAVG_3.jpg レオ・フェンダーが1950年に発表したブロードキャスター(テレキャスター)は、史上初の量産型ソリッド・エレクトリック・ギターとして知られている。

 テレキャスターのボディ・デザインは非常にうまくまとまっていて、実用性バランス共に最新のギターと比較しても申し分ない。ギター・トーンやそれを生み出すピックアップは、それ以前にフェンダーから発売されていたスティール・ギター(ハワイアン用のスライド・ギター)から流用されている。それでは、テレキャスターの形は何を参考にして作られたのだろうか?

 開発を担当したレオ・フェンダーは、50〜65年にかけてのフェンダー・ギターベース、そしてアンプ類を全て開発したイノベーターだが、伝統的なギター作りの経験は持ち合わせてはいなかった。当時からフェンダーの競合相手であったギブソンでは、伝統的なアーチトップ・ギターを小型/ソリッド化することでレスポール・モデルを作り出した。

 それに対して、フェンダー・テレキャスターにはベースとなるギターは見当たらない。ボディに使われているホワイトアッシュは、野球のバットや公園のベンチに使われていた白木で、それまでの楽器に使われたことはなかった。また、ブロンド・フィニッシュという木目の透けたホワイト・カラーは、テーブルや椅子といった家具や床に使われていたものだが、もしかしたらナチュラル仕上げのアーチトップ・ギターをイメージしたのだろうか。

 テレキャスターのボディが四角い板から切り出したような形状をしているのは、当時のフェンダー工場には立体的な木工切削設備がまだなく、単に上下/水平に木材を切り取る加工しかできなかったためだろう(しかし、54年に発売されたストラトキャスターは、なんとかボディが三次元的な姿に見えるように様々な工夫が施されている)。

 テレキャスターのトーンはとても硬くトレブリーなので、メロウで甘いトーンのアーチトップ・ギターの代用にはなりにくい。あるいは、カントリー・ウェスタン系で人気の高いテレキャスターのボディは、アコースティック・フラットトップ(いわゆるフォーク・ギター)に置き換えられるものかもしれない。そう考えてみると、フラットな白木仕上げのボディはフラットトップ・ギターを小型化したようにも感じられ、エッジの尖った仕上げ、大きく黒いピックガードなどもフラットトップとの共通性が感じられる。まだエレクトリック・フラットトップもなかったこの時代、テレキャスターにはフォーク・ギターを持ち替えさせる狙いがあったのだろう。

Text by JUN SEKINO

製品情報

FENDER Telecaster

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2019年10月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2019年9月2日(月)発売

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