特集

Talk About VINTAGE GUITAR case4:サウンドへの影響も考慮したフェンダーのヘッドストック

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

 隔週連載のヴィンテージ・ギター・マニア必見のコラム、今回はフェンダーを象徴するストラトキャスターのヘッドストック・デザインについて掘り下げます!

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TAVG_4-A.jpg レオ・フェンダーは、1950年からの約10年間の間に、テレキャスター、ストラトキャスター、ジャズマスター、そしてプレシジョン・ベース、ジャズ・ベースと、現在のエレクトリック楽器の中心となるギター/ベースを次々を作り出した。

 フェンダーから初めて発売されたギターとなるブロードキャスター(テレキャスター)には、様々なオリジナルのアイディアが満載されている。片側に6個のチューナーが並んだテレキャスターのヘッドストック(写真左上)は、同じカリフォルニアで先行してソリッド・ギターを製作していたポール・ビグスビーの影響ともいわれているが、テレキャスターは指板面から見た時に弦がナットの前後で一直線になっている。"ストレート・プル・デザイン"と名づけられたこのヘッドストックは、弦に不要な方向へのテンションをかけることが無いので、より自然で豊かなトーンを生み出すことができるという考え方に基づいている。50年に登場したテレキャスターのヘッドストック・デザインは51年に発売されたプレシジョン・ベースにも流用されたが、54年に登場したストラトキャスターにはより洗練された曲線で構成された新しいヘッドストック・デザインが採用された。

TAVG_4-B.jpg ストラトキャスターのヘッドストック(写真左下)は、歴代フェンダー・ギターの中でも最もバランスに優れた美しいデザインといわれており、このヘッドストックもまたストレート・プル・デザインに準じている。この時代の新しいモデルには新しいヘッドストックとボディ・デザインが用意されていたことになるが、ストラトキャスターのヘッドストックはとても完成度が高かったことから、56年に発売されたミュージックマスター/デュオ・ソニック、そしてマンドリンにも転用された。50年代に発売されたこれらのモデルはストラトキャスターの兄弟といえるだろう。

 54〜56年に発売されたモデルにはストラトキャスターのヘッドストックが使われたが、58年に登場した上級モデルのジャズマスターにはより大きなデザインのヘッドストックが使われている。さらにこのデザインは、61年発売のベース VI、62年のジャガー、64年のムスタングにも使われた。つまり、レオ・フェンダーが開発を担当した65年までのモデルは、ほぼジャズマスターのヘッドストックが使われたことになる。

 65年末には、フェンダーを買い取ったCBSによって、ひと目でフェンダー・ギターと判別できるように大型化されたヘッドストックをストラトキャスターを含めた多くのフェンダー・ギターに採用されたことで、各モデルの個性は薄められていく(スモール・ヘッドストックと呼ばれる発売当初のストラトキャスター・ヘッドストックの再発は80年まで待たねばならない)。

 現在のフェンダーでは、発売当初のスタイルへと回帰したモデルも多く、スモール・ヘッドと呼ばれる発売当初のストラトキャスターのヘッドストックは、フェンダーを象徴するアイコンとしてすっかり定着している。

製品情報

FENDER Stratocaster

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2020年7月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年6月2日(火)発売

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