特集

Talk About VINTAGE GUITAR case7:新しい金型から作られたフェンダー・ストラトキャスターのプラスティック・パーツ

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

シンプルなイメージが強かったフェンダーのギターにおいて、形状や装飾にこだわった仕様も特徴となったフェンダー・ストラトキャスターのパーツについて解説します!

TalkAboutVG_263-80_C7.jpg レオ・フェンダーがギター開発をほぼ一人で行っていた初期のフェンダーでは、レオの好みや開発スタイルが色濃くギターに反映された。機能性を全てに優先させ、全くといっていいほど装飾が施されていないデザインは、フェンダーのメーカー・カラーとして定着していった。1950年に発売されたエスクァイア/ブロードキャスター、51年発売のプレシジョン・ベースは共通部分が多く、木材はメイプル、ホワイトアッシュ、メタル・パーツはミル加工(切削)、もしくは板材のプレス加工によって作られ、ピックガードはラジオの絶縁用ベークライト板を打ち抜いて作られていた。

case7_1.jpg ところが1954年に発売されたストラトキャスターは、少し様子がちがってくる。複雑になったボディ形状に加えて、ある意味では装飾ともいえるサンバースト塗装が採用されたのである。また、テレキャスターでは、ダイ(金型)を必要とせず、少数製造に向いたミル加工が多く使われていたのに対して、ストラトキャスターのメタル・パーツは金型を使うプレス加工が増え、更に最も金型代の高いプラスティック・パーツを幾つもモールド成型したのである。

case7_2.jpg ストラトキャスター用に作られたのは、ピックアップ・カバー、ボリューム・ツマミ、トーン・ツマミ、セレクタ・チップ、アームバー・チップである。ピックガードとリア・プレートは、1/16インチ厚の板材をプレス加工して作られている。

 その後に発売され、60年代フェンダーを代表する人気モデルとなったジャズマスターやジャガー、ジャズ・ベース等でも、追加されたモールド・プラスティック・パーツはピックアップ・カバーのみ。それどころかコントロール・ノブやアームバー・チップは、ストラトキャスター用のものを転用したり、汎用のエレクトリック・パーツの中から選択されている。そう考えると、ストラトキャスターを開発していた時代のフェンダーは成長のターニング・ポイントであり、レオ・フェンダーが前のめりともいえる程に手間とお金をつぎ込んでいた様子が伝わってくる。

Text by JUN SEKINO

製品情報

FENDER Stratocaster

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2020年7月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年6月2日(火)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

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