特集

Talk About VINTAGE GUITAR case9:SGスタイルへとモデルチェンジした1963年製ギブソン・レスポール・スタンダードのヘッドストック・フェイス

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

ギブソン社とレス・ポールとの契約の経緯、そしてSGへとモデルチェンジしたレス・ポール・モデルについて掘り下げます。

TalkAboutVG_263-80_9M.jpgTAVG_9.jpg ギブソンのレスポール・モデルは、同社初のソリッド・エレクトリック・ギターとして1952年5月に発売された。初期の表記は""レスポール・モデル"で、"レスポール・スタンダード"の名前は、1958年にサンバースト仕上げになった時から使われるようになった。1961年初頭にそれまでのレスポール・モデルはSGスタイルへとフルモデルチェンジされたが、レスポールの名前は1963年の途中まで、SGスタイルとなったギターにも使われ続けた。

 レス・ポールはまだソリッド・ギターのなかった時代に、自らの手で幾つかのソリッド・ギターを試作し、愛用していた。当時レスはソリッド・ボディのアイディアをギブソンに売り込んだが、時期尚早としてギブソンに受け入れられることはなかった。
 1950年夏頃に西海岸の新しいギター・メーカーであるフェンダーから史上初となる量産型ソリッド・ギターのブロードキャスターが発売されると、それは徐々にギブソンのある東海岸でも話題となっていった。ソリッド・ギターの将来性を感じ取ったギブソンでは、独自にソリッド・ギターの開発を行い、1951年にプロトタイプを持ってレス・ポールとパートナーのマリー・フォードの元を訪ねた。そのギターが、メイプルとマホガニーを重ね合わせたソリッド・ボディのレスポール・モデルとなった。当時ギブソンのアーチトップ・ギターを使用していたレスは、ギブソン・ギターの高いクォリティや弾き心地には十分満足していたが、レスポール・モデルには彼が考案したスティール製のブリッジ/テイルピースとゴールド・フィニッシュが採用された(ネック・ピックアップに関しても、レスはギブソンのP-90よりもディ・アーモンド・ピックアップが好みだったようだが、1954年にはレスの希望に応えるピックアップ/PU-480がレスポール・カスタムのネック・ポジションに採用された)。

TAVG_9_2.jpg レス・ポールと当時ギブソンの社長を務めていたテッド・マッカーティは、レスがレコーディングを行っていたペンシルバニア州の山荘で契約を交わした。当時売れっ子だったレスは、税金対策上すぐにロイヤリティを受け取りたくはない意向だったので、契約期間が終わる5年後にまとめて受け取ることになった。ギブソンからレス・ポール・モデルが発売されたのが1952年半ば、そこから5年後には契約が更新されたが、1962年にレス・ポールとマリー・フォードが離婚したこともあり、その次の更新は行われなかった。そのため、1963年半ばで契約は終了し、ギターの名前はSG(ソリッド・ギターの略)へと改められた。

Text by JUN SEKINO

製品情報

GIBSON SG/Les Paul Standard

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2021年4月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2021年3月2日(火)発売

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