特集

Talk About VINTAGE GUITAR case11:ギブソン フライングVの強度とデザイン性を兼ね備えたジョイント加工

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

1958年に登場したギブソン フライングV。奇抜なデザインながら、そのネック・ジョイント部は斬新な試みが取り入れられていた・・・

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 ギブソンにとって1958年はエポックメイキングな年だった。レスポール・モデルの完成形となるサンバースト・モデルが誕生した年であると同時に、レスポール・ジュニアや新製品のES-335T等に、ギブソン初となる深いダブル・カッタウェイが採用されたのである。ダブル・カッタウェイは、その後ギブソン・ギターの新機軸として多くのモデルに採用され、1961年にはレスポール・モデルでさえもSGスタイルへと変身することになった。

TAVG_11.jpg 1958年にはギブソンの未来を目指したフライング Vとエクスプローラも発売されたが、残念ながらこれらのモデルが一般市場に受け入れられるには時期尚早だった。特にフライング Vには斬新な試みが導入されていた。ボディに使用されたホワイト・リンバウッドは半分のサイズの木材が約40°の角度を付けて向かい合うように接着されている。V型という特殊なボディは、ネックとのジョイント部分が頂点となるために、強度を確保するのは難しい。この年から始まったダブル・カッタウェイ‏・シェイプのカッタウェイ外側のホーン部分を無くしてしまったともいえるジョイント部分は、ネックがボディ内部深くまで差し込まれており、ピックガードで隠されたネックのエンド部分は、実に2つのピックアップのちょうど中間のあたりまで達している。

 更に興味深いのは、手作業で仕上げられたボディからネックへかけての裏側部分である。横から見るとボディ/ネックは20.5フレット位置あたりでジョイントされているように見えるが、ボディ裏側部分はネックのヒール部分を覆い隠すように19フレット位置まで達している。手間のかかるこの加工は接着面積を稼ぐためのアイディアで、ジョイント部分が半加工状態のボディにネック用のキャビティを開け、そこに接着したネック・エンド部分をボディごと削り込むことで高い強度とスリムなシェイプを両立させている。このジョイント方法は、深いダブル・カッタウェイ・シェイプが採用されたSG レス・ポールの初期型モデルにも見受けられる。

 1966年以降にマホガニー材を使って再生産されたフライング Vでは、50年代の複雑なジョイント加工ではなく、ネックをボディに17フレット位置まで差し込むことで強度を確保するデザインへと変更された。

Text by JUN SEKINO

製品情報

GIBSON Flying V

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2020年3月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年2月1日(土)発売

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CREAM / BLIND FAITH(Eric Clapton & Ginger Baker)

追悼:ジンジャー・ベイカー

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