特集

case16:ギブソンのヘッドストック・フェイス

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

シンプルに見えるギブソンのヘッドストックですが、その製造手順は意外と複雑なのです。

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 エレクトリック・ギターが登場する以前からギターの製造を行ってきたギブソンには、手加工を前提とした伝統的なギター作りが残されている部分も多い。このことはギターの個体差が生まれる要因であり、ギターごとに弾き心地やトーンがわずかに異なることは、ヴィンテージ・ギターの魅力にもなっている。

TAVG_16.jpg ヴィンテージ・ギブソンのネックは手加工による部分も多く、ナット幅やグリップは各年代の特徴に加えて、ギター毎の個体差を感じさせている。ヘッドストック/ネック間には、約17°の角度が付けられているものの、手作業によるその工程ではある程度のばらつきが見られる。また、レスポール・モデルを例に取るとジュニアにはヘッド・プレートは無く、スペシャル、スタンダードにはホリーウッド・プレート、そしてカスタムでは外周にバウンド加工が施された厚いホリーウッド・プレートという具合に、幾つものバリエーションがある。

 レスポールやSGのスタンダードのヘッドストック・フェイスは、マザー・オヴ・パールを使ったギブソンの文字やクラウン型のインレイが施されており、全体がブラックに塗装されている。よく見るとロゴやマークは1枚のパール(iドットを除いて)に黒いマスキング加工を施すことで作られている。また、ヘッドのサイド部分には、白木のホリーウッド材の厚み部分が露出している。このことから、ヘッドストック・フェイスの製造手順がわかってくる。緻密な作業となるインレイ加工は、効率を考えヘッドストックに貼り付ける前のホリーウッド・プレートに施す。その際、ロゴやクラウンへのマスキング加工と細かな部分の着色のみは行うものの、ヘッドストックのサイズが各モデルによってばらついていることもあり、一旦板状のヘッド・プレートを取り付け、その後でヘッドストックと供に外周の仕上げを行う。次にヘッドストックサイド/バックをチェリー・レッドで生地着色、そしてインレイ類、ヘッドストックのサイド部分をマスキングした状態でヘッドストック・フェイスをブラックに塗装、最後に全体にクリア・ラッカーのトップコートで仕上げている。その結果、ヘッドストック・プレートのフェイス面は黒く、サイド部分はネックと同じチェリー色になる。

※写真は1963年製のギブソン・SG/レスポール・スタンダードのヘッドストック・フェイス。

Text by JUN SEKINO

製品情報

1963 GIBSON SG/Les Paul Standard

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2020年3月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年2月1日(土)発売

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