特集

case19:リッケンバッカー独自のステレオ・システム

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

 ヴィンテージ・ギター・マニア必見のコラム、今回はリッケンバッカー独自のステレオ・システム、リック "O" サウンドに迫ります。

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 ステレオ仕様のレコードが発売された50年代後半。グレッチやギブソンからは、独自のステレオ・ギターが発売された。出たばかりのステレオ・ギターは、対応するアンプも含めてまだ発達途中であり、使い方が決まっていたわけではない。ギブソンのES-345TDや355TDにはステレオ・アウトが標準として採用されているが、これらのギターに一般的なモノラル仕様のケーブルをつなぐと、片側のピックアップの音がでなくなってしまうというトラブルもあった。
TAVG_19_1.jpg リッケンバッカーから独自のステレオ・システムとなるリック "O" サウンドが登場したのは1960年で、ギターの360(写真)やベースの4001といった上級モデルに組み込まれるようになった。

 リック "O" サウンドはギターにアウトプット・ジャックが2つ用意されているのが特徴で、一般的なモノラル出力用のジャック、ステレオ・シールド・ケーブルを使用するステレオ・アウトプット・ジャックが用意されている。2つのアウトプット・ジャックをギターに組み込んでおくことで、ギブソン・ギターのようなモノラル・ケーブルを繋いだ時のトラブルを避けることができるというわけである。ステレオ・ケーブルの先には、ABボックスのようなエフェクター・サイズのボックスが付いており、ここに2本の通常(モノラル)ケーブルを差し込んで、2インプット仕様のアンプや、2台のアンプにつなげて使用する。

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 2台のアンプを使う場合、多くのY型ステレオ/モノラル・ケーブルでは左右にアンプを広げようとすると長さが足りなくなってしまうので、このボックスはとてもありがたい。リック "O" サウンドでは、最終的にブリッジ、ネックの各ピックアップが独立して出力される仕組みになっていて、2つのギター出力に異なるトーン・セッティングを施したり、片側にリヴァーブ、トレモロといったエフェクターを加えることで立体的なギター・サウンドが生み出される。更に、左右2台のアンプを2つのマイクロフォンを使ってレコーディングすれば、左右に音が行き来するような個性的なステレオ・サウンドを作り出すこともできるだろう。

Text by JUN SEKINO

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2020年7月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年6月2日(火)発売

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