特集

case21:レオ・フェンダーの飽くなき探究心

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

 ヴィンテージ・ギターの意外な一面にスポットを当てるコラム、今回はレオ・フェンダーのギター開発における探究心の一端を語ります。

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 レオ・フェンダーは1950-65年にかけてフェンダーから発売されたギター、ベース、アンプに関する開発のほぼ全てを行っていた。更に、"レオが実際にギターを弾くことはほとんど無かった"という話にも驚かされる。周りのミュージシャン達のリクエストを聞きながら、常にレオが追求していたのは"機能性"だった。実際にフェンダーのギターやベースには、パール・インレイやバインディングといった装飾加工はほとんど見られない。

 レオ・フェンダーのような抜きん出た技術者は、探求心を止めることができなくなる傾向があるのかもしれない。最初のギターとなったテレキャスターにヴィブラート・ユニットを組み込もうと色々と手を加えているうちに、ストラトキャスターが出来上がったという話すら残されている。

TAVG_21.jpgフェンダーの人気ギターとなったジャズマスターが発売されたのが1958年。このギターにはストラトキャスターに採用されたコンター加工に加えて、斜めにギターを構えたプレイ・スタイルでのバランスや実用性を踏まえて、ボディを左右非対称にデザインしたオフセット・ウエスト・シェイプが採用された。また、滑な動作が魅力のフリー・フローティング・トレモロ、そして2つのシングルコイル・ピックアップを使うミックス・ポジションでのハムバッキング効果までを作り出した。

 1961年に発売されたベース VIはギターとベースの間に位置するバリトン・ギターだが、ジャズマスターやジャズ・ベースを6弦ベースへと改良するのではなく、ややジャズマスターに似た3ピックアップのオリジナル・モデルを作り出してしまった。

 1962年に登場したジャガーでは、シールド効果の高いクロム仕上げのプレートをピックアップ・セレクタ、プリセット・トーン、メインのコントロール部分に使い、マグネット・ヨークを備えた新しいピックアップを開発した。それに加えて、今までのオフセット・ウエスト・シェイプ、コンター加工、新しくミュート機構が追加されたフリー・フローティング・トレモロも採用されている。コントロール類は、ジャズマスターに採用されたプリセット・トーンに加えて、メインのピックアップのオン/オフ、更にハイ・パス(ロー・カット)スイッチまでを装備している。ギターが備える機能性は重要なポイントだが、レオの場合少しやりすぎてしまうのかもしれない。

Text by JUN SEKINO
 一旦現役を退いたレオ・フェンダーは、70年代にミュージックマンと供に現役に復帰し、再びシンプルで躍動的なスティングレイ・ベースやセイバー・ベースを生み出した。

製品情報

FENDER Jazzmaster

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Player

2020年7月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2020年6月2日(火)発売

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