特集

case24:高級モデルとして登場したテレキャスター・カスタム

ちょっとマニアックなヴィンテージ・ギター推論

 ヴィンテージ・ギターの仕様について推察するコラム、今回は機能性を追求したヴィンテージ・フェンダーの中で唯一装飾にこだわったテレキャスター・カスタム/エスクァイア・カスタムを紹介します。

TalkAboutVG_263-80_C24.jpg レオ・フェンダーが管理していた1965年までのフェンダー・ギター/ベースには、ネックのバインディングやポジション・インレイといった装飾類は何もなく、機能性のみを追求し続けるレオのスタイルは多くのフェンダー・ファンを生み出してきた。

TAVG_24.jpg ヴィンテージ・フェンダーの中で唯一の例外といえるのが1959年半ばに発売されたテレキャスター・カスタム/エスクァイア・カスタムである。カントリー・ギタリストのバック・オーエンスのため、フラットトップ・ギターのようにボディがバウンド加工されたテレキャスターが必要になった時、レオ・フェンダーと右腕のフォレスト・ホワイトはマーティン社に直接出向いて手ほどきを受けた。その結果生まれたのが、ボディ表裏のサイド面にバウンド加工を施したテレキャスター・カスタムである。そして、このモデルのボディにはブロンド仕上げのホワイトアッシュではなく、サンバーストにカラーリングされたアルダー材が使われている。

 一般的なフェンダー・ギターに使われていたサンバースト・フィニッシュが、2トーン・ブラウンからレッドが加わった3トーン仕上げへと変更されたのは1958年半ば。その初期の1959〜60年に作られた3トーン・サンバーストは赤色成分が退色しやすく、現在では赤味が抜けてしまった2トーン・サンバーストへと変化しているギターが多い。3トーン・サンバーストに塗装された初期のテレキャスター・カスタムのボディも、その多くは既に2トーン・サンバーストへと経年変化している。テレキャスター・カスタムは一旦サンバースト塗装されたボディから、白いバインディング部分を掻き出してトップコート(クリア・ラッカー)で仕上げる。その作業をすばやく、そして掻き出すバインディング部分の段差を最小限にするために、サイド部分の着色塗装は特に薄い。それ故、この部分は退色が目立ちやすく、ダーク・ブラウンから赤味成分が退色することで明るいブラウン・カラーに変化しているものが多い。

 もしくは、サンバースト・フィニッシュの代表格として知られるギブソン・ギターでは、サンバーストに仕上げられたボディのサイド部分は木目が見えていることが多いので、テレキャスター・カスタムの表裏に対して、サイドの色は始めから少し明るく仕上げられていたのかもしれない。

Text by JUN SEKINO

製品情報

FENDER Telecaster Custom

もっと見る

Player

2021年3月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2021年2月2日(月)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

MICHAEL SCHENKER

我が青春のマイケル・シェンカー

J-guitar

厳選されたギターが集まる!国内最大級のギター専門情報サイト!