インタビュー

連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.1

We Love FENDER GUITARS!

篠田 徹 (TORU SHINODA)

「GAKKIソムリエ」のオリジナル連載企画、"We Love FENDER GUITARS!"がスタート!アマチュア・ギタリストのギターライフやギターストーリーをたっぷりと語ってもらう新コーナーの誕生だっ!

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 少年時代に見たフェンダー・ギターは、いつもカギの掛かるショーケースの中にいた。アメリカに憧れ、西海岸の太陽と軽快な音楽に憧れ、フェンダー・ギターに憧れた日々。"いつかは僕も..."と思い続けて十数年が過ぎた。ようやく憧れのギターを手にした時の嬉しさは、今も色あせることなく心に深く刻まれている。そうだ、僕らはみんなフェンダー・ギターが好きだった! そんな青春の思い出が今僕の手の中にある...。


連載企画の第一弾、記念すべきゲストは篠田徹さん。大手レコード会社に勤務し、仕事でもプライベートでもフェンダー・ギターとは接点がある。40数年前に購入したストラトキャスターを始め、2本のカスタムショップ製ストラト、60年代のジャガーなど、6本のフェンダー・ギターを所有している。それでは早速、そのギターストーリーを語って頂こう...。

■エレキを弾く奴は不良だ

 shinodasan-129.jpgギターに興味を持ったのはいつ頃ですか?

 小学校5年生くらいですかね。ビートルズが好きでギターに憧れました。世代的にはビートルズエイジの少し下の方です。家に親父が昔ちょっとかじったギターがいつもぶら下がっていたんです。クラシック・ギターだけど弦はスティールで。弾こうと思って親父にチューニングを聞いたら、親父もよく知らなくて(笑)。友達にもギターを弾いている奴はいないから、自分でメロディを弾きやすいように適当なチューニングでビートルズのメロディだけをコピーしていました(笑)。そのうち、どうやらコードっていうものがあるらしい...ということを知り、姉の友人でフォークギターをやっている人も見つかり、ようやく正しいチューニングを(笑)。

 (笑)最初に買ったギターは?

  グヤトーンのエレキです。中2の時、家の近くのレコード店にずっと置かれていたエレキが欲しくて、良く見に行きました。確か14,500円でした。長い間お小遣いやお年玉を貯めて、ようやくその金額になったので、前日レコード店に行って「明日買いに来るから売らないでね!」ってお願いして、翌日母親とそのエレキを買いに行きました。そしたら値段が上がってたんです! もうショックで...。どうもお店が間違えてひとつ下のモデルの価格を付けていたらしいんですよ(笑)。まあどうにかお店の人の計らいで、それまでの価格で...。

 でもあの頃は"エレキを弾く奴は不良だ!"っていう時代でしたね。今じゃ考えられない(笑)。今でも覚えていますが、ビートルズの来日公演が1966年6月30日で、その日の朝、担任の先生に職員室に呼び出されて、立たされたんです。「ビートルズのコンサートに行くつもりだろう。行ったら退学だ!」って(笑)。ありえないでしょ、チケットを買うお金もなく、買う方法すら知らなかったのに(笑)。

 その後、高校でもやはりエレキはアウトローで大きな音は出せず、仕方なくカワイの安いフォークギターを買ってビートルズのコピーをやっていました。高2になるとバンドスタイルになり、ベース担当として地元のお祭りでも演奏しましたね。クルマなんて無いから、お風呂屋さんでリヤカーを借りて、機材をみんなで運びましたよ(笑)。

■〇万円でいいです...

 (笑)フェンダー・ギターを意識するようになったのはいつ頃ですか?

 高校生の時ですね。銀座の楽器店に行ったらショーケースにフェンダーが置かれていたんです。価格を見たら10何万円とか書いてあって「あれ、価格一桁多いんじゃないの?」って友達と話してましたよ。その頃自分達の国産ギターは1〜2万でしたから、そんな高いギター見たことなくて(笑)。

 大学では、バンドをけっこう真剣にやっていて、よく御茶ノ水の楽器店に行きました。ある日ショーケースに入荷したばかりのナチュラルのストラトが3本並べて飾ってあったんです。3本は色も木目もそっくりで、真ん中のギターだけがトレモロ仕様ではなくハードテイルでした。思わずその3本を弾かして貰ったら、そのハードテイルが凄く軽くてまた良い音なんです。で、それがどうしても欲しくなり、思い切って買いました。それから40数年経ちましたが、今でも使っています。

 shinodasan-106.jpgハードテイルのストラトは珍しいですね。その次ぎのギターは?

 以前勤めていた某レコード会社でセールスをしていた頃に、鶴見にあるレコード店に入った時のことです。レジ横にフェンダーの古いケースが置かれていたんです。「このギターは?」つて訊いたら「これは商品ではなくて、知り合いが結婚するのでその資金の足しに、いくらでも良いから売ってくれって預かっているんだ」って。中を見せて貰ったら、なんとピカピカの64年製ジャガーなんですよ! タグまで付いていて。「コレ、いくらで売ってもらえます? 例えば〇万円とか...」っていったら「えっ、そんなにもらえるんですか?」って、こっちも大喜びですよ! 早速翌日その金額を持ってそのレコード店に行きました。そしたら「ギターの持ち主が、〇万円じゃ悪いから、〇万円でいいですって」って...、64年のピカピカのジャガーですよ(笑)。そのギターは、色々な人のレコーディング用にずいぶん貸し出しましたよ。

■ギターは出会い

 IMGP0436.jpgカスタムショップのストラトをお持ちですね。

 ええ、今日持ってきた92年製が最初に買ったカスタムショップ製です。1本目がハードテイルなので、やはりアームが付いたストラトが欲しいなって。銀座の楽器店で見つけたんですが、一目見て"これは..."つて思いました。ネックの感じとか凄く良いし、軽い。メイプル・ネックのブライトなサウンドも大好きです。ちょっとオーリアンズのジョン・ホールのギターの音に似ていますよ。

  何故カスタムショップ製を?

 とにかく音が気に入りました。その後にフェンダー・ジャパンのストラトも2本買っていますけど、ジャパン製も悪くないですよ。そう言えば、柳ジョージさんはずっとジャパンの黒いストラトを使っていましたね。

 もう1本のストラトを紹介してください。

 やはりカスタムショップ製で、これがまた凄く音が良い! 僕は楽器店で並んでいるギターを見て、良い音のギターは感じるんです、弾く前から。このストラトもピンと来ました。

 どこでそれを感じますか?  

 まずネック。このフィット感というか、握った瞬間にスッポリと手に収まるギターは良い。単純に細いとか太いじゃないです。不思議ですよ。あとウェイトバランスね。

 マイケル・ランドゥのモデルだから注目した訳では無いんですね...。

 いや、まったく関係ない。単純に弾きやすさと音の良さ。実はランドゥのモデルだって、お店の人から聞いて知ったんです(笑)。

 レリック仕様はお好きですか?

 いや〜、正直余り好きじゃないです。でも、本人のギターのレプリカだから。昔はよく"なんでわざわざ新しいギターをキズだらけにするんだ"って思ってました(笑)。私は仕事柄時々自分のギターをレコーディングなどでミュージシャンに貸したりするんですが、このマイケルのモデルは、先日、佐橋佳幸君がレコーディングで使って、凄く気に入ってました。実は佐橋君とは40年間の付き合いなんです。僕が大学生で彼が中学生だったかな。彼は僕のバンドのライブをよく観に来ていたんです。その頃僕はハードテイルのストラトを弾いていたので、レコーディング終了時もその話しで盛り上がりました。

 縁というか、皆さんよく覚えていますね...。

 覚えていると言えば、そのナチュラルのハードテイルを私が買ったとき、残りの2本のストラトを私の知り合いのスタジオミュージシャンが買ってたことが最近分かったんです。みんな40年前に3本並べて売られていた時のことをちゃんと覚えているんですよ。彼らに会ったとき「そう言えば、あの時3本同じ木目のナチュラルのストラトがあったよね。でもすぐに真ん中のストラトが売れちゃって...」って「それは僕が買ったんだよ」って言ったら、驚いていました(笑)。面白いよね、ギターは出会いですよ。人と同じですね。

shinodasan-123-2.jpg【今週のゲスト】

篠田 徹(TORU SHINODA)

日本クラウン株式会社 取締役 制作宣伝本部長

 1952年東京生まれ。ビートルズに憧れてエレクトリック・ギターを手にする。以来バンド活動に明け暮れ、一時はプロミュージシャンを夢見た時期もあったが、「ジョージ・マーチン」になりたくて、レコード会社に入社。演歌・歌謡曲から海外アーティストまで幅広く制作を担当し、現在に至る。フェンダー・ギターの他にも約15本のギターを所有。現在もバンド活動(趣味のオヤジバンド)の他、ギターライフを楽しんでいる。

■FENDER Custom Shop 54 STRAT

shinda54ST-1.jpg 1992年11月に出荷された初期のカスタムショップ製のストラトキャスター。1987年にカスタムショップを立ち上げたメンバーの一人として知られるジョン・ペイジが製作した1本。"54 "というモデル名だが、ヴィンテージ・リイシューというより、54モデルをベースとしたよりモダンなオリジナル・デザインを採用。ブロンドとナチュラルとの中間とも言える珍しいフィニッシュが印象的だ。ヘッド裏のカスタムショップのロゴも現在とは異なっている。

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■FENDER Custom Shop Michael Landau Signature 1963 Relic Stratocaster

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 ミュージシャンズ・ミュージシャンとして知られるマイケル・ランドゥのシグネチャー・モデル。マイケルが愛用する1963年製ストラトキャスターを、リアルに再現したモデルとして2014年に発売された。本人のギターと同じくサンバーストをフィェスタレッドにリフィニュシュしているところもリアルに再現。鈴鳴りという表現が相応しい、煌びやかなトーンが実に素晴らしい。フィンガーボードはラウンド貼り。同時にブラックとサンバースト仕様も発売された。

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We Love FENDER GUITARS!

連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.5
久保田 衛 / 1966 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.4
北川 裕康 / 1957 Stratocaster Dennis Galuszka
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.3
池田 進太郎 / Custom Telecatser
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.2
永田ショーザブロー / Harrison Tribute Rooftop Tele
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.1
篠田 徹 / 54 STRAT, Michael Landau Signature 1963 Relic Stratocaster

Interview : 田中 稔 (月刊『Player』)

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定価890円(本体824円)A4判

2018年12月1日(土)発売

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