インタビュー

We Love FENDER GUITARS! Vol.12

We Love FENDER GUITARS!

佐藤雅之

 「GAKKIソムリエ」のオリジナル企画“We Love FENDER GUITARS!”。アマチュア・ギタリスト達のギターライフやギターストーリーを、ギタ−の紹介と共にたっぷりと語って貰う人気コーナー。そうだ、僕達はフェンダー・ギターで大きくなったんだ!大切な思い出、そこにはいつもギターがあった…。

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 叔父のフルアコでギターを始めた。成毛滋との交流が自分を大きく成長させ、一時はアイドルバンドの仕事にも就いた。数あるフェンダー・ギターの中で、最も愛着があるのがロベン・フォード・モデル。このギターを求めて幾つものギターショップに出かけて行った。東京中のロベン・フォード・モデルを弾いてようやく見つけた1本は、まさにロベンからの贈り物だった...。

■成毛滋はいません!

wlf11-1280-101.jpg ギターを始めた切っ掛けは?

 僕は1958年生まれなんですが、小学校6年生の頃にギターを始めました。当時親父の弟が同居していまして、彼がロックバンドをやっていたんです。それもあって子供の頃からピンクフロイドやツェッペリンを聴いていました。その環境が良かったのか悪かったのか...(笑)。実家は東京ですが、叔父は都内で見つからない輸入盤は横浜まで捜しに行くほどの音楽マニアでした。叔父のフルアコをこっそり弾くところからギターを初めて、いつの間にか叔父より上手く...(笑)。

 若い頃プロギタリストとして活動されていたそうですね?

 ええ、しばらくアイドルバンドをやっていました。僕は成毛 滋さんの最後の方の弟子なんです。高校生の時、成毛さんのコンサートを観に行って感動しましてね。僕はそれまで、日本人にハードロックは無理だと思っていましたから。で成毛さんに衝撃を受けて、すぐにレコードを買いました。そうしたら景山民夫さんのライナーノーツに「僕の家の近所に成毛が住んでる」と書いてあったんです。それで電話帳で調べたら、成毛さんは載っていなかったのですが景山さんの住所が分かったので、家を訊ねて行きました。そしたら、その近所に「成毛」と書かれた大豪邸があるんです。これだと思い勇気を出してピンポンを鳴らしてみたら、丸坊主の怖そうなおじさんが出てきて「成毛滋という人間はいません!」と言われて、その日は渋々帰りました。でもその後色々調べてみると、やっぱりあの大邸宅は成毛さんの家に間違いないということで、次の土曜日にもう一度訊ねて行ったんです。そしたらまた坊主のおじさんが「実は僕カツラなんだよね」って(笑)。その時僕がたまたま柔道着を持っていたのを成毛さんが見て「お前格闘技好きか? 面白そうなヤツだな」という話になり「ギターをやっているなら、今度ギターを持って遊びに来なさい」と言われました。それが縁で毎週土曜日に成毛さんのご自宅に行っていました。当然そこには、柳ジョージさんや角田ヒロさん、高中正義さん、竹田和夫さんなどがよく来ていましたね。僕が17歳の頃です。成毛さんのコンサートにも子分のような感じで付いて行きました。ある時「事務所でセッションがあるから来なさい」と言われたのでギターを持って行ってみたら、いきなり「明日から練習に来れるか?」と言われて...。実はそれがオーディションだったようで、それからあっという間にアイドルバンドでデビューしまして...。

 そんな話しが本当にあるんですね! その時はどんなギターを?

 グレコのLPタイプです。僕は当時リッチー・ブラックモアが大好きだったのですが、フェンダーはとても買えなくて...。僕らの時代のフェンダーはラージ・ヘッドだったので、それに憧れましたね。なかなか自分が気に入るラージ・ヘッドに出会えなくて、結局買えずじまいですけど...。

■ギターを予約しておいたから...

wlf11-1280-104.jpg これまで買われたフェンダーは?

 今はカスタムショップだと今日持ってきたロベン・フォード・モデル。それから限定で発売されたローズウッド指板の1959 テレキャスターです。僕はメイプルよりローズウッド指板の方がしっくりきます。

 ロベン・フォード・モデルはどこが気に入っていますか?

 ハムバッカー・モデルですがギブソンにはない音なんですね。レスポールよりも高音域が出て、周波数的にワイドレンジです。やはりフェンダーだなと思わせるところがあります。古いギブソンもハイレンジは出ますが、それとも違うレンジの広さです。

 いつ頃購入されたのですか?

 これは2000年代に入ってからですね。実はロベン・フォード・モデルは何回か買い替えているんです。フェンダー・ジャパンのモデルもしばらく使っていました。このモデルは色々とチェックしています。元々ほとんどカタログにも載らないモデルですが、カスタムショップにロベン・フォード・モデルというのがあることを知り、興味が湧いて某楽器店で弾いてみました。しかし、それはどうもピンと来なかったので、また別の楽器店でチェックしたんですが、それも納得がいかなくて...。でもこのデザインが凄く好きなので、東京や近郊で見つけるとすぐに試奏をしていました。その後、同じ様にこのモデルを探している方と知り合って親しくなったんですが、ある時その方から電話があって「すごく鳴るモデルが某楽器店にあるから行ってごらん。予約しておいたから」って。エッ!? ずいぶん勝手なことしてくれたなと(笑)。言われたとおりその店行って試奏したら、本当に自分が望んでいた音でした。それが今日持ってきたギターです。それまで弾いたモデルはもっとボディが厚かったですね。このモデルって、バージョンがいくつもあるんです。

 現在欲しいギターはありますか?

 カスタムショップで作って欲しいのは、70年代のメイプル指板のテレキャスですね。ヴィンテージロゴではなくモダンロゴの付いた。ストラトもそうです。70年代スタイルのモデルを、最新の技術で作って欲しいですね。それが発売されたら、速攻で買います。でも、現代風に少しネックやフレットを太くして欲しいとかはありますけど。ストラトなら3点から4点留めにして欲しいし。やはり憧れのミュージシャンと同じモデルが欲しいですね。70年代当時のファンクやモータウンのスタジオミュージシャンは、みんな当時のギターを使っていました。それであんなに素晴らしい音楽を作っていたんです。よく50年代や60年代のヴィンテージが評価されがちですが、70年代の音楽で育った僕たちはその年代の楽器に憧れがあるので、もっとその年代のデザインを活かした楽器をフェンダーさんに作ってもらいたいですね。

wlf11-450-110.jpg[今週のゲスト]
佐藤雅之
1958年生まれ、東京在住。大学に通いつつも18歳頃からアイドル系ロックバンドや若手歌手等のサポート・ギタリストとしてキャリアをスタート。シンセ等もやっていた関係で、いつの間にかギターワークが減り、ジングルやCM、ドラマ、ドキュメント、番組のテーマ曲や映像作品の音楽製作を行う。さらにBGMから壮大なクラシカル調オーケストレーション、民族音楽、ダンスミュージックなどにも幅を広げる。しかし40歳を期に仕事としての音楽活動を辞め、現在は趣味として音楽やギターを楽しんでいる。

FENDER Custom Shop Robben Ford Model

rf_c2.jpg 数あるフェンダー・ラインナップの中でも、異彩を放っている個性的なロベン・フォード・モデル。1984年に発売された幻のモデル、エスプリットをベースに1989年にロベンのシグネチャー・モデルとして登場した。オリジナル・モデルは94年まで生産されたが、その後改良されロベン・フォード・ウルトラとロベン・フォード・エリートとして2000年まで生産された。写真はデビュー年の7月に完成したモデルで、最も初期に製作された1本。最初期はジーン・ベイカーが製作し、その後グレッグ・フェスラーにバトンタッチされた。

 3対3のペグレイアウトを採用したヘッドストック、2ハムバッカー、セットネック、スプルーストップ/アルダーバックのアーチドボディを採用した仕様は、一見ギブソンを彷彿とさせるが、全てがオリジナル・コンセプト/デザインで完成している。3トーン・サンバーストを通して、トップのスプルース材の木目が確認できる。ボディの一部はチェンバー構造になっており、イメージよりは軽量に仕上がっている。

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We Love FENDER GUITARS!

連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.11
関口 健一 / Telecaster Thinline CC , 1963 Stratocaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.10
遠藤 淳也 / 1966 Stratocaster by Dennis Galuszka
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.9
加藤 健平 / 1960 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.8
稲垣 隆 / 60th Anniversary 1954 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.7
渡辺 敬友 / 1957 Stratocaster , 1962 Stratocaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.6
小島 章紘 / 1959 Jazzmaster NOS
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! Vol.5
久保田 衛 / 1966 Stratocaster
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.4
北川 裕康 / 1957 Stratocaster Dennis Galuszka
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.3
池田 進太郎 / Custom Telecatser
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.2
永田ショーザブロー / Harrison Tribute Rooftop Tele
連載 ギター・ラブ・ストーリー We Love FENDER GUITARS! vol.1
篠田 徹 / 54 STRAT, Michael Landau Signature 1963 Relic Stratocaster

Interview : 田中 稔 (月刊『Player』)

製品情報

FENDER Custom Shop
Robben Ford Model

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定価890円(本体824円)A4判

2019年4月2日(火)発売

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