インタビュー

HIRO(HEAD PHONES PRESIDENT)待望の初ソロアルバム『BURN CONTROL』リリース

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HIRO(HEAD PHONES PRESIDENT)

 「ギターキッズだけにアピールする作品にはしたくなかったし、ある程度ポピュラリティのある作品にしたかった」


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HIRO(HEAD PHONES PRESIDENT)『BURN CONTROL』

◇発売中
RADC-94
2,376円 (税込)
[Tonic cord / FABTONE]
ASIN: B01N4WN45E
EAN: 4580341192603

 HEAD PHONES PRESIDENTのギタリストHIROが待望の初ソロアルバム『BURN CONTROL』を完成させた。実はHEAD PHONES PRESIDENTの活動と並行して、自身ゆえのギターインストを披露するソロライブも断続的に展開。試行錯誤を経て完成したのは、変拍子やテクニカルかつヘヴィなリフを活かしつつ、シンセも加味するなどして構築された壮大なサウンドスケイプ。しかしどの曲も凛としたテーマメロディが際立っていて、「COSMOLOGY」「SOUND LINKAGE」「BURN CONTROL」などメロディメーカーHIROの魅力が堪能できる。「GALAXY & BLUES」「SUNSET IN BLUE」ではブルージーでメロウな側面も見せるほか、「VALENCIA」ではナイロン弦ギターによる温かみのあるトーンも味わせた。演奏、ミックスからマスタリングまで全てHIRO自身が手掛けており、徹底的なまでに純度の高いギターインストゥルメンタルが具現化されている! ボーナストラック的に「STAND IN THE WORLD」のインストバージョンが収録されているのも話題だ。

 さらに『BURN CONTROL』に続いては、HEAD PHONES PRESIDENTが久々のオリジナルアルバム『REALIZE』も発表。ヘヴィだがキャッチー、鼓舞するビート、繊細なアレンジで、ANZAのエモーショナルな美声が響く「Alive」を筆頭に、「Counterfeit」「Not a Fantasy」「Waking Life」「Everything Has Changed」など、とにかくANZAの歌力に圧倒される。と共に緻密なアレンジながらも、バンド史上最もソリッドなアレンジにもこだわっているようで、それが結果的にヘヴィロックリスナーに限らない、圧倒的なポピュラリティに繋がっていると思った。『STAND IN THE WORLD』以後、孤高のバンドスタイルを確立してきたHEAD PHONES PRESIDENTだが、『REALIZE』はさらなる新たなメロディ追求の可能性も感じる傑作だ。とにかくキラーチューンが多い!

 同時にドラマーBATCHの怪我によりライブ活動を休止していた彼らが、再び4人でプレイできるという大きな歓びにも満ちている。この2作を作りあげたHIROに制作エピソード、サウンドメイキングについて語ってもらった。

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シンプルなメロディで勝負する曲がいかに難しいか

ー初のソロアルバム『BURN CONTROL』と、HEAD PHONES PRESIDENTのニューアルバム『REALIZE』が連続リリースされて驚きました!

HIRO:昨年HEAD PHONES PRESIDENTがBATCHの怪我でライブができない状況になり、このタイミングを活かしてソロ作品を作ろうという風に決意して。ANZA達に相談したら"先にHIROのソロ作を出した後にバンドのアルバムを出す流れで行くと、話題性もあるしプロモーション期間も長くとれるしお互いに良いのでは?"という話になったので。なるほど、たしかにそれはそうだなと。

ーただ作業は相当キツかったんじゃないですか(笑)? ソロアルバムはミックスのみならずマスタリングまでご自身で手掛けられていて。

HIRO:バンドの場合は曲を作ってギターを録音して終わりなんですけど、ソロは全部自分でやるって決めたから。曲を作ったり録音している時も、その後の作業のことを考えると気が重くなってきて何度も挫けそうになりましたけど(笑)。今までもバンドのベーシックな部分はある程度の部分を作っていたので、そういう経験があったからなんとかやれたのかなと思うんですが。

ーソロライブを断続的にやられてきて、打ち込みトラックを使うライブもあればバンド編成でやることもあって。作風的にもいろんな可能性があったと思うのですが、結果的に『BURN CONTROL』が全部ご自身でプレイされた純然たるソロ作品に仕上がったのは?

HIRO:一番は時間的な制約ですね。今回11曲収録になりましたけど、10曲に収録曲を減らそうか?とか、アレンジが間に合わないなとか、ギリギリの状態で作っていて。勿論外部のミュージシャンに頼むのも理想的だったんですけど、作曲もアレンジも録音も全部同時進行だったので誰かに演奏をお願いできる状態ではなかったから。

ーソロライブでは『BURN CONTROL』に収録されていない曲もプレイされていましたよね?

HIRO:もっとありますね。本当は16曲くらい収録したかったんですけどアレンジが間に合わなかったんですよ。楽曲の内容には手応えがあったので、スケジュール的な事情で不完全なまま収録するのはファンの人にも失礼だし、曲に対しても可哀想だし嫌だったんですね。4曲くらいは収録を断念したものがあります。それは次作へ持ち越そうとスパッと気持ちを切り替えて。

ー最初にソロライブを観た時は、もっとクロスオーバーテイストの濃い印象だったんです。

HIRO:自分が進むべきギターインストの道をまだ悩んでいた時期ですね。自分がインスト作を出す場合、どういう世界を作り上げていくべきなのかを。元々プリズムの和田アキラ師匠に弟子入りして、もうどっぷりフュージョンの世界に浸かっていたので、インストっていうとインタープレイを基本にしたサウンドなのかなっていうのが漠然とあったから、クロスオーバーテイストの曲もあったりしたんですけど。今回凄く悩み抜いて聴きやすいメロディを主体とした作品にしようという結論が出たんですね。その完成形が『BURN CONTROL』だと思います。

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ーHEAD PHONES PRESIDENTは『STAND IN THE WORLD』を作ってバンドとしての新たな型を確立したと思うんです。バンドのスタイルを確立できたことで、ソロのスタンスがHIROさんの中で取りやすくなってきたのかなと。

HIRO:そうですね。バンドの方向性がある程度固まっていることで、自然と意識しないで差別化できたというか。強烈なバンドのサウンドがあるから、無理にそっちに寄せる必要もないし、無理にかけ離れた必要もないし。フラットに自分が思い描いた"こういうインストを聴きたいな""こういうインストってあんまりやっている人はいないかな?"っていうのを自然と表現したって感じですかね。

ー舞台『STAND IN THE WORLD』でインストをやったことも、作品リリースにフィードバックしたんですか?

HIRO:ミュージカルのインストについては"音源出ないんですか?"ってよく聞かれていたので。じゃ、今回せっかくだから入れてみようかなって、「STAND IN THE WORLD」のインストバージョンはスタジオ録音として細かいところのアレンジもさらに詰めて収録していますね。尺はミュージカルの時と一緒なんですが、ハーモニーを改めて練り直した結果、ギターのオーケストレーションの完成度を高めることができました。

ーHIROさんの『BURN CONTROL』は予想していたよりもロックギターインストの真芯で勝負した作品だったし、『REALIZE』はHEAD PHONES PRESIDENT史上、おそらく最もすっきりとした音世界だったのに驚きました。2015年作の『alteration』で新曲と共に過去曲の再構築をして、その先にミュージカルで再び『STAND IN THE WORLD』に向き合うという流れも面白かったのですが、その先にこの2作ができたって考えると非常に感慨深いですね。

HIRO:うん、シンプルですよね。ソロも本当に王道というか、意外と王道なインスト作品を出している人っていないなって思ったんですよ。王道で行こうと思ってやったものの、その王道の難しさを痛感しまして...シンプルなメロディで勝負する曲がいかに難しいか。そういう苦しさはありました。バンドに関してはもう多分開き直っていましたね。バンドとしてスタジオに入れる状態じゃなかったから、通常みたいにデモをやり取りしてスタジオで話をして、細部を確認みたいなことは全くできなかったから。DTMベースのファイルのやり取りでアレンジを完結させるしかなかったんですね、だからデスクトップ上でライブのアンサンブルを想定するみたいな。実際に音を出したらどうなるかを考えながら作っていったので。NARUMIから送られてきたアイデアをそのままアレンジして、リラックスした感じで作業した結果、シンプルかつストレートなアルバムになったのかなと思います。

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HEAD PHONES PRESIDENT/『REALIZE』

◇発売中
◇FABTONE
◇2,500円(税別)
◇RADC-095

ー『BURN CONTROL』もメロディを活かしたいところは、極端な話リズムギターのバッキングを入れていなくて、それこそピアノの白玉がなっているような、音数を極力抑えたアプローチで。『REALIZE』にしてもANZAさんの歌がいつもより音量が大きく感じさせるようなミックスで。その場合はやはりバッキングはストイックな印象なんです。今回の2作はそうしたソリッドな共通点があると思います。

HIRO:その通りですね。バンドのアルバムは一番シンプルだと思います。『STAND IN THE WORLD』以後は、ツインギターがシングルになったことで(『STAND IN THE WORLD』から4人編成になった)、ギターとシンセサイザーみたいなところに挑戦していたんですよ。ヴァン・ヘイレンがシンセを導入した時期とかを参考にして、ずっとそれでやってきたんです。でも段々と飽きてきちゃったんですね(笑)。それとオーバーダビングはあまりしたくないなって思っていたんですよ。今回NARUMIも何曲かリフものの曲を送ってきて、それを自分のギターに差し替えてやっていたらシンプルなリフが面白かったんですね。"この感じ久しぶりだな"と思って。それでシンセのオーバーダビングは極力止めようと。その方向で進めていったのが『REALIZE』ですね。ダビングは今までで一番少ないんじゃないかな。今回ベーシックなリフと上物で、それを補完するようなフレーズをエッセンス程度に混ぜるとかそれくらいなので。勿論シンセを入れている曲もあるんですけど、それにしてもダビングの数は少ないと思います。

ーANZAさんの歌が前に出て聴こえるのは?

HIRO:それはスタジオが変わったせいだと思います。エンジニアさんは一緒なんですけど、そのスタジオのボーカルブースがよりデッドな環境になったんですよ。物凄くクリアにボーカルが貼りついているというか、前に出ているというか。ANZA本人はそれを凄く気にしていたんです。"歌が前に出過ぎている感じがして気持ちが悪い"と。たしかにその違和感はあったんですけど、今回新しいチャレンジをしているし、歌の音質にしてもこれでどんな評価が出るかをみてみたかった。だから意図して歌を前に出そうとしたわけではなく、スタジオの環境が変わってしまったことによる音質の変化ですね。ミキシングのバランス的には今までと変わってないので。


ー「Not a Fantasy」「So Close, So Far」はシャウトと平歌が行き来するANZAさんの歌声が強烈ですし、レッド・ツェッペリンを彷彿させる「Soul In Me」は弦楽器と歌のユニゾン具合がインパクトあります。

HIRO:そうなんですよ、「Soul In Me」はツェッペリンのオマージュなんです。ギターソロとか「ホール・ロッタ・ラヴ(胸いっぱいの愛を)」のイメージです。オールドスクールのリフもので作ったらどうなるかな?と思って(笑)。当初はイントロのリフのままサビで行ってゴリ押しな感じだったんですけど、明らかに変化が無さすぎる気がしてコード進行に手を加えたんです。そしたらグランジじゃないけど、多少オールドスクールな部分から脱却できたと思ったので。当初ギターソロもなかったけれど、"単調だからギターソロを入れたほうがいいよ"ってなった時に、Aメロの入りのリズムで組み立てて行ったら面白いかなって。それが「ホール・ロッタ・ラヴ(胸いっぱいの愛を)」の出だしを思い起こさせたので、ちょっとしたオマージュなんです。リズムは違いますけどね。ギターソロはよく聴くと、ジミー・ペイジのソロを分解して作っているというか。

ー「Everything Has Changed」も物凄いキャッチーで驚きました!

HIRO:ジャーニーの「セパレイト・ウェイズ」のオマージュです(笑)。だから83年風というか、ローランド・ジュピター8風のシンセをちょっと意識して。なんか皆気に入ってくれているんですよね(笑)。自分的にこういうのは元々好きだったから、前からずっとやりたかったんです。昔だったら間違い無くボツになっていた曲なんですけど、今回ようやく採用されるようになったというか。

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誰しも自分のリーダーアルバムを出したいっていう想いは描くと思う

ー重複しますが、HEAD PHONES PRESIDENT流のポピュラリティが発揮できたという意味で「STAND IN THE WORLD」はキーとなる曲で、その流れの曲が以後できてきたわけですが、「Everything Has Changed」はさらにその先を行くような、それこそヘヴィロックファンじゃないリスナーをも取り込めるようなポピュラリティを感じますね。

HIRO:ANZAは今時のバンドっぽいって言ってたけど、自分の中では完全に80年代ロックの感じで作ったんですけど。解釈が人それぞれ違って面白いなって。

ー80'sテイストという意味ではソロアルバムの方が出ている気がします。

HIRO:やっぱり一番影響を受けていたのは80年代の音楽なので、NARUMIにも"曲は良いんだけど、シンセのチョイスが古いよね"ってよく言われていて(笑)。自分ではあまり意識してなのでそうなの?って感じなんですよね。染みついちゃっているんでしょうね。かっこいいと思うのがその年代の音色になっちゃっているから。80年代ってクロスオーバーだったじゃないですか? ユーロビートありハードロックありで。音楽性もブロンディとかシンセサイザーとギターが融合したバンドサウンドで。実験的なプログレッシブなロックもあったし音楽的に良い時代だと思うんですね。そういう影響を素直に出しているから、部分的には80年代の香りが残っている理由だと思うんですけど。

ー当時ギターソロの華やかな時代というか。教則ビデオに入っている課題曲がかっこよくて聴いていたりとか(笑)、『BURN CONTROL』を聴いていると、そういうギターを弾きだした自分の十代を思い起こすんです。

HIRO:80年代で育った人ってシュラプネル系だったり教則ビデオがバリバリ出ていたじゃないですか(笑)? ポール・ギルバートとかトニー・マカパイン、ヴィニー・ムーアとかいろんな人が出していて。スティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニ、スティーヴ・モーズ、エリック・ジョンソン...とにかく今回『BURN CONTROL』を作るにあたり、偉大な人達を一通り遡りましたよね。"最初の作品って皆どうやっていたのかな?"ってそういった人達の1stアルバムを聴いたりして(笑)。そういうエッセンスを自分なりに抽出して作ったのが『BURN CONTROL』なので、いろんなギタリストの影響やエッセンスが入っているアルバムですね。

ー『BURN CONTROL』って一聴ではテーマメロディに絡みつくオブリガートなり、バッキングがちゃんと聴き取れるソリッドさなのですが、実はよくよく聴きこむとその音色がダブルだったりと重ねられていたり、相当練られているのも面白いですね。

HIRO:ダビングはいっぱいしているんですけど、アレンジがシンプルというか。主となるメロディがあってそれを上とか下で支えているとか、オクターブ上のメロディで力強さを持たせたりとか。それにリズムギターって関係性ですかね。メロディとリフの間の部分、そのハーモニーを埋める部分、カウンターのメロディはピアノで補完していたり。全部ギターでやらなかったのは差別化を図りたかったんです。ギタリストのインストだから絶対ギターがガンガン鳴っているようなイメージすると思うんですけど、80年代だったらそれで通用したかもしれないけど、現代でそれをやったら差別化が図れないし。ギターキッズだけにアピールする作品にはしたくなかったし、ある程度ポピュラリティのある作品にしたかったから。だから「VALENCIA」みたいなアコースティックの曲も入れたんですよね。

ーHIROさんのアコースティックって言えば、同じナイロン弦ギターでもパコ・デ・ルシアみたいなスパニッシュな方向性もあったと思うんですけど、「VALENCIA」はあえて言えばアール・クルー風というか、メロディを聴かせるぞっていう。

HIRO:バランスだと思います。結構ノリノリなゴギゲンな曲があったので。そこでアル・ディ・メオラみたいな曲をやるとうんざりしちゃうかなと思ったので。ちょっと耳を休ませるような優しい曲を入れようと思いました。1曲、必ずアコースティックの曲を入れたかったので(笑)。強い信念で曲を作りましたね。

ー「COSMOLOGY」「NIL」辺りはもうギターインストとして痛快な曲なんですけど、中盤の「GALAXY & BLUES」「SUNSET IN BLUE」はあえてゲインを抑えて、タッチで勝負している曲ですね。

HIRO:そうですね。「GALAXY & BLUES」に関しては相当サクッと録りましたね。1、2テイクだったかな? 自分なりのブルースなので、綺麗に弾いてもブルースっぽさが出ないと思ったので。最初に弾いた粗っぽいテイクでもう良い感じだなと思ったから(笑)。細かく弾き直したりもしないで勢いで弾いたものを採用したんですね。

ーかなり生々しい音色ですね。

HIRO:よく考えてみたら一番ピュアなギタートーンを選べる方法だったかなって気がしているんですよ。というのも、通常だとギターからアンプに行ってマイクに行くじゃないですか? そこからマイクプリアンプに行きようやくプレイバックされて出てくるという。信号的には何ポイントか経由しているわけですよね。ところがソフトウェアの場合、ギターから直接DIを経由してギターそのものの信号がそのまま録音されるわけですよ。そのピュアなものをソフトウェアのところでロスするところがほぼないというか、目の前に貼りついて聴こえるような感じになったというか。物凄くクリアに伝えられるんじゃないかなとは思いました。DIはカントリーマン製を使いましたけど、今回のレコーディングではかなり重要でした。アンプを鳴らして録るなら部屋鳴りとマイキングが重要なように、ダイレクト音を録る時はDIの音質が全てなので。いかにピュアにインターフェイスに伝えるかという意味では、カントリーマンは縁の下の力持ちというか。ベース録りでも繋いで録りましたし、あれがなかったらこの音質で録ることができなかったと思います。

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ーギター録りの仕方は『BURN CONTROL』も『REALIZE』も同じだったんですか?

HIRO:同じです。今回は全部DIと(ポジティブグリッドの)バイアスアンプのソフトウェアでした。レクチファイアのいつも使っているような感じでやりましたけど。前作『alternation』を自分でマイキングして録ったら、もう二度とやりたくないってくらい大変だったので(笑)。『alternation』を録り終わった後、なんか良い方法ないかなってずっと考えていたんですけど、ソフトウェアを試してみようかと。それで手始めにライブで使い始めたんですよ。ライブに関しては今は違うんですけど、その時これはいけるなと思って。それでDIは何が良いのかとか情報収集し始めました。バイアスアンプは設定で真空管を替えられたり、どれくらい真空管に負荷をかけるかとか、めちゃくちゃ細かい音作りができるので細かくいじっていって。そういう経緯があって今回のレコーディングに繋がっているんです。ただ他の方もそういう録り方になっていっているんじゃないかな? 後でリズムのタイミングを修正したいって時、ダイレクト音だと波形が綺麗なんですよ。アンプで録ると結構波形がバラバラなんですけど。修正もしやすいし、ちょっと戻したいという時も"ここが頭ね"ってすぐわかるので本当に楽です。このアンプの音が好きじゃないなって思っても、ダイレクト音があればすぐ替えられるし...アンプ録りだとそうはいかないですよね(笑)。ライブに関してはアンプが好きなので、レコーディングはラインって感じに分けていこうと思っています。 

ー初期のソロライブだとギターもジェームス・タイラーなども弾かれていて、必ずしも7弦ギターにこだわっている印象ではなかったのですが。

HIRO:基本的にアイバニーズのjカスタムの7弦RGで録りましたね。リズムギターやリフは全部これです。ソロはEMGが載っている7弦が多かったり、一部jカスタムやジェームス・タイラーも使いましたけど。 

ーそれにしてもソロアルバムがやっと完成したっていうのはHIROさんにとって大きいですよね。

HIRO:そうですね。80年代のギタリストに影響を受けてきた人からしたら、誰しも自分のリーダーアルバムを出したいっていう想いは描くと思うんですよ。でも実現するのは難しいんですよね。一番難しいのは進むべき方向性だと思うんです。やっぱり自分だけの作品というか、自分らしい作品ってなんなのかなって考え出すと筆が進まないというか。ずっともがいてもがいてなんとか形にできたのは本当に大きかったと思いますね。マスタリングまで全部自分でできたというのは、本当に頑張ってよかったなって気がしています。ただ一番大変だったのはミックスですね。2ミックスをどれだけ正確に仕上げられるかによるので、それが出来てしまえばマスタリングは悩まなかったというか(笑)。バンドでお世話になったエンジニアさんにも相談しながらやりましたね。

ー次作は見えてきましたか?

HIRO:何とかできたっていう手応えがあったのでクリアになりましたね。あんまりやりたくないですけど、バンドも録ろうと思えば自分でできると思うんですよね...やりたくないですけど録れることはわかったので(笑)。生ドラムを録るのは大変だろうけど。ソロに関しては作りたいって思った時に録れるようになったのは大きいですね。

ーHEAD PHONES PRESIDENTのライブ活動が再開しましたが、ソロをバンド編成でやる構想はありますか?

HIRO:実はもうメンバーは決めていて、音は渡してあって進めてはいるんですよ。ライブだと当然ソロが長くなったりとか、途中でベースやドラムソロが入るようなライブならではのアレンジにすると思うので。そこは自分も楽しみですし、皆にも期待していてねって感じですね。

Interview by KAZUTAKA KITAMURA
Live Photo by ShoLar

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