インタビュー

Living with Martin Guitar vol.4

リビング・ウィズ・マーティンギター

箕輪 健男

 『GAKKIソムリエ』のオリジナル企画【Living with Martin Guitar】は、マーティン・ユーザーにギターライフを語ってもらうインタビュー・コーナー。音楽とギターとの出会い、マーティン・ギターの魅力、そして日々の生活でのマーティン・ギターの存在・・・。憧れのマーティンを手にした喜びをインタビュー!

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 今回ご登場いただいたのは、警備会社に勤務する箕輪健男さん。ビートルズをきっかけに音楽に目覚め、やがてオーディオそしてアコースティック・ギターに魅了されたという。そんな箕輪さんに、音楽とオーディオへのこだわり、そしてマーティンへのこだわりへと繋がるプロセスを熱く語っていただいた。今回の取材にご協力いただいたのは、銀座山野楽器本店のアコースティック・ギター担当の元石吉和さん。

 "あなたにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?"

_MG_48402.jpg(写真左より、箕輪健男さん、銀座山野楽器本店 元石吉和さん)

一番影響を受けたのはビートルズですね

ーまず、音楽に興味を持ったきっかけは?

箕輪:小学4〜5年生の時に兄が持っていたサイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んでゆく」のレコードを聴いたのが、洋楽に目覚めたきっかけですね。当時日本では、彼らのようなデュオの音楽が少なかったから、子供ながらにハーモニーや楽曲のメロディが綺麗だなと思いました。

ーその後にハマった音楽は?

箕輪:当時流行っていたポップス系の音楽はだいたい聴きましたけど、一番影響を受けたのはビートルズですね。レコードもたくさん買いましたし、イギリス本国、ドイツ、ニュージーランドやスイスとか、国ごとのレコード・カッティングによって音が違うということを発見したことが大きいですね。その中でも特にオリジナル盤にこだわりました。それがジョージ・マーティンがコンソールで作った音に限りなく近いわけですからね。

ービートルズ以外で好きなのはどんな音楽でしたか?

箕輪:邦楽ではかぐや姫とか井上陽水にはかなり影響を受けました。クラシックとかジャズとかジャンルに関係なく、とにかく美しい音楽が好きだったので、私の場合はまずレコードやオーディオからのめり込んだんです。ギターを弾いて曲を作ってというようなプレイヤーからではないんですよ。でも、オーディオを試行錯誤していくうちに、例えばイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のギター・イントロとか、"どうやったらあんな音が出るのかな?"という思いは持っていました。そこから自分の好きな音が確立していった感じですね。それがギターへのこだわりにもつながっているのかな。

ーオーディオにはかなり没頭されたましたか?

箕輪:オーディオに詳しい方の話などもたくさん聞いたりしましたが、最終的に分かったのは正解がないということです。環境が違えば音も変わりますしね。ただ言えるのは"良いものは飽きない"ということです。でも"良いもの=高価"というのではなくて、値段を超えたところで自分にとってインパクトがあるものや、説得力があるものが面白いんです。ギターにしても価格や木材のグレードなどで先入観を持つのではなくて、一度ゼロにした状態で自分が良いと思えるものが私にとっての良いギターなんです。だから自分の良い音という芯がぶれないものを持っていないと、コレもアレもってなっちゃうので。最近そういうことがわかるようになってきたかな、と思います(笑)。


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"やっぱりマーティンじゃないとあの音は出ないんだな"と思いました

ーギターを始めたきっかけは?

箕輪:私がギターを始めたのは遅くて、それまでは同級生とのフォークのバンドでドラムを叩いていました。そのバンドではオリジナル曲を演奏していましたが、時々ライブをやる程度の遊びのようなものでしたけどね。先ほどお話しした「ホテル・カリフォルニア」でマーティンD-28とD-18の12弦が使われているんですが、それを聴いて"やっぱりマーティンじゃないとあの音は出ないんだな"と思いました。それで44歳の時に新品のD-28を買ったんです。

ー意外と最近なんですね。

箕輪:ですが、それからマーティンだけでも15本は買っています。以前は山野楽器さんとは別のお店で、マーティンのゴールデンエラやオーセンティックなどを購入していたんです。ですが、3〜4年ほど前にいくつかのお店でギターを試奏した際に、一番対応が良かったのが山野楽器さんだったんです。それ以来ずっとこちらの元石さんにお世話になっています。

ー割と短い期間に15本とはすごいですね。

箕輪:自分が求めている音のマーティンがまだあるんじゃないかと思って、手放しては購入してを繰り返しています。買ったギターを全部ストックしておける余裕もないですし(笑)。

ーコレクションとして揃えるのでなければ、その方がいろいろなギターを楽しめて、賢い方法ですね。

箕輪:最近は自分と一緒に生きてくれるギターが2〜3本あればそれでいいかなって感じですね。

ーちなみに現在はマーティンを何本お持ちなんですか?

箕輪:000-42とスタンダードのD-18、それと今日持ってきたカルパチアン・スプルースのD-28の3本です。

ーまず000-42を入手した理由は?

箕輪:000-42は、45ネックにカスタマイズされたエリック・クラプトンのギターからの影響です。ハカランダ・ボディのシグネチャー・モデルのECBが発売されていましたけど、クラプトンの実際のギターはローズウッドなんですよ。OMの方がスケールが長くてボディが厚いので音が深いと思うんですけど、000ならではの音にこだわりたかったんです。

ーD-18の良さはどんなところですか?

箕輪:マホガニーじゃないと出ない甘い音とか、そんな良さがありますよね。それに18は飽きないんですよ、日本人がお米が好きなような感じで(笑)。私はオーディオで音を追究してきたので、頭ではなく心の中の耳で聴き分けますから、たとえ高価なギターであろうと自分が気に入らないとダメなんです。

ースタンダード・シリーズも品質が年々向上していますしね。

箕輪:以前にオーセンティックのD-18を持っていて、それは1930年代当時の限りなくオリジナルに近い仕様でとても良いギターでした。だけど素人がレーシングカーを運転するようなもので、私のようなアマチュアがそのギターの良さを引き出すのは難しいんですよ。でもマーティンは高価なシリーズもあるけど、価格を抑えてアマチュアでも良い音が出せるギターが揃ってますから。そこがマーティンの良いところですよね。

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開放弦で良い音が出るギターは間違いないんです

ーそして今日お持ちいただいたカルパチアンスプルース・トップのD-28ですが、どんな経緯で入手されたのですか?

箕輪:これはね、スイススプルースのMサイズのマーティンに興味があって、元石さんにその話をしたら、スイススプルースではないけど限りなく特徴が近いトップ材のドレッドノートがあると教えてくれて。それで元石さんが黒澤楽器店に問い合わせてくれたところ、たまたま一本あるというので取り寄せてもらったんです。

ー今まで弾いてきたD-28とどんな違いがありましたか?

箕輪:全く次元が違いましたね。低中高音のバランスを崩さずに、音の出方にパンチがあったんです。まだこのギターの音を録音して聴いていないのですが、シトカスプルースとはまた違うタイプの音です。あとは木目も綺麗ですし、貴重な木材ですから、私も今までに体感したことのない音だったんですよ。オーディオでも、柔らかいんだけどドーンと前に出るストレートな音が好きなんですが、その感じに近いですね。

ードレッドノートだとなおさら迫力がありますね。

箕輪:ボディが大きくて余裕があるから、私の耳には相性が良かったのかな。それがドレッドノートの魅力ですよね、大きいスピーカーで鳴らしているのと同じことですから。

ーそういう意味では、特にアコギはオーディオと共通する部分がありますね。

箕輪:私は素人なのでテクニックではカバーできないから、ギター自体の音にインパクトがないとね。だから開放弦で良い音が出るギターは間違いないんです。マーティンはそんなギターを作れるテクニックがあるんですよ。

ー最後に、箕輪さんにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?

箕輪:マーティンは"我が良き友"ですね。マーティンばかりをたくさん弾いてきたから、その音が染み付いているんでしょうね。マーティンのギターには延々と続く"マーティン・サウンド"と言えるものがあるんですよ。そのいろんなマーティンの中から、いかに自分に合う音を見つけられるか。それが私のマーティンへのこだわりに至った理由ですね。

箕輪健男/1958年生まれ・茨城県出身。
 ビートルズをきっかけに音楽とオーディオに目覚める。当初はバンドでドラムを担当していたが、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」のギター・サウンドに触発され40歳を過ぎて初のマーティンを購入。現在は空港の警備会社に勤務しながら、オーディオで培った経験を元に理想の音のマーティンを追求する、熱心なマーティン・ファン。

Martin_Guitar_Layout_Minowa.jpgMARTIN CTM D-28 Carpatian Spruce 2014

 スイススプルース・トップのマーティン・ギターに興味を持っていた箕輪さんへ元石さんが提案したのが、このマーティン社が企画した限定のカスタムショップ・モデル。トップ材に使われているカルパチアンスプルースは、ウクライナやルーマニアなどの中央ヨーロッパをまたがるカルパチア山脈原産のスプルース材。希少材のアディロンダックスプルースに似た、ダイナミックでパワフルなサウンドを生み出す。このギターはマーティン社CEOのクリス・マーティンIVを始め、カスタムショップ主任のJ.スコット・セッサー、海外営業部主任のリック・フォレロといった同社首脳陣のサインが入った木製の楯が付属した由緒正しきモデルである。

<撮影協力ショップ> 銀座山野楽器 本店

_MG_4923.jpg〒104-0061 東京都中央区銀座4-5-6
TEL:03-3562-5051(代)
https://www.yamano-music.co.jp

 銀座4丁目交差点すぐそば、B1Fから7Fで構成された楽器・楽譜・CD/DVDの音楽総合専門店。4Fギターフロアのアコースティック・ギター・コーナーでは、定番モデルから、ショップオーダー・モデルなどのカスタムショップ・モデル、厳選されたマーティン・ギターを取り揃えている。銀座という立地にふさわしい、落ち着いた雰囲気も魅力である。

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Interview by TOSHIHIRO KAKUTA

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MARTIN D-28

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