インタビュー

Living with Martin Guitar vol.5

リビング・ウィズ・マーティンギター

山本 俊次

『GAKKIソムリエ』のオリジナル企画、【Living with Martin Guitar】は、マーティン・ユーザーのギターライフを語ってもらうインタビュー・コーナー。音楽とギターとの出会い、マーティン・ギターの魅力、そして日々の生活でのマーティン・ギターの存在・・・。憧れのマーティンを手にした喜びをインタビュー!

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 今回ご登場いただいた山本俊次さんは、福生で家業をする傍らフォーク居酒屋『華當(はなとみ)』を経営する、ニール・ヤングに影響を受けたマーティン・ユーザーである。そんな山本さんのマーティン・ライフと、それをサポートする楽器工房CAT ROCK代表の大崎隆さんにお話を伺った。

 "あなたにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?"

_MG_5068.jpg(写真左より大崎隆さんと、山本俊次さん)

D-45を弾いてるとね、"あぁ、いい音だな、ニール・ヤングと同じ音だよな"って  

ー音楽に目覚めたきっかけは?

山本:中学1年の頃ですね。ギターを始めたのは正直言って動機が不純で、ギターが弾ければモテるんじゃないかっていうね(笑)。中学2年の時に自分でアルバイトをしてアリアのアコギを買いました。それからギターを弾くのがどんどん楽しくなりましたね。

ー福生は横田基地があるので、ロックなどの音楽が盛んなイメージがあるのですが?

山本:そうですね、上の方に行くと米軍ハウスがあって、ミュージシャンが結構そこに住んでいたりしてね。音楽的には線路向こう(福生駅東口方面)の方がロック系の人達が多かったと思います。僕の住んでいる側は住宅街だから、エレキなんか弾くと近所から"あそこの家の子は不良になっちゃった"とか言われてね(笑)。福生でも地域による隔たりはありましたね。

ーギターを弾くきっかけになったミュージシャンやバンドは?

山本:それは特にいなかったんですけど、中学生の頃は吉田拓郎やかぐや姫とかを弾いていて、高校生になってからニール・ヤングに影響を受けました。

ーニール・ヤングはどのアルバムに影響を受けましたか?

山本:アルバムだとあんまり覚えていないんだけど、初期の『ハート・オブ・ゴールド』とかのアコギの曲を演奏していましたね。あとCSN&Yも少しはかじったかな?

ー当時のニール・ヤングはD-45を使用していましたが、マーティンの音色は印象に残りましたか?

山本:そうだね、このD-45(後述)も実際に弾いてみると、レコードで聴くニール・ヤングのギターの音と一緒なんです。普通のギターじゃあれだけの音にならないんで。やっぱりD-45を弾いてるとね、"あぁ、いい音だな、ニール・ヤングと同じ音だよな"って面白みが湧いてくるというかね。

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そしたら彼がニール・ヤングの『ハート・オブ・ゴールド』を弾きだしたんですよ!

ーギターや音楽活動はずっと続けてきたんですか?

山本:いや、結婚して子供ができてからは子育てに専念したので、ギターはちょっとブランクがありましたね。

ーギターを再び弾くようになったきっかけは?

山本:自営業をやっていることもあって地元の消防団に入ったんだけど、それが忙しくてなかなかギターを弾くことができなかったんです。だけど消防団を辞めたら、今度はやることがなくなっちゃってね。そんな時にたまたま町会でアコギを弾いている人と知り合いになったんです。居酒屋で飲んでいた時にその彼が「俺アコギが好きなんだけど、弾く人いないかな?」って言うから、「昔ギターをやってたよ」って答えたら、居酒屋のマスターがポンコツのクラシック・ギターを持ってきてくれて。そしたら町会のその彼がニール・ヤングの『ハート・オブ・ゴールド』を弾きだしたんですよ! それで「懐かしいな、ハーモニカあったら吹けるのに」って言ったら、マスターが今度は2段のクロマチック・ハーモニカを持ってきて(笑)。そしたらなんとか吹けたんだよね。それで"じゃあ、二人で演ろうよ"ってことになって。でもブランクがあってすぐ弾けるか不安だったので、遊びがてら練習しながら楽しもうよ、と。それが15年ぐらい前かな?

ーそれがきっかけでこのD-45を入手された?

山本:その前に友人からオベーションを譲ってもらったり、ギブソンを買ったりもしたけど、初めて買ったマーティンはD-45ですね。

ーそれは大崎さんがオススメしたギターですね?

大崎:そうです。山本さんは以前から弦を買っていただいたりしたんですけど、"D-45が欲しいんだよね"って急にいらっしゃって(笑)。じゃあ、D-45と言ってもいろいろ種類もあるし、いくつか持って行って選んでいただくことになったんです。

山本:最初は2本ぐらいかと思っていたら、もっと持って来てくれてね。

大崎:D-45Vやスタンダード、たまたま入荷したカスタム、あとは中古のハンク・ウィリアム・モデルの4本を揃えましたね。

ーその4本を弾き比べて、どんな違いがありましたか?

山本:ヴィンテージ・タイプのD-45Vは音がものすごく良いんだけど、ネックが太くてちょっと弾きづらかった。そしてこのニール・ヤングと同じ仕様のカスタムモデルを弾いたら、懐かしい音が聴こえてきてね。ところが値段は4本の中で一番高かったんだよね(笑)。でも今はとても気に入っていますよ。

ーこのD-45はボーカルとの相性はいかがですか?

山本:歌いやすいね。ギターのボリュームが大きいでしょ、僕も声がでかいからちょうどいいですよ。

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D-45やHD-28も揃えて、みんなに弾いてもらおうと思ってね

ーこのフォーク居酒屋をオープンしたのはいつ頃ですか?

山本:ちょうど今年で10周年ですね。

ー元々は普通の民家だったご自宅を改装されたそうですが?

山本:そう、全くの普通の家で、ここを練習場所に使っていたらいつの間にかギター仲間が集まるようになったんですよ。ちょうど子供も独立したりして、女房と二人だけでこんな広い部屋があってもしょうがないなっていう頃でした。そんな時にたまたま女房が資格(食品衛生責任者)を持っていたのを思い出して、そのまま保健所行って手続きしちゃった(笑)。

ーこちらにいらっしゃるお客様は、どんな音楽が好きな方が多いですか?

山本:吉田拓郎さんや井上陽水さんとかの70年代フォークが中心で、若い人だと長渕剛さんのファンもいらっしゃいますね。新しいお客さんも来られるようになってきて、最近では女性も増えてきましたね。20代の女の子と60代の男性がペアを組んで、昔のフォークソングを演ったりしてますよ。

ーもう一本のD-45はいつ頃入手したんですか?

山本:これは2年ほど前です。うちがフォーク居酒屋をやるようになって、安いギターを揃えるよりも良いギターを置いた方が面白いんじゃないかと。だからD-45やHD-28も揃えて、みんなに弾いてもらおうと思ってね。

大崎:酔っ払うとみんなD-45を弾きたがるんですよ。"あれ出してよ、いつ弾かせてくれるの?"ってね(笑)。

ーそれはみんな弾きたがりますよね。

山本:でも、初めてのお客様には弾かせられないので、まずはギターの扱い方を見させてもらってます。あと、さすがに酔っ払ってD-45を弾くのはやめようってルールは作りました(笑)。

ー他の人が弾くD-45の音色はいかがですか?

山本:正直いうと、自分が弾いている時ってギターの本当の良さがあまりわからないんだよね。だからギターの上手い人が弾いてくれると"やっぱり良い音だな"って思いますね(笑)。

ーお客様はどんなギターをお持ちですか?

山本:みんな結構マーティンを持っていますよ。50年代のヴィンテージとか、古いブルーケースに入ったものや000-42とか、いろんなマーティンを持ち寄って演奏してますね。

ー最後に、山本さんにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?

山本:マーティンの音色ってボリュームもあるし、優しくて綺麗じゃないですか。だからマーティンはお気に入りの宝物かな。ずっと憧れでもあったしね。

山本 俊次:1959年生まれ・東京都出身。中学生よりギターを始めて、特にニール・ヤングに大きな影響を受ける。15年ほど前にギターを再開し、さらに10年前に自宅を改装したフォーク居酒屋「華當」をオープン。マーティンはもちろん、様々なブランドのギターを揃えており、70年代フォーク世代を中心に人気を博している。

Martin_Guitar_Layout_Yamamoto.jpgMARTIN D-45 CTM 1968 Style 2007  

 CAT ROCKの大崎さんが揃えた4本のD-45の中から、憧れのニール・ヤングが所有する68年製D-45に最もスペックが近いモデルをチョイスした1本。2007年に1968年スタイルで、カスタム・オーダーされた希少モデル。60年代スタイルのヘッドに、グローバー製ゴールドペグ、トップはジャーマン・スプルースの特性に近く、杢目も美しいプレミアム・グレードのイタリアン・アルパイン・スプルース単板使用。サイド&バックにはプレミアム・イースト・インディアン・ローズウッド単板。ネックはジニュイン・マホガニー1ピースネック、ブラック・エボニー指板&ブリッジ、ベベルエッジ(面取り)ブラックガード仕様。当時のソリッド・アバロンの雰囲気を白蝶貝で表現した、ヘキサゴン・ポジション、ボディ・トリム。ロゼッタはホワイト系のアバロン装飾を基調とした組み込み仕様、ボディエンドのエンドピン周りにも68スタイルのインレイ。ブレイシングはノンスキャロップ仕様。野太く硬質で低音域と、輪郭の際立った中音域のサウンドが特徴。以前、約150人ほど収容できる市民ホールでのライブ中にマイクのトラブルが生じた際にも、生音で十分対応できたというほど豊かな音量が特徴のギターである。

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_MG_5219.jpg フォーク居酒屋『華當』では、基本的に第2/最終土曜にPAを通してのオープンマイクを実施。企画ライブの申し込みも受け付けている。他県からわざわざ訪れる70年代フォーク愛好家も多いとか。 

問い合わせ:フォーク居酒屋 華當(はなとみ)東京都福生市志茂203 Tel.042-551-2024 営業時間 18:30~24:00/定休日:月・水曜日

<取材協力ショップ>楽器工房キャットロック

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〒197-0011 東京都福生市福生867-14 TEL 042-551-0052

http://catrock-guitar.com  

 JR青梅線「福生駅」、国道16号近くの楽器店。店内にはリペア工房を完備し、楽器のメンテナンスにもしっかり対応してくれる。ギター本体の加工をせずに取り付け可能な、同店オリジナルのピックアップシステムを取り付けてカスタマイズしたマーティン・ギターが好評である。

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Interview by TOSHIHIRO KAKUTA

製品情報

MARTIN D-45

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定価890円(本体824円)A4判

2018年1月4日(木)発売

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