インタビュー

Living with Martin Guitar vol.9

リヴィング・ウィズ・マーティンギター

上田 修平

『GAKKIソムリエ』のオリジナル企画、【Living with Martin Guitar】は、マーティン・ユーザーのギターライフを語ってもらうインタビュー・コーナー。音楽とギターとの出会い、マーティン・ギターの魅力、そして日々の生活におけるマーティン・ギターの存在・・・。憧れのマーティンを手にした喜びをインタビュー!

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今回ご登場いただいたのは新潟県にお住いの上田修平さん。家業のガラス加工工場に勤める傍ら、地元のミュージック・バーなどでの演奏を楽しむアマチュア・ギタリストである。上田さんのギターライフを支える、あぽろん株式会社の太田文章 営業部長にも同席の上、憧れのマーティン・ギターを入手するまでを語っていただいた。

 "あなたにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?"

IMG_6681_.jpg写真左より上田修平さん、太田文章さん

KISSが来日して、それをテレビで見てかっこいいなって

ー音楽を聴くようになったきっかけは?

上田:ニューミュージックが流行りだした頃で、中学1年か2年くらいだったかな? 僕が一番好きでギターを始めるきっかけにもなったのが松山千春さん。「季節の中で」がヒットし始める前ぐらいだったかな。当時5つ上の兄はビートルズや井上陽水とかを聴いていて、ギターを持っていましたね。

ー上田さんがギターを初めて手に入れたのはおいくつですか?

上田:中学2年ぐらいの時です。僕はなぜかヤマキの12弦ギターを買ったんですよね。本当は3万円くらいのモーリスを買うつもりだったんですけど、なぜか12弦ギターが2万5千円ぐらいで売られていて、"こっちでいいか、弦も多いから"みたいな適当な理由で(笑)。

ーそのギターでどんな曲を弾いていましたか?

上田:ギターを買った当初は12弦だったけどチューニングが面倒じゃないですか。6弦にして、松山千春とかを3フィンガーとかやってましたね。中学3年になって、今度はエレキギターに興味を持ち始めて。というのもKISSが来日して、それをテレビで見てかっこいいなって(笑)。

ーひょっとしてレスポール・タイプを買ったんですか?

上田:そうですね。でもエース・フレーリーのような赤のサンバーストじゃなくて、3つピックアップが付いた黒いレスポール・タイプのギターを高校の先輩から安く譲ってもらいました。でも高校生の頃は、周りのみんながいろんな音楽を聴くようになったのでジャンルの範囲が広がって。結局ロックもやったんだけど、高中正義から入ってカシオペアとか、テクニックを聴かせるインストゥルメンタルに興味を持ちました。

ー海外でもフュージョンが流行っていた頃ですね。

上田:スーパー・ギター・トリオ(アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア)とか、あの辺も聴いてました。

ーそうなると、エレキの他にアコギも?

上田:弾いてました。でもその時はエレキの方がメインでした。大学生から社会人になって27歳頃まではエレキのバンドで演奏していました。

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スタジオルームを作ってくれたんですよ、会社に(笑)

ー高校卒業後はどんな生活を?

上田:たまたま親戚が岡山にいたので、その辺りの理系の大学に進学しました。それで、そのまま岡山の機械メーカーに就職しました。そこは大手自動車メーカーなどのライン工場向けの機械を生産していて、その機械を制御するコンピューターのプログラミングを担当していました。

ー岡山にいたのはおいくつぐらいまで?

上田:27歳までで、その時までバンドをしてました。

ー機械メーカーですと、多忙なイメージがあるのですが...?

上田:そうですね。でも僕が入社して2年目ぐらいの時に、ホテルを借り切った新入社員の歓迎会があって、そこで僕らのバンドが演奏する事になったんです。そしたら僕らの演奏を気に入ってくれた社長が、スタジオルームを作ってくれたんですよ、会社に(笑)。アンプとかドラムセットも買ってくれて。まさにバブルの頃でしたね(笑)。ちょうど社内にドラムとベースがいたからバンドも組めたし、環境にも恵まれてましたね。

ーその時はどういう音楽を?

上田:3人だとフュージョンをやって、ボーカルがいたらBOφWYとか。ライブも何回かやりましたね。

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まさか自分がマーティンを手にできるとは思ってなかった

ーそして新潟に戻ったのが27歳の頃?

上田:そうですね。実家はガラス加工を行う工場なんですが、父親が体調を崩したので代わりに僕が経理をすることになったんです。二人の兄もそこで働いていて、僕も時々だけど人手が足りない時に製造現場に入ったりしてました。

ー新潟に戻ってからの音楽活動は?

上田:それまでのバンド仲間と離れてしまったので、一人でエレキを弾いててもつまらなかったですね。そんな頃に当時流行ってたエリック・クラプトンの「アンプラグド」でアコギを弾くことが多くなって、さらに南澤大介さんの「ソロ・ギターのしらべ」が出て、一人でギターを弾くようになりました。

ーその頃からマーティンを意識するようになりましたか?

上田:それはもう昔から。やっぱりトップ・メーカーですからね。それこそ10代の頃に地元の楽器店で見て、桁が違うなって(笑)。これは無理だなってずっと思ってました。憧れですよ。まさか自分がマーティンを手にできるとは思ってなかった(笑)。

ーマーティンを初めて手に入れたのは?

上田:結構遅かったんですよね。今からもう6~7年ぐらい経つのかな? 最初の1本目はシングルオー(0-28VS)でした。

ーこのモデルを選んだ理由は?

上田:新潟で開催されたマーティンのギターショウで選びました。D-28とかもやっぱり憧れたんですけど、ソロで弾いた時のシングルオーの音に惹かれてしまったというか...。弾いていて幸せになれる感じでしたね。

ーマーティンのギターにはどんなイメージを持っていますか?

上田:やっぱりマーティンは"間違いない音"って感じがしますね。よくCDで聞くような、芯があって、懐かしくて、王道的な音なのかな、感覚的に。

IMG_6677.jpgマーティンは目標の到達点ですね

ーそして今回紹介するメインのカスタムオーダー・モデル(CTM-OMCK2)ですが...?

上田:あぽろんの太田さんからカスタムオーダーの話を持ち掛けてもらって。最初は必要ないかなって思ったんですけど、カタログ見てるうちにじわじわと欲が湧いてきちゃって(笑)。

太田:2015年に私がマーティンのファクトリー・ツアーに参加したんです。自分にとっては初のファクトリー・ツアーなので、上田さんに"とびきりのやつを作りますよ"って相談したんです。

上田:ニコニコしながら(笑)。これやばい話だな、なんて(笑)。

ー最初からOMシェイプを?

上田:そうですね、カッタウェイ入りで弾きやすくてスタイリッシュなギターという事で。

ーオール・ハワイアンコア・ボディで、木材にもこだわっていますね。

上田:やっぱり材を選定するにあたっては見た目の違いがわかりやすいですし。コアのギターは持ってなかったので、欲しいとは思ってました。杢目といい、音の良さも何となくわかっていたので。現地で選べるのなら絶対コアが良いなと(笑)。

太田:上田さんは最後の最後までオーダーするのは迷われてたんですけど、私に木材の選定も含めてお任せしてくれたんです。行く前もそうですが、現地に着いてからも上田さんといろいろとやり取りをしてました。

上田:アメリカとは時差があるから、早朝にメールが来るんですよ(笑)。太田さんとマーティンのスタッフがニコニコしながら、きれいなストライプが入ったコア材を持っている写真を送ってくれてね。

太田:私も上田さんに聞きたいんですけど、ずっと悩んだけどオーダーに踏み切ったきっかけって何だったんですか?

上田:何だろうね...衝動! 男のロマン(笑)。最後の最後まで悩んだんです。しょうがないです、こればかりは。火が付いたら止められないですよね(笑)。

太田:初めてのファクトリーツアーで上田さんのオーダーで作らせてもらえたので、私にとっても思い入れのあるギターなんです。

上田:懐かしいね。お互いの記念ですね。

ーオーダーしたギターが到着してケースを開けた時はいかがでしたか?

上田:もうドキドキでした。感激というか、達成感と充実感ですね。ほんと太田さんには最高の材を選んでいただきました!(笑)

ー音や弾き心地はいかがですか?

上田:思ったよりすっきりしたきれいな音に感じましたね。弾き心地もバッチリです。

ー太田さんもご自身がオーダーしたギターを見た感想は?

太田:まず見た目が上田さん好みでとにかく最高だなって。音の感じも高音がすごくすっきりしていて、ソロ・ギターにはすごくオススメかなという感じがしました。

ー最後に、上田さんにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?

上田:若い頃からマーティンはトップ・ブランドってイメージがあって。だからギター弾いてる人間からすると、持つのが夢みたいな。やっぱり持ちたいギター、手元に置きたいギターですね。でも最初からマーティンっていう考え方もありますけど、僕はまだまだギターが上手くなりたいですし、徐々に自分の腕が上達して最後はマーティン、という存在でした。マーティンは目標の到達点ですね。

上田修平:1966年生まれ・山梨県出身 新潟県在住。家業であるガラスのフロスト(くもり)加工を手がけるガラス加工工場で経理を担当。新潟市のカポタスト、ニューボン、加茂市のLJスタジオといったライブ・バーの他、新潟市古町商店街が主催する音楽イベントにも毎年参加し、ソロ・ギターを演奏している。最近はフラメンコ教室に通うなど、常にギターの腕を磨いている

Martin_Guitar_Layout_9.jpgMARTIN CTM-OMCK2 2015:2015年のマーティン・ファクトリーツアーでオーダーしたカスタムモデル。ボディ材はオール・ハワイアンコアという贅沢な仕様で、トップ/バックのエキゾティックな木目が強い存在感を放っている。ソロ・ギターのプレイアビリティを重視し、OMサイズのカッタウェイ・シェイプをチョイス。王道ではなくマニアックなものを好む上田さんらしく、一見するとマーティンとは思えない独特なルックスのギターに仕上がっている。そのサウンドは、倍音成分はあまり多くはないものの、高音が煌びやかですっきりした音が特徴。ソロ・プレイでは一音一音はっきり聞こえて粒が際立ったトーンを生み出す。

IMG_6796.jpgMARTIN 0-28VS 2011:上田さんが初めて購入したマーティン・ギター。定番のドレッドノートではなく、ソロ・プレイにマッチしたギターという事でチョイスした一本。その当時、クラシック・ギターにも興味があり、それに通じる魅力を持ったギターというのも選んだ理由のひとつ。上田さん曰く、12フレット・ジョイントならではのたっぷりと響いてくる感じや、小さいギターの方が欲しい音を自分でコントロールして出せるとのこと。やっぱりマーティンは音に芯があるし。昔っぽくてピックガードがないルックスも気に入っている。

<取材協力ショップ>あぽろんイオン新潟西店

〒950-2028 新潟県新潟市西区小新南2丁目1−10 イオン新潟西3F
TEL 0120-800-808 https://ssl.apollonmusic.com 

IMG_6629.jpg  あぽろんは新潟県内に6店舗の楽器店の他、レンタルスタジオや音楽教室を展開する地元密着型の総合楽器店。あぽろんイオン新潟西店は2004年にオープンしたイオン新潟西店3Fの総合楽器店で、ウッディな雰囲気で仕上げられたマーティン・コーナーでは、定番モデルからマニアックなモデルまで幅広く取り揃えている。

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Interview by TOSHIHIRO KAKUTA

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高見沢俊彦

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