インタビュー

Living with Martin Guitar vol.10

リビング・ウィズ・マーティンギター

山本 隆史

『GAKKIソムリエ』のオリジナル企画、【Living with Martin Guitar】は、マーティン・ユーザーのギターライフを語ってもらうインタビュー・コーナー。音楽とギターとの出会い、マーティン・ギターの魅力、そして日々の生活におけるマーティン・ギターの存在・・・。憧れのマーティンを手にした喜びをインタビュー!

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 今回ご登場いただいたのは大阪府にお住いの山本隆史さん。30歳でギターを始めたものの、仕事の都合でギターを一時お休みし、数年前の転職を機に再びギターを弾き始めたという。この取材の一ヶ月前に三木楽器アコースティックインで購入したばかりというマーティン0-18を持ってきていただき、その出会いまでを語っていただいた。

 "あなたにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?"

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写真左より三木楽器アコースティックインの浅野勇紀さんと、山本隆史さん

弾き語りしたいっていう一心で、まあまあ弾けるようにはなりましたね

ー山本さんが音楽に目覚めたきっかけは?

山本:中学生の頃からで、80年代のポップスですかね。当時MTVとか観ていたんですけども、マイケル・ジャクソンの「スリラー」とか洋楽ばっかりでしたね。ベタな感じでビリー・ジョエル、ヒューイ・ルイスとか。社会に出るまではほぼMTVばっかりでした。それからもロック系よりは、AORのような聴きやすい音楽が好きでしたね。それ以外だとイーグルスですね。ロック系とはいえ軽い感じの曲が多かったですし。あとはサイモン&ガーファンクルとかあの辺も好きです。

ー徐々に古い音楽も聴かれるようになったんですね。

山本DJとかやっている音楽好きがいたので、知り合いの影響もありますかね。今言ったようなものとはちゃうんですけど、ブラジル系とかボサノヴァもちょろっと聴くようにはなってきましたね。

ーギターを弾き始めたのはいつ頃ですか?

山本:すごく遅いんですよ、30歳です。急に目覚めたというか(笑)。まさか自分で弾くとは思わなくてね。近所にいた親戚がギターやってまして。彼はライブでミキサーをやってる人で、私よりちょっと年が上で"ニイちゃん"って呼んでたんですけど。それで私もできるかなぁって思いまして。ニイちゃんに教えてもらいつつ、あとは独学で。その頃はカラオケが流行り出したので、邦楽も聴くようになってきて、弾き語りしたいなってなりまして。

ー弾き語りしたかったのはどんな曲ですか?

山本:主にフォークですね。特に浜田省吾さんの「もうひとつの土曜日」「路地裏の少年」とかですね。あとはちょっとずつ幅を広げて言った感じで、ゆずとか山崎まさよしさん、斉藤和義さん、その辺りを練習してました。

ー最初に手に入れたギターは?

山本:たしかモーリスなんですけど、機種は覚えてなくて。ホンマに初心者が最初に使うようなギターでしたね。

ーギターはスムーズに弾けるようになりましたか?

山本:いやぁ、つまずいてばっかり。まずはFでつまずいてやめようかなと(笑)。本当は飽き性なんですけど、弾き語りしたいっていう一心で、まあまあ弾けるようにはなりましたね。

ーモーリスの後に購入したギターは?

山本:モーリスはすぐに知り合いにあげてしまったんです。そして31歳ぐらいの頃に、次にいきなりマーティンのD-28を買ってしまって。

ーすでにマーティンはお持ちだったんですね。

山本:マーティンについてはニイちゃんから「高級ブランドなんで、なかなか手ぇ出えへんよ」とか「初心者が持つモンやない」とか色々聞いてたんで。アーティストとか見ててもマーティンとかギブソンを持ってるのが多いな、とは分かりだしてたんで。

ーでもマーティンを買ってしまったと...。

山本:いやぁ、なんででしょうね(笑)。ちょっと弾かせてもらって音を聴いてですかね。全然違うんですよね、音の出方とか。下手くそでも分かるんですよ。それがたしか1999年頃で、三木楽器さんの心斎橋店で買いました。

ーD-28を買おうと決めてお店に行ったんですか?

山本:というか、どんなマーティンがあるのかを見に行った感じで。形はもうドレッドノートが当たり前なんかなって。それ以外の000とかはあまり頭に入ってなくて。マーティンの種類について詳しく知ったのは、D-28を買った後ぐらいで。

ーライブとかで人前でギターを演奏したことは?

山本:する気はなかったんですけど、後輩の結婚式とかで2回だけですよ。ゆずと山崎まさよしさんの曲を演奏しました。それ以降は全くやってないです。

ーそれが人前で演奏した最初で最後ですか?

山本:そうですね。それからギターは一時期辞めてたんですよ。足ツボのマッサージ店をやるようになったので、(ギターを弾いて)指先がガタガタになったらいけないんで。十年ぐらいギターは全然やらずにいたんです。流石に自分でお店をやるようになると休みも取れなくて。その頃はD-28も手放してしまったんです。

ー結構長いブランクがありましたね。

山本34年前にマッサージの仕事は辞めたので、指のことは気にする必要もなくなったんで、ちょっとやりたいって思ってギターを再開しました。だから今は一からやり直しって状態です。

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私が思い描いていた小ぶりなギターが目に入ったんです

ーギターを再開するにあたって、どんなタイプのギターを探していましたか?

山本:最初はマーティンじゃなくて、どこでも良かったんですよ。日本のメーカーにしようとも思ったんです。ただ小ぶりなギターがいいなって探していて。Dだと大きいので、取り回しがしんどいかなと。それでいろんなお店を回ったけど、なかなか合うギターがなくて。一ヶ月ぐらい探してましたかね。

ーそしたら三木楽器さんでこの0-18と...。

山本:いや、三木さんのアコースティックインもちょこちょこ行ってたんですよ。浅野さんにも色々訊いたりして。その時はこの0-18はまだ飾られていなかったんやないかな...? マーティンのコーナーもあまり見てなかったんですけどね(笑)。で、たまたまフラっと三木さんに行ったら、私が思い描いていた小ぶりなギターが目に入ったんです。それがコレやったんです。

ー三木楽器アコースティックインは品揃えも充実していて雰囲気も落ち着いているから、つい通ってしまいそうですよね。

山本:そうなんですよ、それで私みたいな素人でも入りやすいんです。気が付いたら浅野さんが対応してくださって。スタッフの方もフレンドリーで親しみやすいんで、余計に通ってしまうんです(笑)。

ーこのギターを購入したのはいつ頃ですか?

山本:つい最近です。まだ一ヶ月経つか経たないか。なんかね、ホンマに一目惚れしたというか、「この小振りなのはナニ!?」ってな感じで。予算的には、正直いうてちょっと無理かなって思ったんですよ。ただどうしても欲しくなってきて、一~二週間迷いまして。お店に行くたびに見せてもらって、だんだん購買意欲が上がってきまして(笑)。三木さん以外ではコレがまだあまり出回っていなかったようだったので、無くなる前に早よ買わなアカンってこともあって(笑)。

ーお店に通っていた山本さんはどんなご様子でしたか?

浅野以前からずっとご来店いただいていたのですが、 ギターのご購入を本格的に検討され始めた頃からお店にも頻繁に来てくださって、様々なブランド、モデルを試奏されてました。 その中でボディの形状やネックの握り心地、サウンドをじっくり比較して価格なども含めて、なんとなくこれが良いかな~というものが絞れてきたところで、 ふと0-18が目にとまり、試奏していただく流れになったんです。 それまで試奏されたモデルの中で一番高額なモデルだったのですが、 サイズ感、弾き心地、サウンド、どれもしっくりされたご様子でしたね。 ただ、その日は購入には至らず、その後もご来店いただきながらも悩みつつ...というのが数日続き、ある日「もうこれにしよう!って決めて来ました」と。 慎重派な山本さんですが、0-18と出会ってからは他のモデルに目をやることは無かったです。 ご納得いただけるモデルが見つかって本当に良かったですね。

ーちなみに山本さんが今まで所有していたギターの本数は?

山本:ミニギターを除けば4本です。

ーそのうち半分の2本がマーティンなのはある意味贅沢ですね。

山本:たまたまというか、"結局マーティンなんや"って。マーティンが合うとは思ってなかったんで、こんなにピッタリ来るかってね。この0-18がまだあまり出回っていなくて、ちょうど三木楽器さんにあったというタイミングもあったんでしょうね。

ー試奏してみた時の音の印象は?

山本:小振りなわりに音が"バァーン"って出てきまして。マホガニーっていう材質もあるのかもしれないですけど、ローズウッドよりこっちの方がいいかなって思い始めまして。

ー18のマホガニーのトーンには根強いファンがいますからね。

山本:ネックの感じもね、私には大事なんですよ。コレが合えへんかったら、下手くそな上になかなか上達しないっていう(笑)。持った感じも良くて、音も心地良くて。ずっと弾いていられるな、飽きないでイケるかなって感じでした。

ーネックの感触はやはり大事ですよね。

山本:そうですね、音よりも何よりもね。このネックは幅は広いんですよ。でもあまり厚くないので、それで弾きやすいんだと思います。

浅野:マーティンは昨年辺りから既存モデルのマイナーチェンジや、 新たなモデルのレギュラー化などが目立っていますが、 ヴィンテージ・テイストの強いモデルや、ルックスやデザインが今風なモデルなど、幅広いニーズに応えられるようになっていると思います。 レギュラー化された0-18は、個人的にもツボを押さえた1本だと思いますよ。 小振りなボディにクローズドヘッドの14フレットジョイント仕様、パーツや装飾類など全体的にヴィンテージ・テイストを強く感じますが、ネックのプロファイルやテーパーなどは演奏性を追求した現代的なものなので、通な熟年のマーティン・ファンの方から、プレイヤー志向の若い方や女性の方など、 幅広い層の方に受け入れられるモデルだと思います。 これだけ小振りだとチープなサウンドになりがちだと思いますが、 0-18は1音1音の太さや輪郭、まとまり方が個性的でしっかりとした存在感がありますし、 手にするとつい自慢したくなるようなギターですね。

マーティンを持っているという高揚感や所有感はものすごいありますね

IMG_7217.jpgー弾き語りだと演奏スタイルはストロークの方が多いんですか?

山本:最近はソロ・ギターですかね。歌なしのインストを指で弾くのを練習しだしまして。クラプトンの「ヘイヘイ」とかジャズの「マイ・フェイバリット・シングス」とかその辺をやってます。

ー新しいギターを買って、人前で弾いてみたいっていう目標は生まれましたか?

山本:なかなかね、もうちょっとやり込まないことには、まだ人前ではとてもやないですけど(笑)。

ーでも自信がついたら、演奏する機会があるかも...?

山本:ちょっとできるようになったら、聴いて欲しいというのはあるかもしれないです。

ーせっかく良いギターを手に入れたことですし。

山本:勿体ないですよね(笑)。

ーでは最後に、山本さんにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?

山本:ギター自体は癒しみたいな感じですかね。ちょっと精神的に参ってた時期があったんですよ。でもギターやってたら復活してきまして。このマーティンに出会ってさらに意欲が湧いてきたというか、もう一回やってみようかなって。マーティンはギターの元になってるメーカーなんでね、ずっと同じ形を作ってるのはすごいと思いますね。だからマーティンを持っているという高揚感や所有感はものすごいありますね。なかなか手が出されへんものですけど、持つとやっぱりいいなってのは素人なりにわかりますね。形とか持った感じもそうですけど、出る音もいいですね...癒されます。ストレスにもなるんですけどね、なかなかうまく弾かれへんから(笑)。

山本 隆史:1967年生まれ・大阪府出身。高校卒業後、工場勤務を経て足ツボマッサージ店を開業。数年前にお店を閉めて、現在は自動車販売店に勤務。この転職を機に約十年ぶりにギターを再開。マーティン0-18を入手し、弾き語りの他、ソロギターなども目下練習中。

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MARTIN 0-18 2017:1996年の生産完了以来、一部のカスタムモデルを除いて長らくレギュラーで生産されていなかった0-18が、2017年よりスタンダード・シリーズ・モデルとして復活した。クラシックの別名を持つ0(シングルオー)は1850年代に登場したマーティンの中でも古い歴史を誇るモデル。13-1/2インチ(34.3cm)幅のコンパクト・サイズながら、00や000と比べてボディに厚みを持たせることで音量と低音の低減をカバーしている。2017年に加わったこの新たな0-18は、ナット幅1-3/4インチ(44.5mm)、モディファイド・ロー・オーバル・シェイプ、ハイパフォーマンステーパーの組み合わせによるネックは演奏性に優れており、山本さんも特に気に入ったポイントである。オープンギア・チューナーやエイジング・トナー・カラーなどが醸し出すヴィンテージ・テイストと現代的な演奏性を両立したギターに仕上がっている。

<取材協力ショップ>三木楽器 Acoustic INN

IMG_7301.jpg〒542-0086 大阪市中央区西心斎橋2-10-2 Crice Nikko西心斎橋2F TEL.06-6211-2230 http://www.mikigakki.com/acousticinn/

営業時間 11:0020:00(毎週火曜定休)

 2016年に大阪・アメリカ村にオープンした三木楽器のアコースティック・ギター/ウクレレ専門店。明るくウッディな雰囲気の店内には、海外や国内の有名ブランドから手工ギター、クラシックギターなど、関西だけでなく国内屈指の在庫本数を誇る。マーティンは、レギュラーからカスタムモデル、ヴィンテージ、中古まで幅広いラインナップを揃えている。

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interview by TOSHIHIRO KAKUTA

製品情報

MARTIN 0-18

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2018年9月号

定価890円(本体824円)A4判

2018年8月2日(木)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

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