インタビュー

Living with Martin Guitar Vol.12

リビング・ウィズ・マーティンギター

成田 和弘

『GAKKIソムリエ』のオリジナル企画、【Living with Martin Guitar】は、マーティン・ユーザーのギターライフを語ってもらうインタビュー・コーナー。音楽とギターとの出会い、マーティン・ギターの魅力、そして日々の生活におけるマーティン・ギターの存在・・・。憧れのマーティンを手にした喜びをインタビュー!

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 今回ご登場いただいたのは、名古屋市にお住いの成田和弘さん。中学生の頃にギターを始めて、ニール・ヤングとジェイムス・テイラーに憧れて音楽活動を続けるも、大学在学中にコンピューター関連の会社を起業して以来、40年間に渡って楽器と音楽から遠ざかっていた。そんな成田さんがマーティンを入手したきっかけやマーティン愛について、ロッキン名古屋栄店の富田一嘉さんにもご同席いただいてお話を伺った。

"あなたにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?"

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写真左より、成田和弘さんと富田一嘉さん

マーティンはさらに別格でしたから、触れることもできない存在でしたね

ー音楽に目覚めたきっかけは?

成田:いわゆるフォークソングで、全盛期の五つの赤い風船とか吉田拓郎あたりですか。それが中学2年ぐらいで、ヤマハのYG-180を祖父から買ってもらったんです。それと私が中学の生徒会長をやっておりまして、生徒会主催で体育館で月に2回ぐらいミニコンサートを行っていたんです。女子生徒がコーラスを担当して、生徒に歌詞を配ってみんなで歌うような感じで。

ー時代を感じますね。

成田:その頃はフォークソングがブームでしたからね。私の二世代上がビートルズ、その上がベンチャーズなんですが、あまりピンとこなかったんです。ただモンキーズをテレビで観ましてね。「デイドリーム・ビリーバー」とかはいいなって思いましたね。そこから洋楽に興味を持って、やっぱりCSN&Y、特にニール・ヤングですね。CSN&Yは「キャリー・オン」とか、ニール・ヤングもコピーしましたよ。特にウェストコースト系はハマりましたね。それと同時に高校入学のお祝いに祖父からギブソンJ-50デラックスを買ってもらったんです。それが72〜3年頃でしたかね。

ー高校生でギブソンとは贅沢な...。そのギターは当時の新品ですか?

成田:そうです。でも当時でも17〜8万円ぐらいでしたかね。J-45と悩んだんですけど、ジェイムス・テイラーにすごく憧れていたのでJ-50にしたんです。でもマーティンはさらに別格でしたから、触れることもできない存在でしたね。だからマーティンを購入するなんて、当時は考えられなかったですよ。

ーマーティンの存在を知ったきっかけは?

成田:直接的に知ったのはガロです。「美しすぎて」もコピーしましたよ。あの時代でね、3人揃ってD-45を持ってるなんてすごいなって思いました。1ドルが365円の時代じゃないですか。まあ、マーティンは憧れは憧れとして、たまに楽器店でちょろっと爪弾く程度に弾かせてもらうこともありましたけど、まさか実際に買えるとは思ってなかったですね。

ー高校時代はどんな音楽活動を?

成田:高校2年ぐらいの時にバンドを組みまして、そこでエレキに持ち替えました。はっぴいえんど系のオリジナル曲を演奏するバンドで、リードとボーカルでギターが2本、ドラムとベース、キーボードの編成でした。ザ・バンドじゃないですけど、岡林信康とはっぴいえんどのような音楽にすごく憧れましてね。一つ面白い経験があって、中区役所に小さいホールがあって、そこにはっぴいえんどがゲストで来まして、さらにゲストコーラスが山下達郎で、それは感激しましたね。あの辺の日本のロックは憧れでしたね。その頃、地元の名古屋の有名バンドで、センチメンタル・シティ・ロマンスがいまして。偶然にも私の高校の3〜4つ上の先輩が告井(延隆)さんで、よく可愛がってもらったんです。それで彼らの月イチのコンサートに前座の前座みたいな感じで出させてもらって。そんな感じでバンド活動をしていましたね。まあ、そのおかげで勉強の方は落ちこぼれたんですけど(笑)。

ー(笑)。高校卒業後はどのように過ごされたんですか?

成田:大学でもバンドを組んだんですけど、いまいちのめりこめなかったんです。その頃はITが出始めた頃で、大学在学中にコンピューターの会社を立ち上げまして、結局卒業もしなかったんです。それから40年ぐらいギターや音楽とは遠ざかっていました。10年前ぐらいにカマカのウクレレを買って弾いたりはしていましたけど。

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ニール・ヤングのあのコードってD-45じゃないと出ないなって

ー再びギターを始めたきっかけは?

成田:他の方も同様だと思うんですけど、私も60歳を過ぎてリタイアしまして"やることないな"となりまして。それでギブソンがあるし、弾いてみようと出してみたところ、ブリッジや力木が剥がれていて何度か修理に出したんです。そこで直してもらって、弦高もギリギリに低くしてもらったら、非常に良い音がしましてね。そこから「ユー・ガッタ・フレンド」などのジェイムス・テイラーの曲を弾くようになったんです。それで今日はマーティンのインタビューなのに、この格好できたのでぜひツッコんでいただきたかったんですが...。

ーと申しますと?

成田:僕の一番好きなジェイムス・テイラーのアルバムで『ワン・マン・ドッグ』がありまして...。

ーあぁ、なるほど! ジャケと一緒ですね!

成田:ほぼ同じですよ(笑)。服の色が若干濃かったり、靴の先が彼のみたいに尖ってなかったり、ネクタイの柄も同じ幅のものがなくてね。あとボートと犬がないけど、代わりにプリウスと猫がいるんで(笑)。できるだけ近づけてみました。その辺をまずツッコんで欲しかったんだけど(笑)。

ーそれは失礼しました(笑)。このD-45を購入したきっかけは?

成田:またギターを弾くようになって、栄を中心に楽器店さんを廻って、店頭でマーティンを弾かせてもらうようになったんです。マーティンというとD-45の鳴りを思い出しましたね。ニール・ヤングのあのコードって、D-45じゃないと出ないなって。でも45だと値段的になかなか購入まで踏み切れなかったんです。ただ偶然にもあぶく銭が手に入りましてね(笑)。娘がまだ小さいので、最初は貯金しようかなと思いました。でもいまモノを買うとしたら、ギターでマーティンの45なら10年弾けば5割ぐらいは元がとれるかなって思いまして。それでこちら(ロッキン名古屋栄店)にお邪魔して、富田さんにお願いしてD-45を弾かせてもらって。最終的に中古とショップオリジナルのD-45が選択肢に残ったんです。中古なら金額的にイケるかなと思ったんですけど、こちらのマネージャーさんが「これで迷うんでしたら、(購入は)やめたほうがいいですよ」って話をされましてね。それから2〜3店ほど廻ってまたここに来て、最終的に購入することになりました。

富田:やはりニール・ヤングがお好きとのことでしたので、だったらD-45だろうと。ちょうど在庫も何本かありましたので、いろいろ試していただいて、その中で一番しっくりこられたのが、今日お持ちいただいたギターなんです。

成田:そうですね、これが一番良かったですね。それ以降も何本か入荷してますけど、これが響きがいいですね。倍音の響きが全然違うんでね、入手してからもすごいなぁって、いまでも感動しています。

ー今も店頭には45は本数を多く揃えていますね。

富田:そうですね。この前に入荷したものが2本ぐらいあるんですけれども、レギュラーラインのものと含めて6本ありますね。

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一緒に歳をとって楽しめるのって楽器ぐらいしかないでしょ

ーこのD-45を購入する以前に、マーティンを弾いたことはありましたか?

成田:いや、買う意志もなかったし、100万円超えのギターを弾かせてっていうのは勇気が要りますよね。あとは弾きこなす腕がないとね。でも本当そうですよ。別にバキバキに弾くのでなくても、マーティンを弾くべきコードってあるじゃないですか? 倍音が"ガンッ"と出るような。それで弾いていて気持ちいいなって思えるような腕がないとね。ポロンって弾くのじゃダメなんですよ。だからこれを買ってからは、酒を飲みながら毎日2時間ぐらい弾いていますよ。ニール・ヤングの曲も改めて2〜3曲ほどマスターしたので、どれだけ倍音が出るようになるのか楽しみですね。やっぱり俺はニール・ヤングになりたかったんだなって、改めて思いましたね。まあJTもそうですけどね。

60歳を過ぎてからの初めてのマーティンなんですね。

成田:やっぱり最終の一本ですから(笑)。だから傷をつけるのが怖いんですよ。すでに2箇所いっちゃいましたけど。でも弾いていたら傷はつくものだし、ガンガン弾いてあげて、トップの色も徐々に変わっていくといいなって思うんですけどね。

では最後に成田さんにとってマーティン・ギターはどんな存在ですか?

成田:恋人ですね。嫁はすでにいるから(笑)。これから20年近く付き合っていくわけですからね。一緒に歳をとって楽しめるのって楽器ぐらいしかないでしょ。例えば一千万円の車を買う人もいるじゃないですか? でもだいたい車検毎に買い換えるようだし。投資家とかだと時計を買うんだろうけど、使わずにとっておくでしょ。それもつまらないしね。それを考えたら、僕にとってギターは20年は使っていけるわけだし、このマーティンは大事に育てていきたいですね。

成田和弘:1956年生まれ・愛知県出身。フォークソングに影響を受けて、中学2年でギターを始める。高校時代はロック・バンドでエレクトリック・ギターを担当。大学在籍中にコンピューター関連の会社を設立。60歳でリタイアし、現在は大学病院で嘱託委員を務める傍ら、影響を受けたニール・ヤングやジェイムス・テイラーをギターで楽しむ毎日を過ごす。

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MARTIN CTM D-45 Adirondack / Wild Grain East Indian Rosewood 2016:成田さんにとって生涯3本目のアコースティック・ギターが、61歳で購入したカスタムショップ製のD-45。アディロンダックスプルース・トップ、ワイドグレインと呼ばれる太くうねった木目が特徴のインディアンローズウッド・サイド/バックを採用。エボニー・フィンガーボードのスノーフレイク・インレイやブレイシング・パターン、ベリー・ブリッジとロング・サドルなど、30年代のゴールデン・エラ仕様でオーダーされたモデル。フワッとした音の広がり方が特徴で、力強いピッキングでのレスポンスの良さも魅力である。バランスの良いレンジ感、重厚な鳴り、高音の倍音の美しさなど、D-45ならではのトーンを生み出す。

 
<取材協力ショップ>ロッキン名古屋栄店
IMG_8269_.jpg〒460-0008 愛知県名古屋市中区中区栄3-32-6 BECOME SAKAE 10F
TEL.052-243-0111
https://www.rockin.co.jp/nagoya/

名古屋・栄地区唯一のギター/ベース専門ショップとしてオープン。海外ブランドを中心に、常時1,000本以上もの在庫を揃える、西日本でも最大級の規模を誇る大型楽器店。マーティンは新品から中古品まで幅広く取り揃えており、カスタムショップ・モデルも充実している。

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Interview by TOSHIHIRO KAKUTRA

製品情報

MARTIN D-45

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2018年9月号

定価890円(本体824円)A4判

2018年8月2日(木)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

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