インタビュー

60年製バーストを使ってZEPを弾くLIVE!Duesenberg 匠インタビュー Part.1

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デューセンバーグ

6月1日に原宿クロコダイルに70年代にZEPコピーバンドとして名を馳せた「デューセンバーグ」が登場。今回はギタリスト匠のプロフィールを中心にインタビューした。

 デューセンバーグは70年代にレッド・ツェッペリンのコピーぶりが評判となるバンドだった。その活動は当時の月刊『Player』の記事でも散見され、TVやラジオ番組の出演や日比谷野音への出演など、アマチュア・バンドとしては異例の注目を集め、今も語られる伝説的な存在となった。この数年、ふたたび活動が活発化しているものの、現在では知る人ぞ知るという存在に過ぎないのも確かだ。今回はギタリスト匠(鈴木 匠)に彼のキャリアについてのインタビューをお届けし、その上で、次回に貴重品が多数登場する匠の使用楽器/機材についてたっぷり紹介する。

takumi_small-58.jpg▲匠(Duesenberg)

 匠さんがギターを始めたきっかけは?
 『エレキの若大将』って映画があるじゃないですか?子供の頃、映画館に怪獣映画を観に行ったんですよ。ある時、怪獣映画と『エレキの若大将』が二本立てで上映されていたんですけど、『エレキの若大将』の方が面白かったんですよ。その映画の影響で寺内タケシさんに憧れましたね。最初はマックスリーガーっていうトーカイのモズライト・タイプのギターでした。すごく良いギターでした。その後、レスポールが欲しくなって、アリアのレスポール・タイプのギターを買いました。


 レスポール・タイプ? その頃にレッド・ツェッペリンと出会ったということですか?
 いや、それよりも前の話ですね。ツェッペリンよりも前にクリームと出会うんですよ。レコードを聴いてみたら、なんと"フニャフニャ"という音なんですよね。当時はエフェクターというとファズしかなくって、ファズでは同じような音が出ないじゃないですか?で、アンプヘッド直列!!とか色々試しましたね。そしたら、ちょっと似てたんですよね(笑)。今思うとよく感電しなかったなと思いますけど(笑)。
 1971年にツェッペリンが初来日するじゃないですか? で、観に行ったらものすごい衝撃を受けましたね。


 どんなところに衝撃を受けましたか?
 すごいうるさいのかと思ったら、59年レスポールの音がすごいクリーンなトーンで「なんてきれいな音なんだ!」という・・衝撃でしたね。

takumi_small-3-1.jpg▲70年代のデューセンバーグ

 デューセンバーグは他のバンドのようにオリジナル曲でシーンに絡もうとは考えなかったのですか?
 ツェッペリンはもちろん好きで・・・というかリスペクトは人一倍のつもりで、「あんな曲どうやって作るんだ!」って研究するわけですよ。オリジナル曲も作るんですけど、リスペクトが強いからコピーをやった、という理由ですね。ツェッペリンは曲がとにかく素晴らしいです。やっぱり今でもあのランクに行きたいと思っています。

【本記事の最後に月刊『Player』1978年1月号に掲載された当時のデューセンバーグの紹介記事を転載しました。併せてご覧下さい。】

 でも、オリジナル曲自体は当時も作っていましたよね?
(オリジナル曲の「刹那」のテーマ(※))世の中、何でも情報とか便利とかばかりで、知識は増えるけど知恵は増えないって常々思ってるんですね。だから、逆に現代人は失っているものが多いんじゃないかって。オリジナル曲では大切なものを気づかせたいっていうメッセージ・・大望を抱いています。(※「刹那」は、内容を今の時代に反映させた「邂逅」という曲名に変更して演奏されている。)

 あと、昔は"自主製作盤"って言いましたけど、絶対に(自分が製作するという意味での)自主では作りたくない思っていました。"僕らの音を聴きたいと思う誰かが出してくれる"でなければならないと思っていたんですよ。チャンスは70年代にもあって、佐々木さんって当時ベルウッド・レコードにいらした方がデューセンバーグのことを買ってくれていて「休みの日に録音してやるよ」って言って下さいました。それで24チャンネルのレコーダーでデューセンバーグを録音してくれたんです。そのテープを僕が大事に持っていたんです。それが2000年のちょっと前ですかね。ある人から「昔、『ぎんざNOW!』(テレビの人気番組)でのデューセンバーグのことを憶えている。その頃の音が残っていないか?」という人が現れたんです。で、僕が持っていたテープを渡したらアメリカでアナログレコードとしてアルバム『刹那』が2001年にリリースされました。

takumi_small-50.jpg▲2001年に発売されたLPレコード『刹那』

 奇遇ですが、僕も『刹那』のリリースは憶えています。というのも70年代にデューセンバーグのボーカリストだった竹邉正道さんは楽器業界で働いていたので、仕事でも大変お世話になりました。ある時、竹邉さんから「僕が昔やっていたバンドのレコードがアメリカで限定発売になるんだけど、予約しない?」と言われました。なんでも500枚だけプレスして、日本には50枚しか来ないとか。僕にはリリースよりも竹邉さんがデューセンバーグのボーカリストだったと知った方が驚きでしたが(笑)。
 デューセンバーグと並行して、僕は郷ひろみさんのバックバンドでギタリストをしていた時期もありました。郷ひろみさんのツアーに参加しなくてはならない時も竹邉君は「いいよ、待ってるから。」と言ってくれましたね。 
takumi_small-52.jpg これが76年に郷ひろみさんのバックをやっていた時のレコードです。アメリカ公演のライブ盤です。このアルバムは(『GO GOES ON!』Part.1 & 2として)時期をずらして2枚出たんですよ。ポップスのカバー曲もあるんだけど、ひろみさんはやっぱりロックの曲が好きなんじゃないですか? (ユーライア・ヒープの)「July Morning」とか。これは僕にとっては最初のレコーディングでしたね。でも、ライブ会場に行ったらモニターがないんですよ。ものすごく演りにくくて、これでライブレコーディングか!と。でも我慢してやりましたよ(笑)。

 80年代になるとデューセンバーグの活動が途絶えますが、その後の匠さんの活動は?
takumi_small-54.jpg PANTAさんの"スウィート路線"の2枚目の『KISS』からPANTAバンドに参加しました。

 ある日バイトしてたらPANTAさんのマネージャーさんから「今日、レコーディングやるんだけど匠くん来ない?」って電話がかかってきて。「レコーディング? 行きます!」って、バイトを早退して、ギター持ってビクターのスタジオに飛んで行ってレコーディングしたんですよ(笑)。元々、デューセンバーグの頃にも日比谷野音でPANTA & HALのオープニング・アクトをしたり、ギタリストの平井光一さんとも仲が良かったので。

 チャンスが舞いこんだんですね?

 PANTAバンドは良いバンドでした。ディレクターがアレンジから何から好きにやらせてくれたんですよ。だから新しい曲をやる時にメンバーがみんなスタジオに入って、どんなアレンジにしようかって、色々やるじゃないですか? ディレクターが「今の良かったよ、今のでもう一回やってみようか」とコントロール・ルームから言うので、じゃあ回しますって言って。でも回すと全然違う演奏をしちゃったり(笑)。ディレクターは「嘘だろ・・・」って(笑)。それぐらいバンドが凝り症だったんですよ。

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 他にも「13号埋立地から」という曲をレコーディングした時には、「一緒にギターバトルをやるなら誰がいい」とマネージャーから問われたんですよ。僕は「Charさんか石間秀機さんですね」と答えたんです。で、Charさんと一緒にレコーディングしたんですよ。その時にCharさんとは「ジミヘン対ジェフ・ベックみたいにやろうよ」と打ち合わせをして二人で弾きまくりましたね。で、後半にはCharさんと僕とでフィードバック大会になりましたね。その部分はレコードに入らなかったんですけどね(笑)。すごい気持ちよかったです。

 今のデューセンバーグはどんなメンバーですか?
 ボーカルは"はしもん"(橋本政親)。彼は以前のMr.jimmy時代にジミー・ペイジから、声がビューティフルだって言われたこともあるみたいですね。ドラムには後藤マスヒロ(元人間椅子)。比較的最近知り合ったんですけど、その時は彼がドラムかなにかさえも知らなかったんだけど、ちょっとツェッペリンの話をしたら「ツェッペリンいいっすよね」って盛り上がって(笑)。ベーシストは知人の金子とバッドシーンをやっていたナルチョ(鳴瀬喜博)の一番弟子という荻原一郎。いいベースを弾いたんで、一緒にやろうかってことになりました。

 ずいぶん豪華なメンバーが揃っていますね。6月1日のイベントでブッキングされているバンドについてはご存知ですか?
 大塚グループはMr.jimmyのメンバーとかシナモンのメンバーとか。そのメンバーとデューセンバーグが一緒にやるというのは初めてなんです。で、ZEP道楽(道楽はドラッグと発音)っていうバンドが出るんですけど、3つのグループ、それぞれが別の角度でツェッペリンをとらえていると思います。それぞれがレッド・ツェッペリンをどうバンド捉えているかの表現が異なると思うんですね。その辺が興味深いですね。

【6月1日に原宿クロコダイルで使用予定の匠使用機材はコチラ】

1978_0125.jpg 月刊『Player』1978年1月号に掲載されたデューセンバーグの紹介記事。

 ロックの情報がほぼ月刊誌に限られていた時代、プロ/アマ問わず掲載されるだけで効果が高く、名誉なことでもあった。この号でも表紙はジミー・ペイジで、他にアル・クーパー、チック・コーリア、そして斎藤光浩などのインタビューがメインの記事で、新人やアマチュア・バンドが登場が掲載されるにはまさに狭き門といえる。

※掲載記事ではヴォーカリストの名前が誤っております。正しくは「竹邊正道」です。40年以上経過しておりますが訂正し、謹んでお詫びします。




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 ~ LED ZEPPERIN SPRING FESTA ~

 原宿CROCODILE
 2019年6月1日(土)

 ◇開場18:00 ◇開演 19:00 ◇前売り 3,500円 ◇当日 4,000円

 出演 : 大塚GROUP / Duesenberg / ZEP道楽

インタビュー / GAKKIソムリエ 取材協力 / Led House

Player

2019年7月号

定価890円(本体824円)A4判

2019年6月1日(土)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

Tak Matsumoto(B’z)

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