インタビュー

60年製バーストを使ってZEPを弾くLIVE!Duesenberg 匠インタビュー Part.2

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デューセンバーグ

前回のデューセンバーグのギタリスト匠インタビューに続き、今回は60年製バーストを含む使用機材を紹介。今回はギターをはじめレアな機材が目白押しだ!

 前回、デューセンバーグのギタリスト匠(鈴木 匠)の経歴を中心にインタビューした。今回の記事では彼が6月1日の原宿クロコダイルでのイベントで使う60年製、57年製、54年製コンバージョンという3本のヴィンテージ・レスポールに加えて、彼が愛用している機材を取材した。公演前にどんな楽器/機材なのかを予習した上で、当日のデューセンバーグのパフォーマンスをお楽しみいただきたい。

(6月1日のイベントで、本記事に掲載した全ての楽器/機材を使用するという主旨ではない点はご了承ください)。

■GIBSON Les Paul 1960年製

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 1958年から60年にかけて生産されたサンバーストのレスポールはしばしばバーストと呼ばれる。このギターはその最終年の1960年製(#0 1119)だ。バーストは59年の途中からトップが退色しづらい染料に変更されているが、それとは別にこのギターは1998年にトム・マーフィーによってリフィニッシュされている。

 オーナーY氏によれば、リフィニッシュが原因で購入当時の相場よりもかなり安く入手できたとのこと、ただし、このギターにはバックプレートにトムのサインが入っており、現在のトム・マーフィーのフィニッシュの人気ぶりを考えるとお買い得といえるだろう。実用性を考えてチューナーは日本製のものに、サドルも交換されており、ピックアップのPAFをはじめとする電装系はオリジナルだ。

 60年製は58年製、59年製に比べてネック・グリップが薄いことが特徴だが、このギターも下の写真でも確認できると思うが大変薄い。また、重量も大変軽い個体だ。なお、室内光で正面から見るとトップのフレイムは見えないにくいのだが、強い光が当たると写真の通り上品なフレイムが浮かび上がる。

 匠 : ライブで使っていて一番好き。ハネるところがなく、品が良いサウンド。(自身が衝撃を受けた)71年の初来日の音を出せる。

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(このギターのオーナーは匠ではなく、別にオーナーのY氏がおり、ライブの際に匠に貸出されるギター。)

■GIBSON Les Paul 1957年製

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このギターは57年製(#7-7323)でPAF搭載を搭載したゴールドトップ。以前のオーナーによってチューナーはグローバーに交換されている。トップのゴールドの塗装はクラックが少なく、グリーンへの変色なども少ない。

 匠 : めちゃめちゃいい音。ただ、ハードロック寄りの音なので、オールマイティな60年、ハードな曲ではゴールドトップというようなイメージで使い分けてます。

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(このギターもオーナーは匠ではなく、60年製と同じオーナーのY氏の所有品だ。)

■GIBSON Les Paul 1954年製 Conversion

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 ゴールドトップでP-90を搭載した初期のレスポールにはオーナーがトップやPUをバースト期のような仕様への改造、いわゆるコンバージョンが流行した時期がある。このギターも以前のオーナーが54年製を元にコンバージョンした1本だ。当時のオーナーがPUやトップ/バックのカラーを指定したようで、PUにはPAFを搭載している。ゴールドトップからのコンバージョンは実際にトップの塗装を剥がすまでは木目がどのような個体かわからないのでギャンブル性が伴う。しかし、このギターではトップのセンター位置はややずれている程度で、トップのメイプルもフレイムが随所に浮かび上がっているのでかなり幸運な1本となった。また、匠だけでなく、ギターショップ Led Houseのオーナーも自身のライブで使うことがあるオーナーお気に入りの1本だ。

 匠 : このギターはとにかくパワフルなサウンドで、特にリアPUのパワフルさが特徴。まるでAC/DCのような音楽をやるような力強さがあります。

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(このギターのオーナーは今回の取材に協力していただいたギターショップLed House。)

■GIBSON Les Paul Deluxe 1969年製

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 匠が所有しているレスポール・デラックス。彼と長い歴史を刻んだギターだけあって、随所に使いこまれた貫禄がある。元々はミニ・ハムバッカー搭載しているデラックスのPUをP-90に交換したため、PU周辺にわずかの隙間ができている。現在搭載されているのはネック側はP-90タイプ、ブリッジ側は最近のギブソンのP-90とのことだ。レスポール・スタンダードよりもヘッドは幅が広く、トラスロッド・カバーには「匠」のエンブレムが貼られている。取材時に触ったところ、驚くほど重いギターだった。

 匠 : 当時は重いほどサスティーンがある良いギターとされていたんですよ。高校生の頃にも他人のギターだったものを借りて使っていました。今は自分のものになっていますけど、昔からライブの時には他人からギターを借りてる(笑)。でも、自分から貸してくれと言ったことは一度もないですから(笑)。

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■HIWATT 50Wコンボ・アンプ

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takumi_small-2-3.jpg 匠愛用のハイワットのコンボアンプ。 ハイワットとの出会いはスモーキー・メディスン時代のCharがハイワットのアンプを使っていた演奏を観て「こんな音を出したい」と思ったことに始まるそうだ。後に郷ひろみのバンド時代(写真左/当時はマーシャルのキャビネットをフルスタックで組み合わせている。)にはハイワットのヘッドを使用したが、100ワットのヘッドでは歪ませにくいため、より自分のニーズあった50ワットアンプを探すこととなる。50ワットのコンボとの出会いは、匠のストラトキャスター(PANTAバンド時代に愛用していた)を製作した伝説的なビルダーがまだ楽器店に勤務していた頃、このアンプを薦められた。当時はマスターボリュームを採用したアンプも少ない上に、日本でのハイワットの流通数は少ない時代であり、楽器店スタッフも推薦するサウンドにこのアンプに惚れこんだ。以来、この50ワットコンボは匠にとっての"史上最高の1台"として活動を共にしている。

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■SOLA SOUND Tone Bender / VOX Wah

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 英国製ファズの代表格のトーンベンダー、時期によって仕様やサウンドが異なる。

 ある時、有名なエフェクター・コレクターから「匠さんはHONEYのファズをお持ちですか?僕のトーンベンダーと交換しませんか」という電話があった。そのコレクターとは面識がなく、突然の申し出に戸惑いつつもコレクターが所有する3~4台のトーンベンダーの中から最も気に入ったものを選んでトレードしたという。

 また、ある時にジミー・ペイジの写真を見ていたところ、シルバー・ボディのVOXのワウがあるのを発見。しかし、楽器店に簡単にあるものではなく、ようやく探し出した貴重な1台だ。

■MAESTRO ECHOPLEX

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 60年代から70年代前半には数々のミュージシャンに愛用されたテープ式のエコーの代表モデル。後にテープ・エコーも多機能化するが、ウォームなサウンドを生み出すシンプルなエコープレックスも歴史的な名器として使われている。

 匠 : テープが絡むなどのトラブルが多く発生しますけど、色々工夫しながら使っています。特にテルミンと組み合わせて使用すると効果的です。

■SHIN-EI Resly Tone RT-18

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 60年代後期から70年代にかけて独特なエフェクターを数々リリースしていたシンエイ。特にUni-Vibeなどはジミ・ヘンドリックスなど海外のミュージシャンで愛用例が多い。このレスリー・トーン RT-18は70年代の製品のようで、オルガンなどに使われるレスリー・スピーカーのような効果を生み出す。

 匠 : ビートルズのレコードに参加したエリック・クラプトンがレスリー・スピーカーを使ったギターを聴かせていて、それがすごいいい音だなあと思っていました。僕も御苑スタジオなどレスリー・スピーカーを置いているスタジオでレスリー・スピーカーを通して弾いていました。その音が出るエフェクターが無いかと思っていたところ出たのがこれでした。シンエイといえばユニバイブが有名だけど、こちらの方が音は良いと思います。たぶん(元々日本向けの100V仕様のようで)ボルテージの関係があるのかもしれませんね。

■各種テルミン

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◇オリジナル・モデル(写真中央)

 内部回路に真空管を使ったテルミン。匠の友人が製作したハンドメイド品。木製の筐体の下部の銀色の部分が回路で、上部の木部の内部には真空管がある、まるでアンプのヘッドのような構造になっている。取材時に音を聴かせてもらったところ、ウォームで野太いサウンドを生み出した。

 匠 : アンテナは1本だけど、演奏はコツ次第で、手の遠近、特にアンテナの半径でコントロールし、加えてエコー・プレックスなどをかければジミー・ペイジ風の演奏ができます。 これもアンセムのギタリスト福田洋也さんに売っちゃって、その後何度も「返すよ」と言っているのに「一生使ってていいですよ」と言ってくれている。本当にいい奴です(笑)。

◇ISHIBASHI Theremin (写真右)

 イシバシ楽器が以前発売していた電池で駆動する小型のテルミン。販売品はパネル部に赤いステッカーが貼られているが、替わりにゴジラの記念切手を貼っている。また、ステージでは電池駆動の利点を生かすため、マイクスタンドに取り付けて使用している。

 匠 : これはある時、イシバシのスタッフから電話があって、「テルミンを作りたいので、匠さんの(前述のオリジナル・)テルミンを貸して下さい」と言われました。その後に発売されたのがこのテルミンです。ジミー・ペイジが来日した時に3台ほどこのテルミンを買って帰ったという話も聞いています。そうすると僕のオリジナル・テルミンを巡り巡ってジミー・ペイジが・・と思うと、ネ!。

◇学研 テルミンmini 『大人の科学』付録 (写真左)

 10年ほど前に雑誌『大人の科学』の付録として発売されたテルミンmini。「オモチャです」と笑いながら、取材の際に持ってくるお気に入りのようだ。

■エフェクター・ボード

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 エフェクト・ボードにはチューナーやACアダプター、ラインセレクターなどのユーティリティを中心に、空間系デジタル・エフェクターや歪み系も収納。この中では、RAT1がお気に入りの歪み系とのこと。

■エフェクター2種

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 この写真の2種は普段ボードに組み入れていないが、お気に入りのレアなペダルだ。 左は(株)神田商会の元エンジニアで現在はEFFECT GEARを主宰している大須賀 康宏さんが作ったCalico Cat。数あるトーンベンダー・クローンと呼ばれる歪み系の中で匠がチョイスした1台。右のノブで、時期などが異なる3つのトーンベンダー・サウンドをクリエイトする。 右は現在アメリカでMiura Guitarsとして活躍しているHiro Miura氏が製作したTRILOGICのBass Pre-amp。

■レスポール・デラックスのお手製のフィギュア

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 高校時代に一緒に演っていたボーカリストのアキラがプレゼントしてくれたフィギュア。 お前の誕生日に「ギブソンをプレゼントしてやるよ」と、匠が愛用する69年のレスポール・デラックスを細部まで観察して製作。ケースの鍵まで再現する凝った造りだ。そのアキラは現在、クラシック楽器のチェンバロの製作者として本物の楽器を製作している。右は匠がそのエピソードを記したメッセージ。

デーセンバーグのギタリスト匠のプロフィールをインタビューしたPart.1はこちら】


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 ~ LED ZEPPERIN SPRING FESTA ~

 原宿CROCODILE
 2019年6月1日(土)

 ◇開場18:00 ◇開演 19:00 ◇前売り 3,500円 ◇当日 4,000円

 出演 : 大塚GROUP / Duesenberg / ZEP道楽

インタビュー / GAKKIソムリエ 取材協力 / Red House

Player

2021年4月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2021年3月2日(火)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

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