インタビュー

teto インタビュー

インタビュー

teto 小池貞利

 衝動剥き出しのライブパフォーマンスと嘘の無い言葉とサウンドで、流行りのバンドに飽き飽きしていた人々を魅了するteto。2016年1月の結成から3年余、セールスと動員は常に右肩上がり、ワンマンツアーも各地でソールドアウトが続出し、年末の大型フェスにも出演、その勢いは衰える気配がない。そんな彼らが全15曲入りという大ボリュームの1stフルアルバム『手』以来の新作、2ndシングル『正義ごっこ』をリリースした。全4曲が別ベクトルの曲調に仕上がりながらも、何処かコンセプチュアルなまとまりも感じさせる1枚と、自身のルーツをフロントマンの小池貞利(vo,g)に語ってもらった。

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■自分としてはEPやミニミニアルバムって感覚

tetoのようなバンドは現代のシーンで珍しいですよね。

小池:そうなんですよねぇ...って自分で言うのも変な話なんですけど(笑)。

ー今回は初インタビューということもありますので、小池さんのルーツから振り返っていただけますか?

小池:最初に衝撃を受けたのは姉の車の中で聴いたGOING STEADYでした。確か16年くらい前なので、GOING STEADYが解散するかしないかのタイミングだったと思います。そこからパンクにハマって、日本ならブルーハーツ、海外ならクラッシュなどを遡って聴くようになりました。あと90年代のオルタナティブ/グランジも好きでしたね。

ーそうなると自分でもバンドが組みたくなりますよね。

小池:それがそういう気持ちにはならなかったんですよね。バンドは特別な人間がやるもので、あくまでも自分は聴く側、観る側という意識が強かったんです。周りの友達がライブハウスに出るということで誘われて観に行くことはありましたけど、"自分もやってみよう"とは考えなかったです。ようやく高校3年生のとき、知り合いのバンドからベース&ヴォーカルが脱退したタイミングで急遽誘われて、それが僕の初バンドでした。そこからベース&ヴォーカルで3年ほど活動していましたね。tetoのドラマーでもある福田(裕介)も在籍していて、ファストコアみたいなオリジナルをやっていました(笑)。そのバンドが終わって数年間のブランクを経て、2016年の1月に結成したのがtetoです。メンバーそれぞれ好きな音楽はバラバラで、ギターの山崎(陸)はハードロックも聴くし、ベースの佐藤(健一郎)はヒップホップも聴きますし。ドラムの福田は...何を聴いているんだろう? 不思議な奴なんですよね。あんまりメンバー間で深く音楽の話をすることはないんです。

ーギターを手にしたのは?

小池:tetoを始めてからです。だからギター歴3年程度であまり詳しくないので申し訳ないんですけど(笑)。メインで使っているジャズマスターはハードオフで5万円程度だったんですけど、気に入っていてライブ、レコーディングでもメインです。他にはテレキャスターやムスタングも持っています。

ーその辺りは90年代のオルタナティブ、グランジからの影響もあるんですか?

小池:そうかも知れないですね。あとフェンダーのギターは繊細な表現ができる印象があるんです。

ー2017年8月の1stミニアルバム『dystopia』以降、安定したペースでリリースがありますよね。昨年9月の15曲入り1stフルアルバム『手』から約半年のスパンで、今回の2ndシングル『正義ごっこ』も届きました。

小池:常に曲を書いているタイプではあるんですよ。滞り無く作品を出せているのは良かったと思います(笑)。『手』のリリースツアーは12月の上旬に終わったんですけど、今回のシングルに収録している4曲も12月中には出来ていて、年明けの1月にレコーディングしましたね。

ー小池さんの場合、デモはどの程度作り込むんですか?

小池:大まかなリズムパターン、ベースライン、ギターのフレーズ...とにかく一通り自分で打ち込んだデモをメンバーに送ります。ベースはギターよりも前にやっていたので、キッチリ作り込むこともありますね。僕の中で"こういうアレンジにしたい"という方向性が見えている以上は、このやり方が今は最も効率的だと思うんです。

ー1stシングル『忘れた』よりも、バラエティに富みつつトータリティも高いシングルですね。

小池:単純に今回は曲を作った時期とレコーディングが近かったので、言いたいこと、伝えたいことが一緒だったんだと思います。自分としてはミニミニアルバム、EPっていう感覚が強いですね。

ー『手』のレコーディングと同様、使用したスタジオはFREEDOM STUDIO INFINITYSOUND CREWMajix Studioですか?

小池:今回はSOUND CREWSound Valleyの2スタジオでしたが、 "壮大なドラムの音がほしい"っていうときは天井の高いスタジオを使おうとエンジニアさんとも話していました。

ーエンジニアは今回もSIGN SOUNDの近藤(圭司)さん?

小池:はい。『dystopia』からずっとレコーディング、ミックスをお願いしているので、具体的な言葉にしなくても僕たちの出したい音、録りたい音を理解してくれているのが頼もしいし、嬉しいですね。

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■歪んだ音の中で澄み切った音がうっすらと鳴っているのが好き

ー1曲目の「夜想曲」はエグいノイズで幕を開けますね。

小池:あれは僕がシンセサイザーのツマミを適当にいじりながら作りました。インパクトもありますし、tetoとしてはやったことのない手法だったので。

ーあの印象的なギターリフは小池さんの手癖から生まれるものなんですか?

小池:そうですね。ああいうのは手癖で出てきます。

ーベースサウンドも相当歪ませていますね。

小池:デモの段階からイメージがありました。全編通して歪ませても良いんじゃないかってくらいで考えていました。

ーBメロの刻みのギターも良いですね。

小池:自分たちとしても面白かったです。あれもデモの段階から僕が入れていたんですけど、レコーディングの段階で"もっと細かく刻めるんじゃないのか?"っていう話になって。

ー中盤で3拍子になるアレンジは意表を突かれました。

小池:重たく暗い流れの中で、フワッと軽やかに、明るくなるポイントが作りたかったんです。あの部分はギターサウンドもクリーントーンにリバーブを掛けて、キラキラとした感じを出しています。

ーその3拍子からブリッジを設けての半音上げ転調はテンションが上がります。

小池:3拍子のアレンジとおなじで、夜から抜け出して、明るい方向へ向かっていく感じで曲を終わらせたかったんです。あのブリッジを設けたことでベタ過ぎない感じの半音上げ転調になったと思います。

ー「ラムレーズンの恋人」も新鮮に響きました。

小池:もう完全にドリームポップのイメージです。ドラムとギターの音色、ビートも自分の中で固まっていました。1年くらい前に聴いていたヴィヴィアン・ガールズの影響もあったのかもしれません。

ーギターソロやCメロの部分で鳴っているキラキラとしたサウンドは?

小池:あれはグロッケンです。僕が自分で演奏しています。だから良く聴くとよれていると言うか、危ういところもあるんですけど、それも上手い具合にマッチしてくれたんじゃないかと。

ーグロッケンは「時代」でも入れていますよね。

小池:弾けるようになると、やっぱり入れたくなるものなんですよね(笑)。まあ後で聴いてみて邪魔だったら無しにすれば良いやっていうくらいの感覚で。個人的に歪んだ音の中で澄み切った音がうっすらと鳴っているのが好きなんですよね。

ーメロディは少し歌謡曲的と言うか...。

小池:自分の中ではピアノ伴奏でも成立する合唱曲のようにしたい気持ちがありました。もちろんバンドサウンドでやる以上は、そんなにポップな仕上がりにはならないんですけど。

ーラストの「こたえあわせ」は紙資料に"どストレートなteto"と書かれていますが、小池さんご自身でもtetoらしさを感じる曲ですか?

小池:らしさ...というのは良く分からないんですけど、tetoとして作りやすいタイプの曲であることは間違いないです。こういうリフとリズム、言葉を詰め込んで捲し立てるヴォーカルという。簡単に何十曲でも作れてしまいそうなんですけど、逆に量産し過ぎても仕様が無いなと思いますね(笑)。

ー年内のアルバムリリースも期待して良いのでしょうか?

小池:去年、『手』のリリースツアーのファイナルで"来年も15曲入りのアルバムを作ります"って宣言しちゃったので、今も頑張っているところです(笑)。別に15曲という数字にこだわっているわけではないんですが、それだけのボリュームでしっかり起承転結の物語を付けられるのが音楽家としての理想なので。

UKCD_1181-350.jpg◆teto

◇正義ごっこ

UK.PROJECT CD

UKCD-1181 4月24日 1,620円(税込)

Interview by KENTA TOGAWA

Player

2021年9月号

定価1,620円(本体1,500円)A4判

2021年8月2日(月)発売

お求めは全国の楽器店、書店、またはWebで!

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