製品レビュー

奥田民生所有の"9 1165"を再現したコレクターズ・チョイス

GIBSON CUSTOM Collector's Choice #29 1959 Les Paul Tamio Okuda

価格 842,000円 (税抜)

 ギブソン・カスタムのコレクターズ・チョイスは、コレクターやミュージシャンが所有するギターを最新テクノロジーとスタッフの高度なクラフト技術でレプリカしてゆくシリーズだ。今回発売されるCollector’s Choice #29 1959 Les Paul Tamio Okudaは、1959年製の「sn: 9 1165」という歴史的なモデルであると同時に、日本の現役トップ・ミュージシャンの愛器のレプリカなのでミュージシャン・モデル的な意味合いも持っている。すでに『Player』2014年12月号に、“Proto 1”の写真が掲載され、インタビューではProto1と本人のsn: 9 1165の違い、3年という製作期間で発生した経年変化さえ再現している旨が語られていた。そして、今ヴェールを脱いだ、その完成品をご覧いただこう。


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▲GIBSON CUSTOM Collector's Choice #29 1959 Les Paul Tamio Okuda 価格=842,000円(VOS / 限定300本) 1,027,000円(Aged)

■数年を費やして再現された"9 1165"

 昨年秋に発売されたTamio Okuda CF-100Eに続いて、ギブソン・カスタムから日本人初のコレクターズ・チョイス・モデルとなる"1959 Les Paul Tamio Okuda"が300本発売される。 コレクターズ・チョイスは、ターゲットとなるギターが持つ固有の特徴や個体差、そしてトーンに至るまでを正確に再現したギターを製作するギブソン・カスタムの人気シリーズ。奥田民生が長年愛用してきた1959年製レスポール・スタンダード「sn:9 1165」を2011年にデジタル 3D スキャナーによって緻密に測定し、テストを含めた3台のプロトタイプを通して、ギターの特徴とトーン・ニュアンスを本人と打ち合わせながら納得のいくモデルとして完成した。発売されるのは2バージョンで、出荷当時のコンディションを再現したVOSと、現在のギターに付いているキズやパーツ類のくすみまでリアルに再現したカスタム・エイジド・モデルである。

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▲ボディのキズまで再現されているAGEDモデルのバック。50年代後半頃使用されていたアニリン・ダイにより、ボディバックのヴィンテージライクな赤を再現。

■選別された木材、ネックのシェイプ、フレットの幅まで個体差を再現

 ギターのベーシックな部分は、木目や重量、タッピング・トーンにまで拘って選別された木材をはじめ、ニカワを使った接着やアニリンダイによる生地着色といった製造工程によって完成する近年のヒストリック・コレクション・シリーズの流れを受けた仕様。1ピースのマホガニー材から削り出されたネックは、50年代スタイルのファットなラウンド・グリップからら3割ほどトライアングル方向へと肉付きを落とした形状。かつてのギブソンでは59年半ばからワイド・フレットが採用されたが、同年の前期モデルとなるこのギターにはややスリムなフレットが使用されており、使い込んだ様子を再現するために、フレット上面が広くなるようにファイリングが施されている。

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▲プロトタイプは2本製作されたが、CC#29はその2本の中間の色が採用された。そして、赤と黄色の両方が鮮やかな、その色は「OKUDA BURST」と命名され、独特の美しいカラーとなっている。

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▲59年半ば以降はフレットがやや幅広いフレットに変更されるが、このギターには59年の前半に作られたギターの特徴であるややスリムなフレットが使われている。また、やや低めにファイリングされているのも再現ポイントのひとつだ。

■奥田民生のギタリストとしてのこだわりポイントを再現

 光を強く反射する硬いメイプル材と、滑らかな印象を受けるグラマラスなアーチ形状が再現されたボディ・トップは、退色の進んだチェリー・サンバーストと飴色へと変化したトップ・コートが組み合わさった専用のオクダ・バースト(Okuda Burst)でフィニッシュされている。そしてピックアップには57クラシックをマウント。オリジナルの特徴を踏まえて、最終段階で奥田自身によって選択されたこのピックアップは、ヴィンテージ・タイプの中でもややファットで芯の強いドライブ・サウンドを作り出せる点も特徴的である。使い込まれたヴィンテージ・ギターならではの、タフな口当たりがリアルに伝わってくる。ネックのセット角は、この時期の平均的な4°。使用されているハードウェア類は、ほぼオリジナルの仕様だが、ブリッジを上下するサムナットは演奏時にずれないように2重にセットされ、割れやすいジャック・プレートはメタル・パーツへと交換されている。また、ボディ裏側に開けられたコントロール・キャビティ内には、特殊なルーティング跡や生地着色の様子、そしてオリジナル・ギターのシリアル・ナンバーが記された様子が確認できる。

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▲ピックアップは奥田氏の意見を取り入れ57クラシックを採用。金属パーツはややくすんだくもりを再現している。トップの弾ききずも再現されている。

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▲ストラップ・ピンとジャック・カバーは、奥田氏が愛用しているアルミ製のパーツが採用されている。

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▲コントロールパネル内部にはバンブルビーのオイルコンデンサーと59年製のシリアルナンバー「9 1165」のスタンプが押印されている。また、吹き付けられたアニリンダイの塗料の下地も見ることができる。 (★写真/楽器ソムリエ)

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▲Agedモデルのボディバック

※本記事は2015年5月時点の情報です。

《SPEC》 GIBSON CUSTOM Collector’s Choice #29 1959 Les Paul Tamio Okuda 価格=842,000円(VOS ) / 1,027,000円(Aged) ■Body : Unique Figured Maple top, Genuine 1 Piece Mahogany Back ■Neck : 1 Piece Genuine Mahogany neck with maple spline (Vintage trussrod) ■Fingerboard : 1 Piece Indian Rosewood ■Inlay : Aged Cellulose Trapezoid ■Nut : Nylon ■Tuners : Reissue Kluson Deluxe ■Tailpiece & Bridge : Lightweight Aluminum ABR-1 with Thumbwheels ■Pickups : 57 Classic ■Headstock : Reissue Holly Head Veneer with Pearl Gibson Inlay ■Hardware : Nickel ■Knobs : Gold Top Hats ■Finish : Okuda ‘Burst Top, Aniline Dye Back and sides ■Collateral : Certificate of Authenticity ■Run : Limited Edition of up to 300 (Aged and VOS)

製品情報

GIBSON CUSTOM Collector's Choice #29 1959 Les Paul Tamio Okuda

価格 842,000円(VOS ) / 1,027,000円(Aged) 円(税抜)

問い合わせ :
GIBSON GUITAR CORPORATION JAPAN カスタマーサービス
http://www.gibsoncustom.com

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