▲DIGITECH Trio 価格=34,500円(税抜)
■ギタリストのための「使える」自動伴奏ツール。それがデジテックのトリオ
電子キーボードなどには、自動伴奏機能がついている製品があり、キーボードの世界では常に一定の人気がある。90年代、00年代には自動伴奏機能を持つPCソフトが登場したり、その機能をギター向けに単体の製品として登場したこともある。しかし、そのほとんどがコードなどの入力に手間がかかったり、自動の伴奏自体がいまひとつ冴えたものではない、など普及しなかった。
今回登場したデジテックのトリオは過去の自動伴奏ツールとは一線を画した製品。コードの入力が簡単で、冴えた自動伴奏をつけてくれる、まさにギター用自動伴奏ツールのエポックメイキング的な製品である。
■たった2つのプロセスで自動伴奏をクリエイト
デジテックのトリオは
この2つの動作だけで、冴えた自動伴奏をクリエイトできるのだ。
この動作はギタリストにとってはループ・エフェクターなどに似たプロセスだ。トリオの場合、瞬時にコードとテンポを分析し、予めプレイヤーが選択していたミュージックジャンルとスタイルに沿った自動伴奏をつけてくれる。
■簡単な入力だけで、実に優秀なベーシストとドラマーが伴奏してくれるかのような・・・
今回GAKKIソムリエでは動画を用意しているので、その動画をご覧いただいた上で以下を読んでいただくとスムースにご理解いただけます。
ギタリストはコード進行をある程度ラフに弾くだけで、その演奏を瞬時に自動でコード進行とテンポを分析してくれる。
動画の前半部分でデモンストレーターの平野真吾氏は
■7つのミュージック・ジャンルと12のスタイルを装備
動画の前半部分ではシンプルなコードながらいきいきとしたベースのライン、軽快ながら抑揚あるドラムで、とても自動で生成された伴奏には思えない演奏だ。また、ベースとドラム、それぞれのボリュームやテンポも変えられる。
なお、この動画は左チャンネルにベースとドラム、右チャンネルにギターとして収録されているが、ステレオ・ケーブルを使用すればベースとドラムの伴奏がステレオとなる。
自動伴奏は下記の7つのミュージック・ジャンル
を装備している。
そして、それぞれに12のスタイルが用意されているため、自動で生成されるとは言っても、人工的な印象はなく、ベーシストとドラマーが実際に伴奏してくれるかのようなフィーリングだ。
■トリオでセッションするだけでなく、トリオとセッションする感覚での演奏も
今回の動画の中盤部分(1:36~)では、平野氏により高度なデモンストレーションをお願いした。
これは3コードを元としているがテンション・コードを使った、やや難しいコード進行である。トリオの優れている点はコードが難しくなるとそれに伴って、伴奏もより高度な伴奏になり、さらに生き生きとした演奏を行う点である。平野氏はこの動画の中で、単に自分が演奏するだけでなく、ベーシストのラインを立てて、その演奏に絡みつくようにギター・ソロをかぶせている。
動画では3:53~さらに高度な使い方にトライしている。これはコードのデータは先の1:53~の曲と同じデータを使っているのだが、全く別のジャンルとスタイルに変更。このように曲の"解釈"を変更すると、ギタリストとしてのイマジネーションはさらに刺激され、トリオとのセッションは熱を帯びる。人前でのパフォーマンスということでなく、自分の楽しみとして、トリオとセッションする使い方も有効だ。ぜひ動画は最後までご覧いただきたい。
■本体に3つの伴奏をメモリー。フットスイッチの使用でさらなる可能性。
トリオには自動生成された伴奏を3種類メモリー可能だ。このメモリーは別売りのフットスイッチFX3Xを使えば足元でメモリーを切り替えられる。つまり、予め「イントロ/エンディング」「Aパート」「Bパート」のように、それぞれのメモリーを作り、演奏中に切り替えることで、簡単に、より優れたパフォーマンスをすることもできる。
自動伴奏のツールというと何か難しい印象があるかもしれない。しかし、トリオは実に簡単な操作で、冴えた伴奏をつけてくれる。ライブ・パフォーマンスで使うだけでなく、自宅でトリオとのセッションでも楽しめるツールだ。トリオを使って、いつでも伴奏があるギタープレイをお楽しみいただきたい。
※本記事は2015年7月時点の情報です。