製品レビュー

自宅でのギター演奏がさらに楽しくなるローランド・ギターアンプ『ROLAND CUBE-Lite』

ROLAND CUBE-Lite

価格 オープンプライス

 ローランドのキューブ・シリーズ・ギター・アンプの歴史は長く、ベスト・セラーとなった初代モデルの誕生から、なんと35年に及ぶ。その伝統のキューブを、自宅でのギター・プレイに用途を特化してまとめ上げたのがこのアンプだ。

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ROLAND CUBE-Lite 価格=オープンプライス

■CUBEヒストリー

 ギター・アンプとしては類を見ないほどのロング・セラーになっているJC-120が発売40周年を迎える。キューブ・シリーズもそれに劣らず、初代モデルがセンセーショナルにデビューしてから35年に亘る歴史を持っている。

 初代モデルは40ワットの出力を備え、10インチ・スピーカーがギリギリ収まるコンパクトな、それも"キューブ型"のキャビネットを採用。黒を基調とした外観が一般的だったアンプ・シーンにおいて、ホワイトとオレンジというユニークなカラー・バリエーションを持ったトーレックス仕上げだった。それがクランチに歪むウォームなサウンドと併せて大ブレークした。

 当時人気だったイーグルスがツアーでこの40Wモデルをステージに山積みしたことも有名な話で、国内の楽器店の雑誌広告でもこのモデルを山積みにした写真を掲載して話題になった。

 その後12インチ・スピーカーと60ワットのパワーを備えた上位モデルや、ベース用、キーボード用とバリエーションを広げていく。現在ではプリアンプ部にモデリング技術を採用したモデルや電池駆動のストリート用など、豊富なラインナップとなっている。

■デスクトップに最適なコンパクト・デザイン

 外観上印象的なのがコンパクトなデザイン。重量も僅か1.8Kgなので、片手で充分に持てるほど軽量だ。基本的に床に置くよりも、デスクやテーブルの上で使うことが前提となっているのだが、その理由はデスクトップで使う方が耳に近くステレオ感を十分に感じられるためである。

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▲斜め上から見た本体。

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▲本体背面。コンパクト・サイズで邪魔にならないスタイリッシュなデザインも魅力である。

 軽量・コンパクトでありながら、お洒落で高級感さえ溢れるルックスも特徴である。ブラックの他にスタイリッシュなレッドとホワイトのカラー・バリエーションも用意されているので、部屋のインテリアや好みで選べる。

 L/Rそれぞれ3ワットのステレオに、サブ・ウーファー4ワットの"2.1"チャンネルとなっており、合計パワーはトータル10ワット。ギター・アンプでありながら、フラットなフルレンジの特性を備えているので、iPhoneやCDプレイヤーでオーディオ・ソースを再生しても気持ち良いサウンドだ。また、2.1チャンネルの恩恵により、聴感上はスペックの数値からは想像できないほどの迫力がある。一般的な小型ギター・アンプの外部入力端子を使用した場合とは、全く別次元と言えるほどに一線を画すクォリティだ。

■上質なギターアンプ

 再生機としてみると、コンポなどのオーディオ機器と同様にかなりフラットな特性を備えたフルレンジな製品だ。しかしギターをつないだ際には、ローランド独自のモデリング技術"COSM"により、自然で心地良いギター・サウンドを生み出す。

 3つのアンプ・タイプを選択するスイッチと、ゲインを調節するドライブ・ツマミ、マスター的な使い方となるボリュームとベース/トレブルの2バンド・トーンコントロールというシンプルな構成だ。さらに空間系エフェクトをコントロールするコーラス/リバーブ・ツマミを装備している。

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▲シンプルにまとめられたコントロール・パネル

 アンプ・タイプのセレクト・スイッチ上のLEDがグリーンに点灯している時が"JCクリーン"モード。その名の通りJC-120を彷彿とさせるレンジの広いクリーン・サウンドが得られる。ただしパワーアンプがクリップするほどボリュームを上げても、すっきりとしたクリーン・サウンドを保持している点は特筆すべきだろう。

 LEDがオレンジ色に点灯するのが"クランチ"モードなのだが、ゲインの可変幅が大きく、幅広いオーバードライブ・サウンドを作り出せる。ブルージィなギター・サウンドから、ディストーションに近い歪みまで自由自在。トータルな音質的には真空管コンボ・アンプのイメージだ。

 赤色にLEDが点灯した状態は"エクストリーム"モードとなり、一気に"HR/HM"系のハイゲイン・サウンドへと様変わりする。この際にも"2.1"チャンネル仕様の威力は絶大で、4×12インチ・スピーカーのキャビネットを鳴らしているかのような、豊かな低音域と"面"で鳴る感じが再現されている。

 2バンドのトーン・コントロールは絶妙にチューニングされており、どのモードでも使い易く効いてくれる。一般的なホームユースの小型ギター・アンプのように"ディストーション・ペダルを内蔵"と言った感じではなく、心地良いギター・アンプとして鳴ってくれる。

 内蔵エフェクトについても"2.1"チャンネルのステレオ効果が発揮され、広がりのある気持ち良いサウンドだ。コントロール・ツマミは"OFF"から始まり12時の位置までがコーラスの深さを、それを過ぎるとリバーブのコントロールとなる。コーラスではレイトとデプスが、リバーブではエフェクト・レベルが連続可変となっており、実用的で使い易い。

■"i-CUBE LINK"端子

 リアパネルには"iキューブ・リンク"と名付けられた端子があり、フロントパネルのボリュームとは独立して調節できる入力レベル・コントロールを備えている。一般的な外部入力端子としてポータブル・オーディオ・プレイヤーなどを接続して、ギター・サウンドとミックスが可能だ。

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▲"i-CUBE LINK"端子。ステレオの外部入力としても使用可能。フロント・パネルのボリュームとは独立したレベル・コントロールを備えている。

 本機にはiPhoneなどの付属純正ヘッドホンと同じタイプのミニ4P(一般的なステレオは3P)端子を備えたケーブルが付属している。

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▲4Pのミニ・フォーン・ジャックを両端に備えた付属のケーブル。iOSデバイスと接続すれば簡易なオーディオ・インターフェースとして機能する。

 このケーブルを使うことにより、この端子は単なるオーディオ信号の外部入力としてだけでなく、iPhoneなどのiOSデバイスに対するオーディオ出力としても機能する。つまり簡易なオーディオ・インターフェースとなるのだ。

 さらにAppStoreから無償でダウンロードできる"キューブ・ジャム"というアプリをインストールして本機と使うことで、この端子の活用方法は大きく広がる。

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▲AppStoreから無償でダウンロードできる"CUBE JAM"アプリ。CUBE Liteを一段と幅広く活用して楽しむことが可能だ。

 iOSデバイスの"ミュージック"アプリに入れて普段聞いている、AACやMP3の楽曲を簡単にインポートすることで、用途に応じた様々な再生スタイルが楽しめる。

 ピッチを変えずに再生スピード、つまりテンポをオリジナルの半分から1.5倍の速さまで変えることができるので、早弾きのフレーズをコピーする際は勿論のこと、目まぐるしく変わる複雑なコード進行を拾う時などにも重宝する。範囲を決めてリピートさせることも可能だ。

 反対に再生スピードを変えずに、ピッチだけを変える機能も備えている。これはカバー曲などで男性ボーカル曲を女性が歌うとか、楽曲そのものを転調するような場合に、元キーの音源資料を使えるので非常に実践的だ。

■"CUBE JAM"の録音機能を活用

 このアプリは"センター・キャンセル"機能も備えており、ステレオのセンターに定位されているリード・ギターやボーカルを消すことが可能だ。極端にリバーブなどのエフェクトがかかっていない音源であれば、かなり効果的に使える。

 また録音機能があるので、テンポ・コントロールを使って練習したメロディやソロを、オリジナルの音源をバックにしてすり替えることも可能だ。ボーカル曲をインストゥルメンタルにするのも面白いだろう。さらに"ミックスダウン"機能を使えば、別なメロディ・ラインなどをオーバーダブすることもできる。

 このようにして作った自分だけの音源の保存・再生は勿論のこと、MP3ファイルとしてメールに添付したり、ネット上にアップロードすることも簡単にできる。著作権の問題はあるものの、これをPCを使わずにiOSデバイスだけでしまうのは驚きだ。

 iPhoneなどに収めている音源を、自室で気持ち良くリスニングしたり、それに合わせてギターを弾いたり、テンポを落としてコピーするなどの練習ツールとして...。さらにはセンター・キャンセル機能でマイナス・ワンにした音源に自分のプレイをミックスして新しい音源を作るなど、本当に様々な活用法が考えられる。新しいコンセプトによるパーソナル・モニター/ギターアンプである。

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▲付属のACアダプターはPSD-100というモデルだ。エフェクターなどで一般的なPSA-100とは、同じセンター・マイナスだが出力電圧などが異なるので、必ずこの付属品を使う必要がある。

※本記事は2015年7月時点の情報です。

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【GAKKI ソムリエ / 試奏動画】ROLAND Cube Lite

デモンストレーター/平野真吾

製品情報

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Tel.050-3101-2555 

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