▲FREEDOM CUSTOM GUITAR RESEARCH RRS-Bravery (価格=オープンプライス)
■ボディのアウトラインはトラディショナルなギターを意識したオリジナル・シェイプ
RRSブレーヴァリー、RRシリーズのボディのアウトラインは、レスポールなどにインスパイアされたであろうシングルカット。しかし、サイズやパーツの位置関係を見てみると、ネック側のストラップピンの位置、ボディトップのコンター、ネックポケットの切れ込みなどオリジナルの仕様を採用している。また、ギターを抱えるとフェンダー系のギターに近い重量バランス、フィット感であることがわかる。つまり、アウトラインはギブソン系を、重量バランスはフェンダー系を参考としたユニークなデザインといえる。
RRSブレーヴァリーは、ボディ材にアルダー2ピースまたはライトウェイト・アッシュ2ピースが選択可能。
▲写真のモデルはライトウェイト・アッシュ2ピース。ニューカラー葉擦れの色彩とのマッチングは、風になびく新緑を思わせる。
従来のRRシリーズはギブソンなどに用いられるセットネック構造であるのに対して、RRSブレーヴァリーはフェンダーなどで用いられるデタッチャブル・ネック構造を採用。さらにネックプレートを使わない独自の4点止めで、軽くエッジを落とすことで演奏性を向上させている。
▲デタッチャブル・ネックジョイント部。ネック側、特にネックポケット側が滑らかにカットされている。
ネック材はメイプル1ピース、指板材はローズウッド、22フレット。フレットには錆びにくいステンレス製ながらニッケル・シルバーを思わせる響きやフィーリングのF.C.G.R.のステンレス・フレット「WARM」を採用している。中でもこのSP-SF-05 WARMはやや幅広く、高さのあるタイプ。そして、スケールは、ハイドラで使用されて以来サウンドと弾きやすさを両立していると評判の25インチ(317.5mm)を採用している。
また、RRシリーズに標準仕様として装着されている、F.C.G.R.オリジナルパーツである"ロッカブル・ブリッジ"はブリッジ本体をサムナットと専用ロックキャップで挟みこんでロックする機構となっており、従来のABR-1タイプのブリッジにおける悩みの種でもあった、弦高などのセッティングへの影響を気にすることなく、弦交換をスムーズに行える。
※ロッカブル・ブリッジは単体での販売も行っている。
▲ローズウッド指板。21フレット仕様、ステンレス・フレットを採用。同社の得意とする25インチ・スケールだ。
ピックアップはソープバー・タイプのシングルコイルの"F-90"と、レスポールなどに搭載される一般的なハムバッカーと同じサイズにリファインされた"ハイブリッド・ハムバッカー9.9mm ピッチ"が選択可能。オーダーシステムにおいて、F.C.G.R.ならではのフレキシブルな選択肢は、どれにするか悩ましいポイントでもある。今回はフロントにF-90、リアにハイブリッド・ピックアップを搭載したモデルを取材した。
F-90は新開発のピックアップで、ソープバー・タイプらしいミッド・ロー部分に太さを持ったシングルコイルのサウンド。ハイブリッド・ハムバッカーは、タップ・コントロールによりシングルからハムバッキングまで無段階に調節できる仕様。
▲オーダー時にはF-90とハイブリッド・ハムバッカー(9.9mm ピッチ)の選択が可能。
このF-90(フロント)とハイブリッド・ピックアップ(リア)を組み合わせた場合、左図のようなコントロールとなる。特にリアに搭載したハイブリッド・ハムバッカーは、タップコントロールによりシングル~ハムバッキングをシームレスに可変させることが可能なので、自由度の高いサウンドメイクが楽しめる。その上、フロントのF-90とのハーフトーンも可能なため、トラディショナルなギターを彷彿させるサウンドから、"ハイブリッド・ハムバッカーの中間位置+ソープバー・タイプのミックス・サウンド"のような、このギターだけのサウンドメイキングも楽しめる。
▲フロント / リアともにハイブリッド・ハムバッカーを搭載するオーダーも可能。この場合、コントロールもそれに準じて1 マスター・ボリューム/1 マスター・トーン/2 タップ・コントロールとなり、タップコントロールによる音作りの幅はさらに広くなる。
■RSSブレーヴァリーから登場したニューカラー"響"シリーズ
F.C.G.Rにはユニークなネーミングのカラーが多いが、RRSブレーヴァリーのリリースと同時期に、ニューカラーが7色ラインナップされた。メインに取材した"葉擦れ"の他、"笹鳴き"(ササナキ)、"蝉時雨"(セミシグレ)、"虫の音"(ムシノネ)、"初音"(ハツネ)、"さえずり"(サエズリ)、"せせらぎ"(セセラギ)が用意されている。これは"響"シリーズと名付けられ、漢字のネーミングが表すように、感覚的に日本人の琴線に触れるようなデリケートな色彩である。
左上:笹鳴き 右上: 蝉時雨 左下: 初音 右下: 虫の音
RRシリーズ、RRSブレーヴァリーともにトラディショナルなギターをリスペクトしつつもも、F.C.G.R.のオリジナル度が高いモデルに仕上がっている。トラディショナルなモデルを意識しつつも現代のプレイヤーたちのニーズを反映し、全く新たなオリジナル・モデルとして完成させている。
※本記事は2015年9月時点の情報です。