RS GUITARWORKS Bakersfield Custom/CGR 価格=464,400円(税込・ハードケース付)
■ヴィンテージに精通したギター・メーカー
RSギターワークスは、アメリカ・ケンタッキー州ウィンチェスターに拠点を置くギター・メーカーである。ヴィンテージ・ギターのレストアやリペア、そして外部ギター・メーカーをはじめとするエイジド加工の受注などを長年行うことと並行して、そのスキルを活かしたオリジナル・モデルをリリースするようになった。ヴィンテージ・ギターのテイストを反映させたサウンドや仕上がりをはじめ、ギター・マニアのハートをくすぐる遊び心のあるレトロなデザインが高い評価を得ており、アメリカをはじめ日本でも着実にファンを増やしているギター・メーカーである。
■KEY新宿店のこだわりが詰まったカスタムオーダー
そうしたRSギターワークスの魅力に着目したショップのひとつがミュージックランドKEY新宿店である。既存モデルを多数取り揃えると共に、カスタムオーダーも積極的に行っており、そのラインナップはマニアックなギター・ファンからの注目を集めている。この度、KEY新宿店がスペシャルオーダーしたモデルがこのベーカーズフィールド・カスタムCGRである。
■アメリカン・テイストが凝縮されたデザイン
同社の定番モデルであるオールド・フレンド・スラブ・ベーカーフィールドを元に、ロカビリーやアメリカン・カーなどのテイストを詰め込んだデザインが特徴である。煌びやかさと深みが同居したキャデラック・グリーンは、このギターのために独自にブレンドされたカスタム・カラー。バウンド加工されたボディに、厚みのあるゴールド・カラーのピックガード、ロカビリー・ギターでは定番のピックアップを組み合わせている。適度に使い込まれた状態を再現したエイジド加工も見事で、こうした絶妙なデザイン・センスはRSギターワークスならではと言える。
▲絶妙なグリーンにフィニッシュされたボディ。パーツなどのエイジド加工にも注目。
■木材へのこだわり
RSギターワークスは木材へのこだわりの高さに定評がある。独自のルートで仕入れた木材は、重量や密度、特性を把握した上で、それに相応しいギター/ベースに使用される。さらにシャープなボディ鳴りを追求した結果、このギターは2ピース・ボディはセンターではなく1弦付近で貼り合わせるオフセット仕様を採用している(最近ではセンター2ピース仕様のものもある)。ギター全体の重量は約3.35kgと、ソリッド・ボディながらも軽量さを実現している。
▲このギターのボディはセンターではなく、1弦付近でアッシュ材を貼り合わせた2ピース構造を採用。少し色が異なる部分が貼り合わせている位置である。
▲メイプル・ネックは63Cと名付けられた、厚みのあるラウンド・シェイプに仕上げられている。
■エレクトロニクス・パーツへのこだわり
ピックアップは、フロントにTVジョーンズ製のフィルタートロン・タイプ、リアにマグネットを指定して通常よりややゲインアップでオーダーしたリンディー・フレーリン製シングルコイルを搭載している。さらにポットとキャパシターは、抵抗値などの特性をチェックして、このギターに最も適した同社オリジナルを使用。個々の電気パーツに関しても、完成したギターの特性に合わせて吟味している点が同社のこだわりである。
▲TVジョーンズ製フロント・ピックアップ。エスカッションの素材にも注目。
▲リア・ピックアップはリンディー・フレーリン製。マグネットや出力などRSギターワークスのオーダーの元に製作されたもの。
■軽快で歯切れの良いサウンド
まず、生で弾いた感触はホロウ・ボディのギターを弾いているようなボディ鳴りを実現している。プラグインしたサウンドも生鳴りのニュアンスを残したトーンが特徴で、ボリューム・アップしていくにつれてゲイン・アップするというよりも、徐々に音が太くなるような印象である。トーン・ノブの効き具合も良く、ノブの位置が中央を過ぎたあたりからグッとトーンがシャープに変わる感じが使いやすい。アコースティック感の強いフロントと、歯切れの良いリアとの組み合わせが生み出すトーンは、やはりカントリーやロカビリー、ロックンロールといった軽快な音楽ジャンルに最適と言える。
▲フレットは弾きやすさを追求し、ミディアム・ジャンボ・サイズのジム・ダンロップ6105を採用。
▲トーンの効きも良く、幅広いニュアンスのサウンドを生み出す。金属パーツのエイジド加工にも注目。
RSギターワークスは国内流通が開始された早々から取り扱ってきました。ギターはTLタイプのスラブ・シリーズ、ベースはPBタイプのコンター・ベースをメインで揃えており、並行してカスタムオーダーも積極的に行っています。カスタム・カラーはこちらで添付したサンプル通りに上がってくるので助かっていますが、毎回微妙にカラーのニュアンスが異なるで、それは味として捉えています。また、現代的に弾きやすい高めのフレットを搭載しているのですが、ヴィンテージらしい鳴りをするのがこのブランドの魅力ですね。いわゆる"バカ鳴り"する感じはこのブランドならではだと思います。当店でRSギターワークスをお求めのお客様は音で選ぶ方が多く、特にセッション系のプレイヤーにご好評をいただいております。弾き比べができるように常時なるべく本数を揃えるようにしていますので、ぜひ店頭でお試しください。 |
※本記事は2015年9月時点の情報です。