製品レビュー

ポールが使用したユニオンフラッグ500/1をHCTシリーズで再現したヘフナー

HOFNER Limited HCT 500/1 Union Flag

価格 135,000円 (税抜)

■ビートルズ・サウンドに欠かせない、そして現代の音楽でも愛用されるアコースティックなサウンド

 ヘフナーからユニオンフラッグ(英国旗)をボディ・トップにペイントしたヴァイオリン・ベース"リミテッド HCT 500/1 ユニオンフラッグ"が登場した。これは日本のヘフナー・ベース・ファンに向けて輸入販売元が独自にオーダーした200本のリミテッド・モデルである。

hofner_5001UJ-1▲HOFNER Limited HCT 500/1 Union Flag 価格=135,000円(税抜)

 通称ヴァイオリン・ベースで知られるヘフナーの500/1を語る上で、デビュー当時から愛用してきたポール・マッカートニーの存在を欠かすことはできない。

 ポールが生み出すベースラインはメロディックで、サウンドもリッチだ。ビートルズ・ファンのみならず、数えきれないベーシスト達に大きな影響を与えている。日頃、ソリッド・タイプのベースをプレイしているベーシストでも、アコースティックなサウンドが必要な際にはヘフナー 500/1にこだわるベーシストも少なくない。まるでアップライト・ベースのニュアンスを取り入れたような独特のアコースティックさがあり、現在のエレクトリック・ベースの中でも異彩を放っている。

■モチーフは「ダイヤモンド・ジュビリー」で使用した500/1

 2012年6月4日、ロンドンのバッキンガム宮殿で、エリザベス女王の即位60周年記念式典「ダイヤモンド・ジュビリー」の一環として行われたコンサートでポールが手にしていたのが、ユニオンフラッグ・ベース。ボディ・トップ全体にユニオンフラッグがペイントされたヴァイオリン・ベースは、ポールのファンには強く印象に残っただろう。

 その時ポールが手にしていたのは、彼のために1本だけヘフナー社が作ったベースだが、あまりにも大きな反響に応え、その後、120本(イギリス国内60本 全世界60本)が限定生産された。今回紹介するリミテッド HCT 500/1 ユニオンフラッグは、日本の輸入代理店がオーダーした200本限定のリミテッド・モデルである。

hofner_5001_uj-3ボディ・トップ全体にユニオンフラッグがペイントされている。ユニオンフラッグは国旗であると同時に王室旗でもある。今回はエリザベス女王の即位60周年記念式典「ダイヤモンド・ジュビリー」用のモデルなので、王室旗としての意味合いが強いようだ。

hofner_5001_uj-9500/1のピックガードは、パール柄のセルロイド素材から作れており、外周部分はブラックに塗られている。ブラケットを使ってボディ・サイド方向から取り付けられているため、ピックガードを外した時にも、ボディ・トップにネジ跡は残らない。ピックガードの下側とブリッジの間は細い金属ピンで結ばれ、両者が動くことを防いでいる。

■HCT 500/1を基にユニオンフラッグ・グラフィック

 リミテッド HCT 500/1 ユニオンフラッグは、同社のHCT 500/1を基に、ボディ・トップにユニオン・フラッグを、サイド/バック及びネックをブルーにカラーリングしたモデルだ。参考までに以前生産されたドイツ製のモデルはトップのホワイトの部分とサイドとバックがナチュラルであった。

 ヴィンテージ・モデルでは製造年によって仕様が異なる500/1だが、HCT 500/1は1960年代半ばの特徴を意識してデザインされている。

 ローズウッド/メイプル製のネックやプライウッドのスプルース/メイプル製ボディといった仕様は伝統的なヴァイオリン・ベースを踏襲している。

 ナット部42ミリ幅に設定されたネックは、30インチ(76cm)のショート・スケールで、ハイポジションでもネック幅はスリムに加工されている。ホロー構造のヴィンテージ・モデルとは異なり、プレス加工によって表裏がアーチ形状へと加工され、内部に軽量のスプルース材を使ったセンター・ブロックを配することで、よりはっきりとした音像とサステインを備えている。

hofner_5001_uj-7スリムで小型のヘッドストック・デザインもまたヘフナー・ベースの魅力だ。ロゴはヴィンテージ・スタイルのデカール製、トラスロッド・カバーにはベースとなったHCT 500/1と同じコンテンポラリー・シリーズの文字が印刷されている。0フレットに3プライのプラスティック製ナットが組み合わされることもヘフナー・ベースならでは。

hofner_5001_uj-8ヘフナー HCTシリーズはドイツ・ヘフナー社のスペック・シートに基いて中国で生産されている。ヘッドストックの裏側にドイツのヘフナー直系を示す"ヘフナー・デザインド・イン・ジャーマニー"の文字が入っている。チューナーは、ヴィンテージ・ヘフナーに使われていた小型のオープン・タイプを試用している。

hofner_5001_uj-6ローズウッド製のブリッジは、アーチトップ・ギターと同様にベース・プレートに取り付けられたサムナットを回すことでブリッジ本体が上下する。ブリッジサドルの代わりに短く切ったフレットを使っているのもヘフナーの特徴で、ブリッジ上にはイントネーションを考慮した4本のフレット用溝が作られている。

 その外観から「ステップル」(「コ」の字型の針やホッチキス)の名称で知られるピックアップは、ドイツで製造されたヘフナー・オリジナルのヴィンテージ・タイプで、2つのボビンを備えたハムバッキング構造になっている。2つのピックアップのマウント位置の間隔が大きく開いているため、同じピックアップを搭載していても、それぞれのトーンキャラクターが異なっている。

hofner_5001_uj-4その外観からステップル(ホッチキス)の名称で知られているヘフナー・オリジナルのピックアップ。2つのボビンが内蔵されたハムバッキング構造。このピックアップはドイツ製だ。ヴィンテージ・スタイルのスモール・リングは、サイドに埋め込まれたスクリューを使い、ピックアップを固定している。

 パネルに組み込まれた独自のコントロールもヘフナーの魅力だ。パネルには、各ピックアップのボリュームに加えて、3個のスライド・スイッチが組み込まれている。リズム/ソロは、メロウなトーンとやや抑えたボリュームへと切り替えるためのトーン・スイッチ。そして2つのピックアップのオン/オフ・スイッチだ。

 このスイッチは工夫次第で面白い使い方ができる。仕組みとしては、ベース/トレブルの各ピックアップがオンの位置で逆側のピックアップがオフとなる。両ピックアップをオンにすると音は出なくなるが、両ピックアップをオフ、トーンをソロ側にしておくことで、2つのボリュームをブレンドして自由なトーンを作り出せる。

hofner_5001_uj-5ヘフナーならではのスライド・スイッチを使ったピックアップ・コントロール。各ピックアップのボリュームに加えて、ハイカット・フィルターとなるソロ/リズム・スイッチ、ピックアップ・スイッチは、ベース・オンの時にブリッジがオフ、トレブル・オンの時にネックがオフとなる。

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※本記事は2015年10月時点の情報です。

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HOFNER Limited HCT 500/1 Union Flag

価格 135,000 円(税抜)

ヘフナーからユニオンフラッグ(英国旗)をボディ・トップにペイントしたヴァイオリン・ベース“リミテッド HCT 500/1 ユニオンフラッグ”が登場した。これは日本のヘフナー・ベース・ファンに向けて輸入販売元が独自にオーダーした200本のリミテッド・モデルである。

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