製品レビュー

ボス・ハイゲイン系エフェクター BOSS MT-2/ML-2/MD-2を比較検証!

BOSS
MT-2 Metal Zone
ML-2 Metal Core
MD-2 Mega Distortion

価格 各オープンプライス

 ボスの歪み系エフェクターと言うと、オーバードライブ、ディストーション、ブルースドライバーなどが代表的だ。その一方でハイゲイン系モデルも根強い人気がある。その初代モデルはその名も“Heavy Metal”と名付けられたHM-2で、今から30年以上前に登場している。この流れを組む現行機種となる3モデルを比較検証してみた。

■MT-2 Metal Zone

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MT-2 Metal Zone 価格=オープンプライス

 1991年のデビューから20年以上に亘るロングセラー・モデルとして、現在も高い人気を誇っているのがMT-2 Metal Zoneである。MT-2の前に登場したHM-2のファットで芯のあるサウンドと比べると、MT-2は遙かに自然で上質な歪みサウンドが特徴である。

Boss_metal_eff-20▲MT-2:スタック・タイプのボリューム・ポットを2個使い、ミッドが可変の3バンド・イコライザーを搭載している。アクティブEQらしく変化幅が大きく、積極的なサウンド・メイキングが可能だ。"DIST"ツマミによるゲイン・コントロールの幅は広く、クランチからハイゲインまでをカバーする。"Metal"というネーミングではあるが、イコライザーの設定次第でブースター的な使い方も面白いだろう。

 "デュアル・ゲイン回路"を採用しているためか、"Metal"と冠してはいるもののゲインの可変レンジはとても広く、クランチからハイゲインまで思いのままだ。一般的なディストーション・ペダルのように、1段のゲイン回路だけでは実現不可能な歪み方に加えて、ロング・サステインやコンプレッション感も気持ち良い。

 発売当時としては画期的だった3バンドのアクティブEQを、歪み回路の後ろに搭載している。基本的にセンターの位置がフラットで、そこからのブースト/カットが基本になっており、パッシブ・タイプとは比べものにならないほどの効き方をしてくれる。HIGHもLOWもイメージ通りの結果が得られるようにベスト・チューニングが施されている。中心周波数が可変のMIDDLEも実に効果的で、ミッド・レンジをブーストしたヌケの良いサウンドから、逆に中域をカットして低域と高域を強調した"ドンシャリ"的な音色まで思いのままだ。

 ロングセラーであることが頷ける、定番・王道のハイゲイン・ディストーションと言えるだろう。

■ML-2 Metal Core

Boss_metal_eff-4ML-2 Metal Core

 "Metal Core"と名付けられたこのエフェクターは、音を鳴らした瞬間にメタル系/ラウド系の世界に誘われるという、明確に照準を絞った音作りがされている。MT-2と比べると特に重厚な低域を備えた特徴的な歪みサウンドを基本としている。

Boss_metal_eff-21▲ML-2:エフェクトON時のレベルは大きめに設定されており、ハムバッカーのギターであれば10時くらいの位置で、クリーンとのレベルが同じになるような感じだ。"LOW"と"HIGH"の各コントロールを駆使すればトーンが自在に調節できる。"LOW"はツマミの位置がセンターでもかなり重厚な低域となるが、決してブーミーではなくヌケの良いサウンドだ。

 クランチ系のサウンドを期待してこのモデルを購入するギタリストは居ないと思うが、それほどまでにハイゲインな仕様となっている。"DIST"ツマミ、つまりゲイン・コントロールを絞っても顕著な歪み方をするし、上げていけば限りなくハイゲインな歪みサウンドが得られる。パワーの低いシングルコイル・ピックアップを搭載したギターでも、HR/HMの世界を再現することが可能だ。

 "ハイゲイン"と言っても決して耳障りなピーキーなサウンドではなく、重厚さを備えた心地良いディストーション・サウンドだ。それでいてヌケの良い存在感のある攻撃的なギター・サウンドを生み出してくれる。またそれだけの過激なハイゲイン・ディストーションでありながら、信じられないほどのロー・ノイズであることも特筆すべき特長だ。

 音のキレも良く、特に高速のリフ・プレイでも一音一音が明瞭かつ飽和感のないサウンドを生み出す。ツマミのセンター位置でもエフェクターでは類を見ないような豊かな低域は、スタック・アンプを彷彿とさせる低音の"息継ぎ感"を備えている。JC-120のようなクリーン・アンプを使用した際でも、ハイゲイン・サウンドならではの雰囲気を醸し出してくれるだろう。ダウン・チューニングや7弦ギターともベスト・マッチと言える。

 イメージ通りのハイゲイン・サウンドを、容易に生み出すことのできるエフェクターだ。

■MD-2 Mega Distortion

Boss_metal_eff-5MD-2 Mega Distortion

 ややシックなオレンジ色のボディが物語るように、このモデルは明らかにボスのDS-1やDS-2の流れにある、王道の"ディストーション"ペダルだ。1978年発売のロング・セラーであるDS-1と比べるとゲインは遙かに高く、ツマミの設定に応じて全てのレンジをカバーできる。また今回の3機種の中では、ピッキング・ニュアンスを最も出しやすいのがこのMD-2である。

Boss_metal_eff-31▲MD-2:右端の"GAIN BOOST"は、まるで手前にクリーン・ブースターを接続したような働きをする。"DIST"ツマミで歪ませるか、反対に"DIST"はあまり上げずにブースト機能で歪みを増やすかで異なるサウンドになる。もちろんウルトラ・ハイゲインを求めるのであれば、両方を使って強力な歪みを得ることが可能だ。エフェクトON時のレベルはやや控え目。"LOW"のツマミは10時くらいの位置で一般的なディストーションのミッドレンジ・サウンドになる感じだ。

 "DIST"ツマミでコントロールできる歪みの度合いはクランチからハイゲインまでとても幅広い。しかしHR/HM向けのさらなるハイゲインを1段の歪み回路だけでカバーするのではなく、その手前にクリーン・ブースター的な効果のある"GAIN BOOST"コントロールを設けることで実現している。これがあくまでもディストーションとしての自然さを損なうことなくハイゲイン・サウンドを生み出すという、このモデルの大きな特徴だ。パワーの小さいシングルコイル・ピックアップのギターを使う際にも非常に有効だ。

 "BOTTOM"と"TONE"という2つの音質コントロールを装備している。"TONE"は文字通り一般的なディストーション・エフェクターのパッシブ・トーン・コントロールのような感じに、高域を調節することが可能だ。"BOTTOM"の方はアクティブ・イコライザーのように過激なまでに低域をブーストしてくれる。"ディストーション・ペダル"とは思えないほどの迫力あるローは、ダウン・チューニングなどにも充分に対応してくれる。反対にこれを絞ることで、元祖DS-1のようにブースター的な使い方も可能だ。歪んだ状態の真空管ギター・アンプを、ギター・ソロなどの際にさらにハードなディストーションを生み出すことができる。

 ストレートなディストーション・ペダルの延長線上にある"進化形"/"発展形"と言えるだろう。

■3モデルの特徴をまとめると...

 "ボスのハイゲイン系歪みエフェクター"として同じ類に考えてしまいがちだが、実際に同じ条件で比較試奏してみると、それぞれのモデルの特徴が顕著に判ってくる。

 デビューから20年以上が経っているMT-2は、今でもハイゲイン・ディストーションの定番と言えるだろう。"メタル"と冠してはいるが、現在の新鋭機と比べると王道のディストーションやオーバードライブに通じるサウンドである。ブースター的に使うことも可能だし、今回の3機種の中ではイコライザーでの細かい設定がしやすいので、積極的にサウンド・メイキングすることもできる。

 それに対してML-2は世代の違いを感じさせるまとめ方がなされている。単体だけで充分にイメージ通りのメタル/ラウド系のサウンドが得られるのだ。ボスの歪み系エフェクターはJC-120のようなクリーン・アンプで使用しても、完成度の高いサウンドを生み出してくれる。ML-2はその代表格とも言えるもので、ブースターなど他の機器を一切必要とせずにハイゲインの世界を演出可能だ。

 MD-2は歪みの守備範囲が非常に広く多彩な使い方ができるとともに、ピッキングの強弱に応じてサウンドのニュアンスがつけやすいので、HM/HRだけではなくクラシック・ロックやブルースなど様々な音楽ジャンルに対応してくれるはずだ。

 どのモデルも高いクォリティと実用性を兼ね備えており、長年に亘りボスがエフェクターのトップ・ブランドとして君臨していることが充分に納得できる。

 今回は3機種の弾き比べ動画もアップ。フラットな設定と、各機種の特徴を活かした設定でサウンドを収録。演奏は渡辺キョータ氏。

※本記事は2015年10月時点の情報です。

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デモンストレーター/渡辺キョータ 
ギタリストコンテスト(GIT MASTERS)でグランプリを受賞し、キャリアをスタートさせる。
音楽雑誌での連載や楽器デモンストレーターなどをおこなう反面、MI JAPAN東京校、EMS東京校GIT講師としての顔も持っている。
ギター&ボーカルとしての活動も多く、ジャンルを問わないスタイルが特徴。
テクニカルなプレイはもとより、そのギターがもつ魅力を瞬時に引き出す多彩な表現力を持つ新世代ギタリストだ。
近年では大橋彩香など、数多くのアーティストのサポートをはじめ、テレビや各メディアで使うテーマソングの制作も手掛けている。
大切な人へ宛てた手紙を歌詞にして世界に一つだけの歌を作る音色ポストプロジェクトにも参加している。


Twitter @w_keshigomu


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価格 オープンプライス

1991年のデビューから20年以上に亘るロングセラー・モデルとして、現在も高い人気を誇っているのがMT-2 Metal Zoneである。MT-2の前に登場したHM-2のファットで芯のあるサウンドと比べると、MT-2は遙かに自然で上質な歪みサウンドが特徴である。

問い合わせ:ローランド株式会社お客様相談センター


Tel.050-3101-2555
http://jp.boss.info

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ML-2 Metal Core

価格 オープンプライス

“Metal Core”と名付けられたこのエフェクターは、音を鳴らした瞬間にメタル系/ラウド系の世界に誘われるという、明確に照準を絞った音作りがされている。MT-2と比べると特に重厚な低域を備えた特徴的な歪みサウンドを基本としている。

問い合わせ:ローランド株式会社お客様相談センター Tel.050-3101-2555 http://jp.boss.info

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MD-2 Mega Distortion

価格 オープンプライス 円(税抜)

ややシックなオレンジ色のボディが物語るように、このモデルは明らかにボスのDS-1やDS-2の流れにある、王道の“ディストーション”ペダルだ。1978年発売のロング・セラーであるDS-1と比べるとゲインは遙かに高く、ツマミの設定に応じて全てのレンジをカバーできる。また今回の3機種の中では、ピッキング・ニュアンスを最も出しやすいのがこのMD-2である。

問い合わせ:ローランド株式会社お客様相談センター Tel.050-3101-2555 http://jp.boss.info

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定価1,620円(本体1,500円)A4判

2019年7月2日(火)発売

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