製品レビュー

YAMAHA FG180-50THと赤ラベルFG180 2本のヤマハ・ギターを比較検証

YAMAHA FG180-50TH
YAMAHA FG180

価格 115,000円 (税抜)

 ヤマハのFGが誕生して50年。そのアニバーサリー・モデルFG180-50THがNAMM2016で発表され、日本では3月上旬に出荷された。
 今回のレビューは、最新のFG180-50THと赤ラベルのFG180を同時に取材。2本のデモ演奏もワンカットの動画として収録している。歴史的なモデルと現代のモデルの比較を写真、テキスト、動画でご覧いただきたい。

【FG180-50TH】

■FG180のテイストを残し、現代流にアレンジされたFG180-50TH

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▲YAMAHA FG180-50TH 価格=115,000円(税抜)

 ヤマハ・ギターは世界的に高く評価されているが、本格的にギターを販売したのは1966年のことで、今年はギター発売"50周年"という記念すべき年にあたる。NAMM2016でもそれを記念したアニバーサリー・モデル、FG180-50TH(価格=115,000円 / 税抜)が発表され話題となった。FGシリーズの初代となる人気モデル、FG180の外観を再現したデザインだが、ギターとしてのクオリティとサウンドは、大きく進化している。

 トラッド・ウェスタンの大型ボディを採用し、ヘッドのオリジナルロゴやオープンチューナー、オリジナル・ピックガードなどは、当時のデザインをリアルに再現し、50年前の面影を残している。その一方で、ボディ・トップにA.R.E.処理を施したシトカスプルース単板、バック&サイドにマホガニー単板を使用(オリジナル・モデルはトップ/バック&サイド共に合板)。ローズウッド・バインディング、新開発のスキャロップド・ブレイシング、650ミリ・スケール、ダブルアクション・トラスロッドの採用など、より現代的な仕様とグレードアップが図られている。

 気になるサウンドだが、オリジナルのFG180とは大きく異なり、現代ギターならではの豊かな鳴りと音量、そして明るいトーンを実現。マニアにも人気の赤ラベル・デザインも復刻され、国内400本の限定発売だが、この記事の掲載時点で全て出荷されている。

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▲ボディ・トップはA.R.E.処理を施したシトカ・スプルースを単板で使用。ボディ内部のブレイシングは最新のFG/FSと同じスタイル、現代的なサウンドとなっている。

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▲ピックガードは、アウトライン、厚さともにオリジナルのFG180を再現している。

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▲ボディ・バックはマホガニー単板。アニバーサリー・モデルらしく、ボディの周辺などでローズウッドのバインディングが使われている。

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▲ラベルはもちろん赤ラベル。ヤマハの当時の社名である「NIPP0N GAKKI」の名前もプリントされている。

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▲サドルは2弦のイントネーションがより正確な現代的な仕様。

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▲ネックにもローズウッド・バインディングが施されている。

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▲FG180の初期型と同じ書体の「YAMAHA」の文字、トラスロッド・カバーも当時と同じ形状で「50th Anniversary」の文字が刻印されている。

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▲FG180のオリジナル・チューナーを再現したチューナー。

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問い合わせ:株式会社ヤマハミュージックジャパン
お客様コミュニケーションセンター ギター・ドラムご相談窓口
Tel.0570-056-808
http://jp.yamaha.com/guitar/

【赤ラベル FG180 (1972年製)】

■60年代後半から70年代の日本のフォークシーンを牽引したFG180

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▲YAMAHA FG180 (1972年製)

 当時、海外ブランドのギターの数分の一以下の価格設定がされ、一般の人でも買える本格的なアコースティック・ギターとして一世を風靡したFG180。そのサウンドホール内に赤いラベルが貼られていたのは1968年から72年の4年間で、宝物のように大切に扱ったオーナーも多く、現在でも日本製のヴィンテージとして楽器店の店頭で見かけることもある。このレビューで使用するFG180は今年3月中旬に「GAKKI ソムリエ」の担当者が銀座の山野楽器本店で購入したもので、ヘッドロゴが「音叉マーク」の後期型、シリアルナンバーでは72年3月製の最末期のギターである。
 このギターは販売店によってナットとサドルが交換されている(※)が、キズなどが少なめであるだけでなく、ネックなども調整され、サウンド面も良好だ。
 ※FG180にはナット/サドルとも、プラスティックの比較的柔らかめのパーツが使われており、このギターの場合、経年変化で弦がサドルに食い込んでいたため交換されていた。

 ボディのトップ、サイド/バックも合板で、現在の基準では、決してリッチなサウンドではない。しかし、低音域も高音域もしっかり出ており、この時代の日本製ギターでは傑出した存在だったことが窺える。日本のフォーク/歌謡曲を奏でてきたFGシリーズの元祖と呼ぶに相応しいギターと言える。

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▲オリジナルの赤ラベル。50THにもFG180の文字の両側のイラストなど、デザインが引き継がれている。

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▲ヘッドロゴは今では"後期型"と呼ばれている「音叉マーク」。

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▲赤ラベル時代のピックガード。トップはスプルース材だが、単板ではなく合板だ。

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▲ボディのサイド/バックはマホガニー材。こちらも単板ではなく合板が使われている。また、バインディングが極めてシンプル。

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▲赤ラベルFG180のチューナー。ただし、40年以上前のパーツのため、チューニングして時間をおくと、数セント程度音程が下がる場合がある。前出の50THのチューナーはデザイン面では忠実に再現されているが、もちろん、機能面では現代の高精度を誇っている。

※本記事は2016年4月時点の情報です。

【GAKKI ソムリエ試奏動画】YAMAHA FG180-50TH / FG180(1972年)

今回の動画は、両者を比較するため前半にFG180-50THを演奏。そのままギターを持ち替えて、後半はFG180(1972年)を演奏している。 ◇デモンストレーター / 石井 裕(いしい ゆたか) 中学生の頃からギターを始め、大学在学中にプロとして活動を開始。 楽曲を大事にするメロディアスかつリズミカルなプレイでAKB48、AAA、ジャニーズグループ、ももいろクローバーZ等、多くのレコーディングに参加。多数のアーティストのライブサポートも務める。アニメや映画等に詞曲も提供し、ギタリストにとどまらない活動を展開中。ギター代表曲:玉置成実「Believe」、中川翔子「空色デイズ」 2014年にフランスで行われたJAPAN EXPOにも参加した自身のバンド、Glowlampでも活躍中。2016年7月31日(日)にはワンマンライブも予定している 。 Glowlamp HP / http://glowlamp.net 「Song for HERO」MV / https://www.youtube.com/watch?v=0t6BNQUl32s (Artist Photo by TOMUJI OHTANI)

製品情報

YAMAHA FG180-50TH

価格 115,000 円(税抜)

問い合わせ:株式会社ヤマハミュージックジャパン
お客様コミュニケーションセンター ギター・ドラムご相談窓口
Tel.0570-056-808
http://jp.yamaha.com/guitar/


※本記事に掲載されている価格/仕様などは2016年3月時点の情報です。

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2018年5月2日(水)発売

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