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「ボスのオーバードライブ」を代表するロング・セラー BOSS SD-1を再検証!

BOSS SD-1 SUPER OverDrive

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 今から40年前の1977年、ボスのコンパクト・シリーズは3機種同時発表というセンセーショナルなデビューを果たした。その中の一機種、イエローの筐体に身をまとって登場したOD-1オーバードライブは大ヒット作となり、それから4年後の1981年に、OD-1のサウンドを引き継ぎながらバリエーションとして登場したのが、SD-1スーパー・オーバードライブだ。SD-1は、現在でも現行商品としてDS-1ディストーションに次ぐロングセラーとなっている。その根強い人気の理由を探っていく。

《POINT》
◇伝説の名機OD-1のサウンドを継承するロングセラー・モデル
◇多くの音楽ジャンルで活用できる、正統派オーバードライブ
◇高音域のブースト/カットが可能なトーン・コントロール
◇ミッドレンジを強調したブースター的な使い方にも最適

SD-1_T_600_FNL.jpg▲BOSS SD-1 SUPER OverDrive

■SD-1誕生の背景

 1977年の発売以降、大ヒットとなっていたOD-1であったが、一部のユーザーからはトーン・コントロール追加の要望が寄せられていた。このニーズに応えるべく、ボスは次期モデルの開発を始める。試作段階ではOD-1の後継機として"OD-2"的に扱われていたらしいが、人気の衰えないOD-1との併売を考え、バリエーション・モデルという位置付けで"SD-1"として発売された。余談ではあるが、1978年の来日公演の際にジェフ・ベックがSD-1の試作機を試奏したところ大変気に入り、その日のライブでいきなりステージで使用したというエピソードがある。

 ちなみにOD-1は1985年に生産完了となったが、30年以上経った現在でも熱烈なファンが多く、中古市場では入手困難なプレミアが付く"伝説の名機"となっている。

boss1207-1280-logo-101.jpg▲SD-1のコントロール。OD-1直系のサウンドにトーン・コントロールを追加することでさらに使いやすくなった。

■ボスのオーバードライブ

 前述の通り、SD-1はOD-1のサウンドを元にトーン・コントロールを追加したモデルで、基本回路構成はほとんどそのまま継承されている。それがOD-1の根強いファンに支持されたことも、今日のロングセラーとなっている理由の一つであろう。チューブ・アンプのボリュームをフル・アップしたようなナチュラルな歪みを目指すという思いから、ダイオードの組み合わせによって非対称な歪み波形が発生する特徴的な回路が生み出されたが、そのオーバードライブ・サウンドは、初代モデルであるOD-1ですでに高い完成度を持っていたと言える。

 OD-1は1985年にその進化形としての後継機、OD-2ターボ・オーバードライブの誕生により世代交代することになる。そして1997年には、より現代の音楽に合うようなサウンドに生まれ変わったOD-3の登場となり、現在ではSD-1と共存している。

■SD-1の特徴

 あらためて35年以上前に誕生したSD-1を試奏して検証してみると、自然で扱い易いことが再確認できる。高域と低域が適度にカットされ、耳障りな成分を抑えミッドレンジを押し出した感じで、まさに正統派オーバードライブといったそのサウンドは、多くの音楽ジャンルに対応可能だろう。
 トーン・コントロールは単純なハイカット・フィルターではなく、シェルビング・タイプのような効き方で、イメージ通りの音作りが可能で使い易い。センターよりも少し絞ったポイントがOD-1に最も近いサウンドに感じる。

boss1207-1280-logo-102.jpg▲DRIVEを絞ったセッティングでは、ミドルレンジが強調されたブースターとしても効果を発揮する。

 ゲインの可変幅はかなり広いのだが、ハイゲインという領域まで強烈に歪むのではなく、絞った状態ではクリーンに近い控え目なクランチ・サウンドとなる。この辺りがブースターとしての使い方をするギタリストに支持されている理由だろう。接続されているアンプやエフェクターがある程度歪んでいる状態では、SD-1の中域を強調した特性でブースターとして使用した場合、結果としてヌケの良い前に出るサウンドとなる。

 ゲインつまみを上げていくと、粘りとコシが徐々に増加していき、豊かなサウンドになっていく。また、この状態でギター側のボリュームをコントロールした場合、歪みの倍音が残ったままゲインが変わるといった感じなのだが、サステインが損なわれて音が詰まってしまうようなことはない。やはり、OD-1がデビューの時点から高い完成度を備えており、SD-1がそれを見事に継承したということだろう。

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【GAKKIソムリエ試奏動画】BOSS SD-1 SUPER OverDrive

デモンストレーション / 笹本健介  7才からギターを弾き始め、高校の軽音楽部にて自身のバンド「Pesante」を結成。以来、神奈川を拠点に多方面で活動を展開し続けている。 今までにラゾーナ川崎プラザソルや川崎H&Bシアター、地元のライブハウス等での幾多の単独公演の実績を持つ。エレキギターを稲葉政裕氏に、クラシックギターを河野智美氏に師事。2014年4月”Pesante”でグラミー賞受賞ドラマーYonrico Scott氏の来日公演でオープニングアクトを務める。昭和音楽大学卒。 http://kensuke-guitar.jimdo.com/

電源:006P(1個)、ACアダプター(PSA-100)
消費電流:4mA(DC9V)
端子:入力、出力、ACアダプター
入力インピーダンス:470kΩ
出力負荷インピーダンス:10kΩ以上
外形寸法 / 質量
幅 (W)73 mm奥行き (D)129 mm高さ (H)59 mm
質量400 g

製品情報

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ローランド株式会社お客様相談センター
Tel.050-3101-2555
http://jp.boss.info

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