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Product Description

1883年創立とFender社Gibson社を凌ぐ長い歴史を持つGretsch社。アコースティック、エレキギター共に多くのモデルを生み出し、現在に至るまで多くの大物ギタリストに愛用され、そして高い評価を得てきました。現在ではエレキギターラインとしてホロウボディの6120や、ソリッドボディのDuo Jet等にて有名ながら、エレキギターの歴史より古く1933年より続くアコースティックギターラインについても、他ブランドとは一線を画すスタイルにて高い人気を誇り、多くのアーティスト達に愛用されてきました。数あるアコースティックモデルの中でも知名度・人気共に高いフラットトップのRancherモデル。1947年に発表されたJumbo Synchromatic(Model 125F) から1954年にTown and CountryはそのままPX6021として引き継がれ、RancherはそのウエスタンバージョンとしてPX6022のモデルナンバーにて発表されます。その後いくつかのマイナーチェンジを経た後、1971年にはPX7525へとリナンバーされ、1973年に一旦廃盤、1975～1980年の間に僅かな本数ながら再販されて生産がストップします。1981年にはニューヨーク ブルックリンの工場が閉鎖されたため現行機種は他の国で製造されております。

今回ご紹介させて頂くのは、オリジナル60’s Vintage、ゼロフレット最終期となる1967年製のPX6022 Rancher。全体的施されたオーバーホールリペア、ピエゾPU搭載等、実戦的なプレイヤーズコンディションの一本になります。

まずそのスペックですが、ウッドマテリアルは1954年の発表当初と同様にて、17インチワイドのフラットトップスタイルに、杢目が強く杢目間の広い良質なスプルーストップ、この時期ならではの良質なメイプルサイド＆バック、ネックにはセンターストライプの入ったメイプル、指板にはコントラストが強く黒の杢目が走るハカランダさながらのインディアンローズウッドを採用と、オリジナルヴィンテージならではの極上材にて製作されております。フィニッシュカラーはGretschを象徴するWestern Orangeカラーにて仕上げられ、古き良きアメリカのロックンロール精神を感じさせる激渋のルックスとなっております。また指板にはパール・サムネイルインレイ、ヘッドにはホースシューインレイ＆Tルーフのブランドロゴとウエスタンスペックに仕上げられております。その他1969年までとなるゼロフレット仕様、ラダーブレーシング、スクリューマウントのクリアゴールドガード、オープンバックチューナー、逆三角形のフレンチサウンドホール、徴的なスタイルとなるハカランダブリッジ等が挙げられます。

そして気になるサウンド面ですが、57年の歳月前線で弾き込まれ続けてきた事を裏付けるべく、オリジナルヴィンテージならではのロックンロールな素晴らしいサウンドを掻き鳴らします。こちら1967年製と既に57年の歳月が経過している事も含め、しっかりと熟成された乾いたヴィンテージトーンを持ち、ジャンボボディから生み出される力強いローミッドに甘く広がる倍音やフィードバック、フルアコながらもレスポンスの高くエッジ感のある音色、そして艶めいたきらびやかな枯れたトーン、GibsonやMartinとも全く異なるGretschならではの弾むような心地よさはロックンロールやカントリーといったオールドアメリカンなナンバーにはバシっとハマる最高の武器にとなります。またエボニーサドル一体型となるFishman製のパッシブPUを搭載し、個体が持つ鳴りやニュアンスを正確に拾いあげ、ややエアー感を加えたトレブリーなサウンドをアウトプットします。生鳴りでもアンプを通しても幅広く使える実戦的な一本となっております。

最後に状態としては、長年弾き込まれてきたことが伺えるヴィンテージギターならではの貫禄のルックス。各所についたダメージはエイジドでは再現出来ない本物の証とも言えるでしょう。リペアやパーツ交換歴としては、演奏するにあたっての大がかりのオーバーホールリペアが施されており、フレット＆ナット交換、ストラップピン交換（現状ロックタイプ）、1弦側のネックバインディング貼り直し、6弦側はオリジナルですがバインディングクラックの補修、ボディバインディングは全て巻きなおされており、おそらくその際と思われる全体的なオーバーラッカーが確認出来ます。サウンドホールのバインディングとネックヒールキャップはオリジナルにて腐食が進んでおりますが演奏には問題ございません。また過去に低音弦側にもピックガードが取り付けられていたかと見られる取り付けネジ跡やゴールドの塗装移りが見られます。ボディエンドにもテイルピースが取り付けられていたであろうエキストラホールが見られます。ただネック折れや激しい割れの報酬歴等ガッツリとした破損歴等は無く、ボディトップ向かって右端に木部クラックにも見えるライン（光の透過無し）がある程度で、内部から確認してもその他割れ補修歴等はございません。演奏面としてはネックコンディションも良好でトラスロッドの余裕も残っており、まだまだ現役で活躍してくれる一本となっております。ケースは汎用ですがボディ形状にあったハードケースが付属致します。

昨今の楽器業界全体の高騰の中でも、特に1960年代のヴィンテージの値段の上がり方は凄まじく、FenderやGibsonに関してはもう目も当てられない程となってしまいました。Gretschに関しても勿論同様に高騰が見られるものの、アコースティックであるRancherモデルはオリジナルヴィンテージでもまだまだ手に入る価格帯となっております。ただ同年代のランチャーに関しては生産数の少なさもあり、国内外共に直近での販売歴がなく高騰前となる3～4年前ですと海外での販売歴がちらほら見られますが、どれも今回同様の使用感の強いプレイヤーズコンディションで35～40万円前後となっております。近いモデルも参考にした上での現在での適正価格としては、状態の良いもので70～80万円、使用感の強いもので50万円前後になるかと予想されますが、今回こちら前所有者様からのご厚意もあり、高騰前の相場感と変わらない非常にお値打ちな特別価格にてご案内させて頂く事となりました。是非プレイヤーの方に手にして頂きたい一本となっておりますので、お探しだった方はもちろん、お気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。