マヌエル・カセレス Manuel Caceres 2006年 スペイン 650mm 松 中南米ローズウッド
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:表板 ラッカー
:横裏板 ラッカー
糸 巻:ゴトー
弦 高:1弦 2.8mm / 6弦 3.8mm
〔製作家情報〕
マヌエル・カセレス Manuel Caceres Pizarro 1947年スペイン、バダホス生まれ。1963年にホセ・ラミレス3世の工房に入り、当時の職工長であったパウリーノ・ベルナベのもと研鑽を積みながら、やがて「MC」のスタンプで同ブランドの最上位機種である1Aの製作を任されるようになり、当時の人気スタンプとなります(現在も中古市場では当時のMCスタンプのラミレスは人気のアイテムとなっています)。1978年にラミレス工房を出た後に独立。また同時期より同じマドリッドの名工アルカンヘル・フェルナンデスとの共同作業的な親交が始まります。これがカセレスのギター製作に大きな影響を与えることになり、アルカンヘルが2011年に引退した後、その唯一直系の製作家として、また最もマドリッドらしい作風を継承した製作家として人気を博していましたが、2018年に工房を閉鎖し一旦引退。現在はわずかに受注での製作のみとなっており、新作が極めて貴重なブランドとなっています。
彼のギターの特徴として、特に2000年代以降の製作において、いかにもマドリッド的な重厚さと華やかな情感を湛えながら、その声質と身振りにはどこかスマートな切れの良さと心地よい抑制があり、スペインギターの形容としてはあまり使われることのない「都会的」ともいえる佇まいを全体に醸し出しています(ご本人はいかにも素朴なマドリッド市民という感じですが)。ラミレスの「歌」とアルカンヘルの透徹したバランスとが無理なく融合し着地した、文字通り彼の出自が彼の中で一つの個性として培養されたような楽器は大変に魅力的で、現在も非常に高い評価を得ています。
カセレスのギターはオリジナルのラベルとデザインによるものと、アルカンヘル工房品として「Para casa Arcangel Fernandez」のラベルを貼って出荷されているものとがあり、後者は基本的にアルカンヘルの監修による仕様に準拠していますが、オリジナルラベルによるモデルは内部構造からヘッドシェイプ、細部の仕様からラベルデザインに至るまでいくつかのタイプがあり、音色の傾向もそれぞれ異なり、個性的なものになっています。
[楽器情報]
マヌエル・カセレス製作 2006年製 オリジナルラベル Usedです。カセレスはこの時期いくつかのラベルやヘッドデザイン等使い分けていて、彼はラベルに関してはブランドのとしての統一された商標デザインにあまり拘泥せず、納品先のディーラーによって配慮していたと思われます(実はこれに関しても本人はやや厳密な管理を欠いていたところもあります)。そして内部構造から、本器がアルカンヘル・フェルナンデスモデルであることもわかるのですが、いわゆる「アルカンヘル工房品」として出荷されていたものとは全く異なり、カセレス自身の作家性がしっかりと表われた、つまりマドリッドの中でも最も優れた製作家にふさわしい個性を有した、大変に魅力的な一本となっています。
まずはその内部構造ですが、表面板の力木配置は明確にアルカンヘルのクラシックモデルをなぞったものとなっています。サウンドホール上下(ネック側とブリッジ側)に1本ずつのハーモニックバー、サウンドホール周りにはロゼッタの範囲を覆うようにして円形の補強板が貼られています。下部エリアは6本の扇状力木設計で、ちょうどセンターに設置された1本を境にして高音側に3本、低音側に2本がそれぞれお互いにほとんど角度をつけず平行に近い配置になっています。ボトム部近くにはこれら扇状力木の下端の先を受け止めるようにして2本の逆ハの字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には短辺は同じですが長辺は駒板よりも長くほぼ横幅いっぱいにわたって貼られている薄い補強板という全体の配置となっています。レゾナンスはG# の少し下に設定されています。
ここでカセレスはアルカンヘル的な強靭な設計にやや薄めな、しかししっかりと剛性のある表面板を採用します。この組み合わせをベースにしながら彼ならではの感性で音響バランスが構築されているのですが、これが実に見事。アルカンヘル的な高密度な音像とホセ・ラミレス的な抒情性(特に高音における濃密な「歌」)とが、カセレスの感性によって融和し、まさに彼にしかできないような洗練を施され、高級な洒脱さとも言うべき都会性を纏って着地しています。きりりとした艶やかな音色、力強さと繊細さ、深さと軽妙さ、そしてスマートな身振りなどを備え、演奏性における発音のレスポンスやタッチに対するリニアニティも申し分ありません。楽器がどのような楽曲にふさわしいかを語るのは(あまりに感性的な基準となるので)困難なのですが、例えば本器における後期ロマン派から印象派の楽曲を演奏した時の透明かつ何かを含んだような響きと表情は、先述した「都会性」ともある意味関連する本器ならではの特性となっています。2000年代の彼の作家としての充実を如実に感じることのできる一本。
割れや改造等の大きな修理履歴はありません(※表面板の指板脇高音側に木目に沿って内部にパッチ補強が施されていますが、カセレスはアルカンヘルと同様に表面板のこの部分の可動性を確保するためにあらかじめスリットを入れておくことをデフォルトにしており、おそらくは過去にこれを割れと勘違いしたことにより補修処置が施されたものと思われます)。表面板は経年相応の弾きキズ等があり、特に指板脇からサウンドホール周辺にかけての高音側と駒板下のエリアに集中して見られますがいずれも細かいものなので著しく外観を損ねるというほどではありません。横裏板は衣服による摩擦などの細かいスクラッチあとのほか演奏時に胸などが当たる部分は塗装の擦れが見られますが、こちらも経年相応のレベルと言えます。ネック、フレットなど演奏性に関わる部分は問題なく良好な状態を維持しています。ネック形状はやや薄めでフラットな形状のDシェイプ、弦高値は2.8/3.9mm(1弦/6弦 12フレット、サドル余剰は0.5~1.0mm)。糸巻はGotohの「リラ」モデルを装着していますがおそらく過去に換装されたものと思われます。現状で機能は良好です。
おそらくアルカンヘル工房のストックを譲り受けたか、または共有していたであろう木材のクオリティはやはり素晴らしく、特に完全に柾目の中南米産ローズウッドは音響への効果と同時に外観における凛とした佇まいにも寄与しており、いつものことながら特筆すべき点となっています。
| 商品名 | Manuel Caceres [マヌエル・カセレス] オリジナルモデル |
|---|---|
| 商品ID | 1649118 |
| 楽器カテゴリ | ギター/ベース/弦楽器 > クラシックギター/フラメンコギター > クラシックギター |
| ブランド | Manuel Caceres [マヌエル・カセレス] |
| 型番・モデル | オリジナルモデル |
| 楽器区分 | 中古 |
| 年式 | 2006年 |
| 程度 | 3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
| トップ材 | スプルース(松) |
| サイド&バック材 | 中南米ローズウッド |
| カラー系統 | ナチュラル/木目系 |
| 生産国 | スペイン |
| 弦長 | 650mm |
| ケース | ハードケース |
| 付属品 | クロス |
| 公開日 | 2026/11/02 |
| 更新日 | 2026/11/02 |
| 住所 | 〒110-0004 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F![]() |
|---|---|
| アクセス | 営団地下鉄日比谷線 入谷駅下車。 3番出口(上野方面行きの場合)又は4番出口(三ノ輪方面行きの場合)より徒歩5分。 JR山手線 鶯谷駅下車(南口)より徒歩10分。 近くにコインパーキングあり。 |
| TEL / FAX | TEL:03-3876-7207 / FAX:03-3876-7206 |
| 営業時間 / 定休日 | 営業時間 11:00~19:00 / 定休日 毎週水曜日 |
| ホームページ | http://www.guitarra.jp/ |
| 取扱商品タイプ | 新品, 中古, ビンテージ |
| 取扱商品カテゴリ | アコースティックギター/エレアコ, クラシックギター/フラメンコギター, ギター・ベース・弦楽器用アクセサリ/ケア用品, その他の楽器, CD/DVD/書籍/楽譜/教則本 |
| 対応サービス・設備 |
|
| Jギター決済 |
| 店名 | ギターショップ アウラ |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F |
| メールアドレス | [email protected] |
| 営業時間 | 営業時間 11:00~19:00 |
| 販売事業者 | |
|---|---|
| 代表者又は責任者 | |
| 所在地 | - 0 |
| 電話番号 | -- |
| 販売価格 | |
| 販売代金以外に必要な手数料等 | |
| 支払方法及び支払時期 | |
| 引渡時期 | |
| 申込み有効期限申込み有効期限 | |
| 保証 | |
| 返品・交換・キャンセル | |
| 販売数量制限その他の特別な条件 |
| 名称 | 株式会社アウラ |
|---|---|
| 許可を受けている公安委員会 | 東京都公安委員会 |
| 許可番号 | 第306619505019号 |

委託販売、買取、下取りのお申し込みは随時受け付けております。
現役の手工製作家によるメンテナンスチェックを実施し、楽器の状態を確認させて頂き正確な査定を致します。
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確かな技術で、楽器の故障状況を的確に把握し、また、隠れた故障、潜在的な故障を見逃すことなく、適切な修理方法をご提案致します。
深刻な故障でもあきらめる前にまずはご相談下さい。
割れ、はがれ、傷等の破損や故障の補修。音質改善のためのナットとサドルの調整。
弾き心地改良のためのネック反り補正や、弦高、弦幅等を奏者に合わせるフィッティング調整。
更に再塗装、塗り重ね、フレットや糸巻きの調整や交換等の経年劣化に対しての補修、修理まで専門家の知識と技で、あらゆる問題点に関してのご相談、見積もり、リペアまで責任を持って承ります。担当制で木曜・土曜・日曜に各製作家がギターショップアウラに常駐しております。
お困りのことが御座いましたらお気軽に電話でご相談ください。
また、各担当製作家は、スペイン伝統工法に忠実に則り楽器を製作している現役製作家。
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