商品説明
トーレスの作品にはその製作時期を大きく二つに分けて第一期(First Epoch=FE)と第二期(Second Epoch=SE)があります。
彼のギター製作人生の中で製作し始めて一時期中断する1869年までの作品を“FE”、製作を再開した1875~1892年(没年)を“SE”とし、SEにはギターのラベルにSE・・・(・・・は製作順のシリアルナンバー)というようにトーレス自身が番号を振っています。
FEにはトーレス自身が番号を書いていなかったために、現存する作品から製作順に~それが同年であれば残された逸話や時代考証から前後関係を割り出し~ナンバーが振られています。
これを整理したのが今年2月13日になくなった名工J.L.ロマニロスです。
この中野 潤氏がコピーしたトーレスFE-17のオリジナル製作年は1864年、F.タレガが1869~1889年の21年間愛用していたギターでタレガが入手するまでの5年間トーレス自身が気に入り手元に置いていた作品です。
後年、タレガの弟子E.プジョールが、このFE-17がトーレスの中で最高のギターだと口述しています。
そんなシンボリックなFE-17の残された設計図を基にそれを凝った装飾に至るまで忠実に再現したのがこのTorresコピーです。
ただ、オリジナルの弦長は645mmですがこの作品は640mmです。
裏・横材はオリジナルと同じメイプルです。
装飾もほぼ完全に再現されています。
サウンドホール内に装着されたトルナボスも再現されてはいますがオリジナルはおそらく真鍮製で、この作品は松材です。
この材質の違いの差は大きく、後年の製作家による真鍮製のトルナボスで再現したトーレス・コピーには音色に金属的な響きが伴いますが、この中野氏のは松材なので、ドスの利いた低音から太く甘い高音までギター本来の木質の響きとなって実に調和が取れています。
音質は間違いなく中野潤氏の中で最高の出来映えですし、海外の名工でもなかなかこのレベルまで達していないことが多いです。
加えて、とても640mmとは思えないオリジナルを彷彿とさせるパワフルな鳴りで、トーレス張りの重低音も実感できます。
全体としては大らかな鳴りですが、そこにちゃんとした根を張った土台があるので、はったりの鳴りではない号砲のような迫力を感じさせます。
左手の押弦と右手の弾弦の感触も絶妙で奏者のパフォーマンスを最大限に活かします。
無傷で大切に保管された中野 潤【Torres-FE17】、まさに力作中の力作です。
オリジナル特注ケース付き。