商品説明
D.J.ルビオがギター製作家として有名になったのはそもそもがJ.ブリームに見いだされたからですが、それを契機にルビオ工房にはP.フィッシャーやカズオ・サトー、E.B.ジョーンズ、R.ガルブレイスなどが弟子入りし、ルビオ工房作品として数多くギターを世に送り出してきました。
ルビオ自身は1970頃からチェンバロやリュート、バロック時代の弦楽器などの製作を手がけるようになり、それ以降しばらくは彼ら弟子達が中心となって師匠に替わってルビオ・ラベルのギターを製作し続けていきました。
その間、ルビオは完全にギター製作から離れた訳ではなく、弟子達のギター製作を監督・指導するという師匠としての役目を果たしながらもギター製作は絶えることなく続けていたものと思われます。
その頃のルビオはバロック時代の古楽器再現に関しては功績大で、今日のその方面でのパイオニア的存在でもあります。
ルビオ工房ギター特有のラベルに記す製作年のローマ数字はこのラベルからは『MCMLX』とあり、1960年台というのは間違いありませんが、1960年はまだルビオが製作家としてイギリスに工房を構える前であり、ラベルに印刷された『MCMLX』の後にはイギリス移住以降、手書されたローマ数字があった筈で、これがラベルの劣化により判別困難な状態となっています。
ただ、ルビオの製作家としての年表の前後関係からこのラベルの『MCMLX』の後にかろうじて手書きの『X』らしきり痕跡が認められるため、おそらくはこのルビオの製作年は1970年と推察出来ます。
また、サウンドホール内から見られるネック付け根のベロの部分に刻印された【P.F】というイニシャルは間違いなくルビオの一番弟子のポール・フィッシャーを指し、1970の製作年は1969年から弟子入りすることになった彼の経歴と符合します。
1960年代後半~70年ころのルビオの作品は頑固一徹といった、しっかりした音質の中にも甘く輝きのある音色が特徴で、その典型的音質をこのルビオは持っています。
加えて試奏して特に印象深いのは、サスティーンが飛び抜けて長いため、左手押弦の粘りと右指タッチの指離れのタイミングを教えてくれる、俊敏な反応も備わっています。
初期ルビオの660mmという弦長の割には弾きやすくもちろんパワーも充分です。
入荷後に36mmの新品510ゴトー糸巻きに交換しましたが、当初付属していた36mmのフステーロ糸巻きも希望であればお付け致します(ただ、回しムラあり)。
弊社入荷後、ボディー内部のほとんどの力木剥がれ、横・裏板の割れ、表面板センター駒下のクラックのやり直し、塗装ダメージのセラックでのやり直し・・・など数ヶ月に及ぶ修理の名人:長沢氏による全面ーバーホールを施し、現在は非常に健康的に鳴っており、今後の長きに渡り修理・調整の必要はありません。
表面板のセンター・クラック痕も凝視しない限りはダメージとは認められないほど綺麗に補修されています。