まずはその贅沢かつ特別過ぎるスペックとしては、レギュラーモデルですら湖や川の底から引き揚げた200~300年前のヴィンテージ材を独自の乾燥方法にて、最高の状態に仕上げた上で使用されておりますが、こちらのLimited Collectionについては、その特別なヴィンテージ材の中でも更に厳選した極上材が採用されております。ボディ材にはウルトラ・ライトウェイトの1P River-Recovered Swamp Ash、ネック材には1Pクォーターソーン(柾目取り)のWater Recovered Maple(Certified Old-Growth)と、他のブランドでは扱う事すら出来ない世界最高峰の材のみで形成されております。ボディフィニッシュには激薄のオーセンティック・ニトロセルロースラッカーにて特注カラーとなるAluminum Blue Metallicカラーを採用。こちらはFender社のIce Blue Metallicに近いカラーリングとなりますが、画像では分かりにくいものの、非常に奥深い色合いで近年の製作品ながらにヴィンテージにも似たインスピレーションを感じさせる激渋のルックスとなっております。ネックフィニッシュは独自のSatin Nitrocellulose Lacquer、ネックシェイプは太目のCにローポジションにはVも感じるオリジナルプロフィール(.910 Vintage Offset, V to C)にて、まるでギターと握手していると錯覚するかのような抜群のフィット感となっております。またモダンFenderよりもフラットな10”ラディアスに、指板サイドの丸みを帯びたエッジ加工、フレットサイドの丁寧なロールド加工が施され、軽量かつバランスが良く、フレットアウトやゴーストノートは無く、他のどのハイエンドギターよりも上だと感じさせる、究極のプレイアビリティを実現しております。※その他の詳細については画像のスペックシートにてご確認下さい。
そして何より気になるのはサウンド面ですが、ディパーゴが世界的に高い人気を誇る理由を肌で感じさせてくれる素晴らしい一本。まず生鳴りだけでも鳥肌の立つ感動を覚えます。ただ単にボリュームが大きく激鳴りと評されるギターとはまた別物で、ストロークによる弦の響きは、まるでボディと一体化しているかのような共鳴を感じさせ、それがそのままストレートにネックを通ってヘッドの先に抜けていきます。左手の感覚としては弦を直接握っているかのような痺れを感じさせます。そして本命のピックアップからの出力ですが、搭載されたピックアップは最上位シリーズにも採用されるSignature LTD Hand Woundの’50sシングルコイル(Formvar, AlnicoⅢ)を搭載し、厳選された材のポテンシャルを十二分に引き出してくれます。高音域はハープの様に美しくクリアでタイトなトーンを、中域は”枯れた”サウンドという言葉が良くマッチする倍音感タップリの甘く押し出すトーンを、低域は全体をまとめるベース音として、絶妙な力強さとアコースティカルな広がりを感じさせます。クリーンアンプからのジャジーなサウンドでは思わず生唾を飲み込んでしまう味わい深さを、クランチ~ドライブ時にはブルースロックやロックギタリストの方を虜にする図太く抜けるパンチ力とエッジ感、使用する環境ごとに様々なキャラクターへと変化します。特にクランチ時のハーフトーンは秀逸で、ここまで感動を味わえるストラトモデルは他に例が無く、まさに”至高”と呼ぶに相応しい一本です。同時に入荷したモデルとの差としては、共にVintage Fenderの当たり個体サウンドを再現しておりますが、1956~1957年頃の1Pメイプルネック期と、1961~1962年頃のスラブ期の違いと言うのが表現としては一番伝わるかと思います。