Product Description
1959年に父である茶位幸信氏が創業した茶位工房の二代目である幸弘氏によるバスギターである。
弦長は700㎜、ボディサイズは画像でも確認いただけると思うが普通のクラシックギターよりも少し大きめのサイズである。
調弦は6弦から1弦まで、それぞれB・E・A・D・F♯・B で通常のクラシックギターの完全4度下の調弦になる。
主にギター合奏等に使用され、弦楽オーケストラならチェロと同じような役割になる。
また2弦がGではなくF♯になるのは、伝統的なギターの調弦方法が、3弦と2弦のインターバルが長3度に、2弦と1弦のインターバルが完全4度になるためである。
バスギターというのは、通常のクラシックギターの1弦を外し、残った6弦から2弦を一つずつ高音弦側にずらして張り、空いた6弦側には専用の太い弦を張る、そんなイメージと思う。
バスギターの専用弦としては、ハナバッハのセット弦などあるが、例えば同じハナバッハの10弦ギターの7弦(C音で単品売り、それを半音下げ)を6弦に使用して、他は通常ギター弦の6弦から2弦を使用しても機能的には殆ど同じと思う。
状態としては、表面板と側板にポツポツと浅い打痕が散見され、裏板にはボタン等による浅いスレなどあるが、全体的にはきれいなもので、サウンドホールからはまだ微かにローズウッドの香りがする。
バスギターは中古市場でも非常に稀なギターで、長い間お探しの方もおられると思う。
さてこの本品であるバスギターであるが、自分としてはこれからが本題になる。
このギターに通常のギター弦を張り、通常のチューニングをすればどうなるのか、答えは弦長700㎜の超ロングスケールのクラシックギターになるという事。
弾き出せばこの上なく面白く、今の若い方の言葉をお借りするなら、「沼にハマる」、「沼落ち」するとでも言おうか、とにかく夢中になってしまう。
言葉としては伝えにくいが、音全体にわたるボリューム感というか、このたっぷりとした量感で伸びやかに響くサウンドは、自身の60年にわたるギター歴の中でも初めての体験であり、正直少し驚いている。
確かにこの方法は手のスパンが比較的に小さい方にはあまりお勧めはできないが、手のスパンが標準的な方や大きめの方には、一度トライしてみる価値は十二分にあると思う。
また本ギターのナット幅は50.5㎜と比較的に狭く、手のスパンが標準的と自認している自分でも何とか弾きこなせるものである。
多弦ギター(7弦・8弦・10弦・11弦)やアルト・レキントに比べあまり目立つことのないバスギターであるが、実はとんでもない可能性を内在しているのかも知れない。