商品説明
三浦 隆志氏は当時すでにギター製作家として実績をつんでいる身でありながら、1980年、84年と二度スペイン・グラナダに渡り、そこで工房を構えているスペインを代表する世界的ギター製作家アントニオ・マリン・モンテロ氏からギター製作の薫陶を受け帰国後、工房を仙台に移して製作を本格化させます。
遡ること4~5年前、モンテロ氏自身も1970年代後半にパリに渡り名工ブーシェの指導を受けてから作風を一変させ、ブーシェ構造によるギターを製作するようになってから、その評価が世界的になったことを考えると、三浦氏のキャリアアップはアントニオ・モンテロ氏が辿った経緯と重なるところがあります。
しかもモンテロ氏も三浦氏もその源流はブーシェの系譜を受け継いでいること。
この最新作のSJ-1の内部も基本的にはブーシェと同じく、駒の裏に力木(トランス・バスバー)を取り付け、力木は5本バー(主流は7本)の構造となっています。
渡西ののち、三浦氏の製作上の基本姿勢が定まったとは言えその作風はそういった経験があろうがなかろうが、ギター製作家のそれぞれの性分として、製作上の意図する方向性は大きく二通つに分けられることが出来ます。
一つは、ハウザーやアルカンヘル・バルベロⅡ世のように一旦パターンが決まると、内部構造的には使用する木材の特性から、さじ加減程度の設計上の変化があるかも知れませんが、基本的には延々と一旦出来上がったスタイルに拘泥するタイプ。
もう一つは、さらなる理想型の音を求めたり、趣の違った音色を模索し、常に前作とは違った工夫を加え内部設計変更に留まらず、場合によっては表板の材質を大きく変えたり、と常に試行錯誤を続け一箇所に留まらないタイプ。
三浦氏は大きく分けると後者のタイプに属することはご本人も認めているところです。
今回のギターも基本、ブーシェの5本バーの力木の配置は同じとしつつもボディー内部には音質のさらなる向上を目指さして、微細なレベルで凝らされた工夫の跡を確認することが出来ます。
三浦氏の最近のギターにはそういった設計上の変更に留まらない構造物としてのギターの本来のあり方に迫る改変を確認することができます。
その一例としてこのギターにはブリッジ部の写真をご覧になると確認できるように、ブリッジの弦通しの6本の穴に真鍮製の細いパイプが埋め込まれいて、それは長年に渡る弦交換による木製弦穴の摩耗を防ぐと同時に、弦の結び目が金属に直に接することによって得られる振動エネルギーの持続性が高まり、結果「音の安定」と「音の伸び」の改善に寄与していることが見た目以上に体感できます。
また、三浦氏のあるべきギター理想型の思想は構造上の工夫だけに留まらず糸巻きの選定にも及び、Gotohの最新軽量カーボンプレートの糸巻きを装着することによって、ギアの精度、性能などの高さはこれ以上ないほどの使い心地を実現し、摩耗にも耐え、更にヘッドを軽量化することによって得られる、ギター全体の響きが、木ペグギターと同等に解放させることにも成功しています。
そういった成果はブーシェの特徴である、いぶし銀の輝きを持ちつつも和音の厚みを再現し、それでありながら過去の名器に拘らない洗練され、且つあか抜けた音質に結実しています。
今回の作品は三浦氏がモンテロ氏から学んだ優れたセラック塗装タンポ塗りの技法に加え、セラック塗料そのものの材料にも工夫を加え、湿気による塗膜の白濁防止にも対処しています。
更なる工夫として鳴り増大のために割り出した644mmの弦長も操作性の向上に繋がっています。
表板は30年以上前にヨーロッパから輸入したスプルース材、裏横板は40年以上前からストックしていたローズウッッド。
※弊社ではクラシックギターやリュート族楽器の下取りや買い取り・委託販売も積極的に行っております。
最近はオーナー様の高齢化に伴い、手放したいギターやリュートをお持ちであっても、都内のギター専門店への査定のためのお持ち込みを体力的或いはその他の理由で躊躇される場合が結構見受けられます。
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03-5281-0922(担当:カワヒラ)