1. HOME
  2. ギターテクニック
  3. フレットで覚える音楽の仕組み 第10回 テンション・コードの作り方【1】 by J-Guitar.com

ギターテクニック-Guitar Technique-

ギター初心者からベテランまでが楽しめる無料ギター講座。初心者向けの『ギター★はじめの一歩【動画編】』、中級/上級者のための『音楽理論やアドリブ、ソロギターやスライドギター』など、充実した内容の動画と譜面を掲載!もっともっとギターにハマろう!

フレットで覚える音楽の仕組み

第10回 テンション・コードの作り方【1】

今回からコードの構成音をさらに増やしてテンション(Tension)・コードに入っていきたいと思います。
テンション(Tension)とは簡単に言うと「コード・トーン」+「テンション」という形で、コードにある種の緊張感をもたらします。「テンション」は"ナチュラル・テンション"(3度ずつの積み重ねでできるテンション)と"オルタード・テンション"(ナチュラル・テンション以外のテンション)の2種類に分けられます。
詳しくは下記の図を見てください。
普通は4和音(M7th、7th、6th、m7th、m7th(b5)、dim)に「テンション」を加える形をとります。
3和音(トライアド)に「テンション」を加える場合は"add"を使ってどの「テンション」を加えたかを示します。

ナチュラル・テンション・・・3度ずつ(ひとつおき)自然に音を重ねたテンション。
"M7th"はテンション扱いにすると、ややこしくなってしまうので「9thからがテンション」という風に整理して問題ないでしょう。"#11th"もIVコードなどではナチュラル・テンションにあたりますが、響きはオルタード・テンション的ですので、オルタード・テンション扱いにしてしまっても問題ないと思います。
"13th"は6thと同じ音なのでコードにM7th、7thが含まれない時は"6thコード"扱いになります。

オルタード・テンション・・・簡単に言えば「ナチュラル・テンション以外のコード」ということ。
#と♭が付いているテンションという風に整理してしまってもかまわないでしょう。
"♭11th"は3rdと同じ音になってしまうので存在しません。
"#13th"も7thと同じ音にあたるので存在しません。

 以上が「テンション・コード」についての簡単な説明ですが、実際にギターで押さえる場合はいろいろと問題がでてきてしまいます。まずコードの構成音の数に対して『押さえる指が足りない』という問題が出てきます。
そこでコードの構成音をある程度「省略」しなくてはなりません。
音楽理論一般では"4Way Close Voicing"という考え方を用いて、「9th系を加えたらルートを省く」&「11th系を加えたら3rdを省く」&「13th系を加えたら5thを省く」というテンションのすぐ下のコード・トーンを省くという考え方を用いてコードの構成音が4つ(4和音)になるようにしますが、ギターではこの方法も適していません。
4本の指で押さえられて、尚かつそのコードの特徴をきちんと表せる方法をマスターしなければなりません。
ここからは順を追ってそのやり方を説明していきます。

STEP1
「テンション」を加えていくわけですから「テンション」は省略できませんので、コード・トーン『Root&3rd&5th&7th(M7th、6th)』の音の一部を省略していきます。
『Root&3rdt&5th&7th(M7th、5th)』のうちコードの特徴を表現するのに最も影響の少ない音は"5th"です。
省略するならまず"5th"ということですね。
下図で各コード・フォームの"5th"の位置をチェックしてみてください。
 注: "#5th"や"♭5th"などの5thが変化しているコードの場合、"#5thと♭5th"の部分がそのコードの響きを決める重要な役割をしているので気を付けてください。

Eフォームの5&6弦とAフォームの4&5弦の部分に注目してください。この部分だけを押さえるとロックなどではパワー・コード"と呼ばれる非常に力強い響きを持ったコードになります。
Rootと5thのみですのでメジャー・コードもマイナー・コードも関係ない強力なコードです。
逆にこのRootのすぐ上の5thを省略するとコードの響きがとてもやわらかくなります。
ジャズなどで使われるコードのほとんどは、この低音の5thを避けて押さえています。
下図で比較してみますので実際に音を出して確認してみてください。

次のコード進行で「フル」に押さえたフォームと、「パワー・コード」、「低い5thを省略したフォーム」の3つの種類の響きの特徴を比較してみよう!

STEP2
"5th"の次に影響力の少ない音は実は"Root"です。特にバンドなどベースのいるアンサンブルの場合、"Root"を気軽に省略してかまいません。"Root"はベース・パートの人にまかせて自分(ギター)は効果的な響きを作ることに専念してしまうわけです。ただソロ・ギターなどの場合はやはり低音の"Root"があった方が響きが落ち着きますので、押さえ方に工夫が必要です。左手の「第5の指」である"親指"を積極的に使って、上から"Root"を握り込んでしまいましょう。
STEP1の図2で各フォームの"Root"の位置をチェックしておいてください。
STEP3
"5th"&"Root"を省略してしまったら、あと残っているのは"3rd"と"7th(M7th、6th)"です。"3rd"はそのコードが「メジャー・コード」なのか「マイナー・コード」なのかを決める重要な音ですのでなるべく残すようにします。それでもコード・フォームによっては"3rd"をカットしなければ「テンション」の音に指が届かない場合もでてきますので、そういう時は"3rd"を省略することもあります。
一方"7th"はそのコードの「響き」を決める重要な役割をしています。
コードの4つめの音にあたるこの部分が"7th"なのか"M7th"なのか"6th"なのかによってコードのキャラクターが決まるのです。なるべく省略したくない音ですね。

ここまでの説明をまとめてみると『"3rd"と"7th"があればコードのキャラクターを表せる』ということになります!実際に"3rd"&"7th"のみでコードが表せるかどうかやってみますので、フルに押さえたコードと比較してみてください。

"3rd"&"7th(M7th、6th)"があればそのコードの特徴を表すことができるという事はおわかりいただけたでしょうか?これで「テンション」を押さえるための指を2本確保できたことになりますね。
これから「テンション・コード」を組み立てていく上で、この『"3rd"&"7th"+"テンション"』という考え方が基本になっていきます。尚、テンションは高音弦で鳴らした方が効果的なので"3rd"&"7th"が比較的真中にある「Eフォーム」「Cフォーム」がテンション・コードに多用されるようです。
詳しくは次回音を出しながら説明していきますのでお楽しみに!

ギターテクニックTOPへ

フレットで覚える音楽の仕組み TOPへ

■ 人気ブランドのアコースティックギターはこちら

■ その他人気ブランドのアコースティックギターはこちら

■ ルシアー(制作者)系アコースティックギターはこちら

■ 人気ブランドのエレキギターはこちら

■ その他人気ブランドのエレキギターはこちら

×
×

ギターテクニック 記事一覧

初心者向け
【ギター選びから!】ゼロから始めるギター
ギターはじめの一歩【動画編】
ウクレレを弾こう
初/中級者向け
ギター好きも楽しめる、ソロ・ウクレレ講座
ルーツへ帰ろう!!<復刻版>
ルーツへ帰ろう!!【動画編】
ナイロン弦ギターはいかが?<復刻版>
ナイロン弦ギターはいかが?【動画編】
ドレミでアドリブ 簡単攻略法【動画編】
アコギで弾こう!スライドギター【動画編】
エレキで弾こう!スライドギター【動画編】
イマドキ ロックギター入門【動画編】
中級者/上級者向け
アコギ定番フレーズをサクッとトライ!
ワンランクアップのためのアコギ術
ワンランクアップのためのエレキ術
ソロギターをもっと楽しく!アコギ・アレンジ講座
高みへ挑戦!トミー・エマニュエル・スタイル
セッションマスターへの道【動画編】
アイリッシュギターを嗜もう<復刻版>
アイリッシュギターを嗜もう【動画編】
アコースティック ソロギター道場【動画編】
ソロアコギ・アレンジ講座【動画編】
ジャジーなギターで差をつけよう!【動画編】
アコギで弾こう!ブルースギター【動画編】
のりのりFUNKYリズムギター【動画編】
カントリー&ロカビリー【動画編】
いまどき ソロアコギ【動画編】
アドリブ入門【動画編】
レビュー & 豆知識
試奏の流儀
ギターよもやま話
動画でレビュー!! J-Guitar試奏室
アコギ エレアコ化計画
コラム
ソロ・ウクレレ、いかがでしょう?
大友博の音楽旅コラム

< アーカイブ >

初心者向け
ギターはじめの一歩
初心者/中級者向け
フレットで覚える音楽の仕組み
スライドギター天国
アコースティック ソロギター道場
J-Guitar Channel

ギターテクニック 記事一覧

初心者向け
【ギター選びから!】ゼロから始めるギター
ギターはじめの一歩【動画編】
ウクレレを弾こう
初/中級者向け
ギター好きも楽しめる、ソロ・ウクレレ講座
ルーツへ帰ろう!!<復刻版>
ルーツへ帰ろう!!【動画編】
ナイロン弦ギターはいかが?<復刻版>
ナイロン弦ギターはいかが?【動画編】
ドレミでアドリブ 簡単攻略法【動画編】
アコギで弾こう!スライドギター【動画編】
エレキで弾こう!スライドギター【動画編】
イマドキ ロックギター入門【動画編】
中級者/上級者向け
アコギ定番フレーズをサクッとトライ!
ワンランクアップのためのアコギ術
ワンランクアップのためのエレキ術
ソロギターをもっと楽しく!アコギ・アレンジ講座
高みへ挑戦!トミー・エマニュエル・スタイル
セッションマスターへの道【動画編】
アイリッシュギターを嗜もう<復刻版>
アイリッシュギターを嗜もう【動画編】
アコースティック ソロギター道場【動画編】
ソロアコギ・アレンジ講座【動画編】
ジャジーなギターで差をつけよう!【動画編】
アコギで弾こう!ブルースギター【動画編】
のりのりFUNKYリズムギター【動画編】
カントリー&ロカビリー【動画編】
いまどき ソロアコギ【動画編】
アドリブ入門【動画編】
レビュー & 豆知識
試奏の流儀
ギターよもやま話
動画でレビュー!! J-Guitar試奏室
アコギ エレアコ化計画
コラム
ソロ・ウクレレ、いかがでしょう?
大友博の音楽旅コラム

< アーカイブ >

初心者向け
ギターはじめの一歩
初心者/中級者向け
フレットで覚える音楽の仕組み
スライドギター天国
アコースティック ソロギター道場
J-Guitar Channel