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僕は、民主党支持者でもなんでもない。もちろん、自民党支持者などではない(ジャクソン・ブラウンがよくアンコールで歌ってくれるスティーヴ・ヴァン・ザントの名曲「アイ・アム・ア・パトリオット」の歌詞を真似てみた)。とはいうものの、のっけから脱線気味で申し訳ないが、民主党が目指す高速道路無料化には全面的に賛成したい。「渋滞を激化させる」とか「エコに逆行」といった批判は、まったくの筋違いだし、もともと道路はそれぞれの国=国民の財産として、あるいはインフラの基盤として、無料であるべきものなのだ。
アメリカの道を走っていて通行料をとられることは、ほとんどない。例外的に長いトンネルや橋が有料になってはいるものの、たとえばサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジでは、上り車線(ソウサリート方面から街の中心部に向かう路線)の車しか徴収されない。それも、3ドルだ。マンハッタンのトンネルも然り。すべて理にかなっている。日本の高速道路にあたるインターステイト・ハイウエイ(州間道路)には馬鹿げたテーマパーク的サービスエリアなどないが、困ったことはない。出入り口が多いので、飲んだり食べたりしたくなったら、気が向いたところで街に出ればいいのだ。
まあ、そんなわけで早く無料化が実現したらいいのにと思いつつ(脱線ばかりで申し訳ないが、民主党には飲食店などの全面禁煙も実現してほしい)、この背景には、ハイウェイを、高速道路を意味する言葉だと誤解させられつづけてきたという事情があるのではないかと、やや無理な理論展開であることを承知のうえで、結論づけた。
振り返ってみると、ビートルズやストーンズのシングルをお年玉で買っていたころからもう45年近くの歳月が流れた。そして40年ほど前からは、文化ということを意識してロックを聴くようになり、さらにそれから数年たったころには、歌われている言葉の意味やその向こう側にあるものを理解したいと強く思うようになっていた。
とはいうものの、「好きだ、嫌いだ」、あるいは「別れた、悲しい」といった次元のものを別にすれば、この島国で暮らす僕らには理解できないものがほとんどだった。なかでも大きな壁となっていたのが「ハイウェイ」という言葉だった。
たとえば、ブルースの名曲で、デレク&ザ・ドミノスの『レイラ』にも収められていた「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」。あるいはボブ・ディランの、ロックの時代の大きな転換点を飾った「追憶のハイウェイ61」。イーグルスの「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」には今回のコラムのタイトルに使わせてもらった印象的なフレーズが何度も出てくる。「俺はハイウェイ41を走るバスのなかで生まれた」という刺激的な歌詞で主人公が自己紹介するオールマン・ブラザーズ・バンドの「ランブリン・マン」も忘れられない。
使命を終え、今はもうまったく使われていない道。オクラホマ州のどこかであったと思う。これがもともとの街道であり、時代の変化に応じて、右側に新しい道がつくられていったようだ。
とりわけぐっさりとやられたのは、ジェイムス・テイラーの、旅をテーマにした名盤『マッド・スライド・スリム』のB面6曲目、「またハイウェイに立って」という象徴的な言葉が何度も繰り返される「ハイウェイ・ソング」だ。「今夜もひとり/ホリデイ・インの見慣れた壁に囲まれて」という歌詞もあり、なんとなくぞくぞくしながら聴いたものだった。
以前にも紹介したが、ロバート・ジョンソンが1930年代半ばに残した「ミー・アンド・デ・デヴィル・ブルース」には、究極のフレーズがある。「俺が死んだらハイウェイの脇に埋めてくれ/この邪悪な魂がいつでもまたバスに飛び乗れるように」。
ミシシッピ州クラークデイル郊外の農道。ブルースの道についてはあらためて詳しく書くが、こういう場所でロバート・ジョンソンは悪魔に魂を売ったのかもしれない。
西海岸に沿って走る101号線、アリゾナの大地を貫いて走る州間道路40号線、幻の道=ルート66、ブルースを南から北に運んだ61号線、ミシシッピの郡道、カナダとの国境の南側を走る2号線。歌を聴きながら、あるいは風のなかから歌を聴き取りながらさまざまな道を走るうちに、僕はようやく、若いころに心をつかまれた「ハイウェイ」という言葉の意味が理解できたような気がする。と、書いているうちに、また旅心がうずいてきた。困ったものだ。
最後にひとつ。歌や小説のなかで「ブルー・ハイウェイ」という言葉に遭遇したら、さらに注意が必要だ。これを「青く輝く高速道路」などと訳してしまったら、とんでもないことになる。ブルー・ハイウェイとは通し番号もつけられていない道のことらしい。思いっきり深読みすれば「裏街道」といったところではないだろうか。
ロバート・ジョンソンをはじめとする偉大なブルースマンたちへの敬愛の念と実らぬ愛への苦しい想いを、25歳のクラプトンが自身のブルースへと昇華させた作品。ジミ・ヘンドリックスの名曲「リトル・ウィング」の優れたカバーも収められている。(大友)
「フォークからロック」への転換点という表現は馬鹿げたものだと思うのだが、いずれにしてもその、20世紀音楽の最重要期を象徴する歴史的名盤。オープニングに据えられているのは、多くの人の人生を変えた、あるいは決定づけた「ライク・ア・ローリング・ストーン」だ。(大友)
ドン・フェルダーを新たなギター・ヒーローの地位へと押し上げたタイトル曲をはじめ多くのヒットを生み出したイーグルスの通算4作目。本文中の「テイク・イット・トゥ・ザ・リミット」ではベースのランディ・マイズナーがリード・ヴォーカルを担当している。(大友)
デュアン・オールマンが事故死したあと、キーボーディストのチャック・リヴェールを迎えることで態勢を建て直した彼らが「絆」をテーマにつくり上げたアルバム。「ランブリン・マン」はディッキー・ベッツの作品で、デュアンのフォロワーだったレス・デューデックもギターで参加している。(大友)
70年代初頭のシンガー・ソングライター・ブームを牽引したジェイムス・テイラーの代表作。キャロル・キングの作品で全米1位まで上昇した「君のともだち」も収められている。(大友)
ロバート・ジョンソンは、ミシシッピを中心に南部諸州を旅しながら29の録音作品を残し、1938年、27歳の若さで謎の死を遂げた。これは、1961年にコロムビアがはじめて彼の作品を正式にアルバム化したもの。クラプトンは16歳でこのアルバムを聴き、強い衝撃を受けたという。(大友)
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