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「マイナーペンタトニック + α」 のおいしい味付け法
第2回、第3回と2回にわたって「マイナー・ペンタトニック・スケール」について詳しく解説してきましたが、
「スケール」を弾くだけでは何か“物足りない”感じがすると思います。
実は、みなさんが普段CDなどで耳にする“カッコイイ”フレーズは、基本となる「マイナー・ペンタ」に、いくつかの“スパイス”となる音を付け加えて演奏されているものが多いのです。そこで今回は、代表的な4種類の“スパイス”について解説したいと思います。
♭5thは“ブルーノート”と呼ばれる音のひとつで、この音を加えるとその名の通り“ブルー”なフィーリングが出ます。非常にネチッこい、セクシーな感じを演出する“スパイス”です。
基本形2付近での「♭5th」の位置
基本形1付近での「♭5th」の位置
これらの音を混ぜて、ただスケールを流してもあまり効果がありません。
“スパイス”の位置を確認したら、♭5thを効果的に響かせる“音の流れ”(フレーズ)という形で覚えるとよいでしょう。まずは“響き”に慣れてください。
下にいくつかの例をあげておきますので、実際に弾いてみてください
譜例1
譜例2
譜例3
参考 “ブルー・ノート”について
“ブルー・ノート”とは本来、楽譜に書けないような微妙な音程なのですが、一般的に♭3rd、♭5th、♭7thが“ブルーノート”とされています。ギターはこの音程の付近にあるオイシイところを、チョーキングやスライドで表現できるので、ブルースにむいている楽器だといえるでしょう。
「マイナー・ペンタトニック・スケール」にはもともと♭3rdと♭7thの2つの“ブルー・ノート”が含まれています。
ここにさらに3つめの♭5thを加えるわけですから、マイナー・ペンタ+♭5thという形は、すべての“ブルー・ノート”を含む、最高に“ブルー”で“セクシー”なスケールといえるでしょう。
このことから「ブルー・ノート・スケール」と呼ばれることもあります。
「マイナー・ペンタトニック・スケール」は主に〈Key A〉と〈Key Am〉で使用することが多いのですが、このスケールには“メジャー・コード”を表す「♮3rd」の音が含まれていません。
ではなぜ〈Key A 〉という“メジャーのkey”でこのスケールが使えるかというと、スケール上の「♭3rd」を“マイナー・コード”としてではなく“ブルー・ノート”として扱うからです。「♮3rd」は、“メジャーkey”で「マイナー・ペンタ」を使用する時に、全体のトーンを本来の“メジャー・コード”のように、明るくしてくれる“スパイス”です。
譜例4
譜例5
参考:連結ポジション上の共通音
前回、で囲んだ部分が「同じ音で構成されたBOX」だという説明をしました。
この部分に♭5thと♮3rdをくわえて、実際にこのBOXをどのように使うかを弾いてみましょう。
譜例6
このように、まったく同じフレーズを3つのポジション(BOX)で弾くことができるのです。
つまり“BOX2”で覚えたフレーズは、そのまま“BOX1”&“BOX3”に移動して使えるのです。
自分なりに共通音の“BOX”を見つけ出しておくことが、フィンガー・ボードを自由に使いこなす『近道』だと言えるでしょう。
9thは“明るくオシャレ”な響きをもっています。土臭くなりがちな「マイナー・ペンタ」を、都会的にオシャレに演出してくれる“スパイス”です。
♭5th、♮3rdに比べて、少し使い方が難しいかもしれませんが、代表的な使い方をあげておきます。
譜例7
譜例8
6thはディミニッシュ的な“エグさ”を表現できる、“大人のスパイス”と言えるでしょう。
9thと組み合わせて、さらに“オシャレ”に響かせることもできるので、ぜひマスターしてください。
使いこなすには、時間がかかるかもしれませんが、まずは実際に弾いて“響き”に慣れてください。
譜例9
譜例10
まとめ
今回、紹介した4つの“スパイス”をうまくブレンドすることによって、自分なりの“おいしいフレージング”を見つけだしてください。実験と試行錯誤の末に、自分の“オリジナル・テイスト”(味)が出せるようになったら最高ですよ!頑張ってください。
次回は「メジャー・ペンタトニック・スケール」について解説したいと思います。
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