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スライド・ギターってどう弾くの?
ブルースに限らず、様々のジャンルの音楽を効果的に盛り上げている「スライド・ギター」の音は、みなさんの耳にも魅力的に響いていることでしょう。特にジーンズやバーボンのCMなどにはバッチリはまっていて、カッコイイですよね!「スライド」してみたいけど、どうやっていいのかわからない人のために今回は「スライドするコツ」について簡単に解説してみたいと思います。
スライド・バーは、もともと「ボトル・ネック」と呼ばれていて、ビンの首の部分のことを指しています。
昔のブルース・マンは、ビンを割ったり切ったりしてネック(首)の部分でスライドしたり、水道管を切ったものや、折り畳みナイフなどを工夫して使っていました。
今では楽器屋さんに行けばたくさんの種類のスライド・バーが置いてあるので、いろいろ試してみてください。
中には本物のビンを加工したものまであります。
レギュラー・チューニング
レギュラー・チューニングでのスライドの利点はなんといっってもチューニングを変えずにプレイできることです。
ギタリストが1人しかいないバンドで、ライブ中にギター・ソロだけスライドで弾きたい時などはレギュラー・チューニングでのスライド奏法をマスターしておくとよいでしょう。ただ、レギュラー・チューニングの開放弦は「Em11」というコードの構成音になっているので、ミュートに気を付けないと怪しい響きになってしまいます。
後で説明する「ミュート法」を確実にマスターしてください。
オープンD(E)チューニング
エルモア・ジェイムスやハウンド・ドック・テイラーで有名なチューニング。タンパ・レッドのようなメロディアスなプレイにも向いています。
構成音
6弦=D(E) 5弦=A(B) 4弦=D(E) 3弦=F#(G#) 2弦=A(B) 1弦=D(E)
( )はオープンEチューニング
レギュラー・チューニングからのチューニング法(オープンDチューニングの場合)
以上の手順でチューニングするとよいでしょう。これで開放弦が「Dコード」を作っていることになります。
レギュラー・チューニングからのチューニング法(オープンEチューニングの場合)
これで開放弦が「Eコード」を作ってることになります。
「オープンD」と「オープンE」はまったく同じ構造になっているので、どちらのチューニングを選んでもよいのですが、アコースティック・ギターのように弦のテンションがキツイ場合は、弦を緩める「オープンD」を、エレキ・ギターのように柔らかい弦の場合は、弦を締める「オープンE」を選ぶとよいでしょう。
オープンG(A)チューニング
マディ・ウォーターやサン・ハウスがよく使用しているチューニング。比較的ブルージーなプレイに使われることが多い。
キース・リチャーズが6弦をはずして使用していることでも有名なチューニング。
構成音
6弦=D(E) 5弦=G(A) 4弦=D(E) 3弦=G(A) 2弦=B(C#) 1弦=D(E)
( )はオープンAチューニング
レギュラー・チューニングからのチューニング法(オープンGの場合)
これで開放弦が「Gコード」をつくっていることになります。
レギュラー・チューニングからのチューニング法(オープンAの場合)
これで開放弦が「Aコード」をつくっていることになります。
「オープンG」と「オープンA」もまったく同じ構造になっているので、どちらを選んでもよいでしょう。
実は「オープンD(E)」の6弦~2弦の関係と「オープンG(A)」の5弦~1弦の関係はまったく同じ構造になっています。2つのチューニングを使いこなすためにも覚えておいてください。
「スライド」する時のいくつかの注意点や基本動作などを簡単に説明したいと思います。
気軽にチャレンジできるように、譜例はレギュラー・チューニングで弾くものを使用します。
バーをはめる指
基本的には何指にはめてもかまわないのですが、ミュートやスライド・バーをはめた指以外でのプレイを考えると「薬指」か「小指」にはめるのがよいと思います。
手の大きい人などは「薬指」にバーをはめた状態でも小指を自由に使えますが、標準的な日本人くらいの手の大きさであれば「小指」にバーをはめることを、お薦めします。残りの3本の指でコードを押さえたり、リフを弾いたり、チョーキングしたり、「スライド」以外のプレイの可能性が広がるので、普通のプレイとスライド・プレイをミックスした演奏が可能です。ちなみに私も「小指」派です。
左手のフォーム&ミュート
バーをはめた左手のフォームにはいくつかの「コツ」があります。
●バーはフレットに沿って“まっすぐ”にあてる。バーがフレットのかわりに音程を決めるので、フレットの“真上”にあてる。
最終的には必ず「耳」で音程を確認するように心掛けること。
●必要以上に力をいれず、弦を押し込まないようにする。この時、弦がフレットに触れてしまわないように注意すること。
音がビビらずに、スムーズにバーを滑らせることができる程度の力の加減を覚えること。
●バーをはめていない指(たいていは人さし指か中指)でバーとナットの間の弦に触れて、余計な倍音をミュートする。特に単音でのフレーズを弾く時などは重要。
芯のある太い音になる。
右手のミュート
単音でのスライド・プレイで最も大切なのがこのテクニックです。余計な音をミュートして、弾きたいフレーズをきちんと聞かせることができます。必ずマスターしてください。まずは指弾きで「コツ」を覚え込んでください。
●弦はすべて「人さし指」で弾き、弾く弦の上下の弦を「親指と中指」で触って(ミュートして)おきます。1本の弦を弾くのに3本の指がセットで動くことになります。
例えば3弦を弾く場合は、人さし指で3弦を弾きます。その時、「4弦に親指」で「2弦に中指」で、それぞれ触れておきます。
この形が基本フォームだと思ってください。
●ピックで弾く場合は、弾く弦の真下の弦は「中指」でミュートして、真上の弦は「親指の付け根」を利用してミュートします。
※今回のスライド譜例集は全てKey Eで表記してあります。
< スタッカート >
左手の「ミュート指」を残してバーを弦から離すことによって、音を切るテクニック。
バーを移動させる前に音を消しておくことで、音を引きずらずに移動することができます。
歯切れのよいアタック感や呼吸感のある演奏ができます。
バーを移動させる寸前に「右手の人さし指」で音を消す方法もよく使われます。
譜例1
譜例2
< プリング・オフ >
バーを「弧を描くように」弦から離して音を出すテクニック。
バーの離し方によってはノイズが出やすいので気を付けてください。
上記の「右手ミュート」を駆使して、プリング・オフを使いこなしてください。
譜例3
譜例4
< ハンマリング・オン >
バーで弦をたたいて音を出すテクニック。指でのハンマリングと違いバーが複数弦に当たってしまうので、「右手ミュート」で上下の弦を確実にミュートしてください。
「プリング・オフ」との併用で、かなり複雑で速いフレーズにも対応できるでしょう。
譜例5
譜例6
< スライド >
1回のピッキングで、バーを滑らせることによって2つ以上の音をつなぐテクニック。
この時、「音程」と「リズム」に注意してください(すべての音をリズムに合わせるように心掛けること)。
“グリス・アップ&グリス・ダウン”との違いに注意。
譜例7
譜例8
< ビブラート >
「スライド」の味付けの中で、最も華やかで奥深いテクニックといえるでしょう。ひと口で言えば“音を揺らす”だけなのですが、様々な表現が可能です。いろいろなギタリストのプレイを聞いて研究してみましょう。
「音程」が揺れないように注意してください。中心になる音程は安定していることが絶対条件です。
また、時には「左手ミュート」をはずして、倍音バリバリのワイルドな音で「ビブラート」をかけてみてください。
譜例9
譜例10
まとめ
「スライド」について、いろいろと話してきましたが、スライド・プレイの「コツ」は“音程”と“ミュート”につきます。今回の講座で「スライド」の基本をしっかりとマスターしておいてください。次回は「レギュラー」、その次は「オープンD(E)」、「オープンG(A)」での実際のプレイにチャレンジしましょう。
■スライド奏法はこちらでもお楽しみいただけます。
・アコギで弾こう!スライドギター【動画編】
・エレキで弾こう!スライドギター【動画編】
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