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前回の最後に16ビートでのアクセント移動を練習しましたが、今回は最初にアクセント移動で覚えた左手の動き+“カラ・ピッキング”の組み合わせでいくつかの16ビートのリズム・パターンを弾いてみます。
まずはコードを変えたり音を動かしたりせずに、左手と右手のピッキングの動きの基本を作っていきましょう。
16ビートでも8ビートの時と同様に基本となる“ダウン”&“アップ”の動きの規則性を崩さないことが重要なポイントになるので、余計な思い込みを捨てて体の動きに合わせて正確にピッキングしてください。
それでは始めましょう!
まずは前回同様に“E9”コードを使用して練習していきます。左手の力を抜いて音を消す“ブラッシング”と左手を押さえて音を出すことの組み合わせだけでできているリズム・パターンから弾いてみましょう。
譜例1
次に休符の入ったパターンを弾いてみます。押弦して音を出すことを“ON”としてブラッシングを“OFF”とすると16ビートのリズム・パターンは“ON”&“OFF”&“音を出さない休符”の3つの要素の組み合わせでできていると言えるでしょう。音をのばしている時と休符で休んでいる時も右手の規則的なストローク(ダウン&アップ)は止めないことがポイントです。
譜例2
このようにスタッカートなどの音を“切る”(左手を瞬間的に浮かせる)ことで“間”を作ります。
音を切った後の右手は休符扱いで“空振り”してタイミングをとります。のびている音を切る部分が“グルーブ”を生むポイントになることが多いので意識してみてください。
譜例3
休符(スタッカート含む)が音のまったく消えた“間”を作るポイントで、この“間”がリズムに呼吸を与えているのです。リズムを取りやすいからといって、不用意にブラッシングなどでリズムを埋めてしまわないようにしましょう!より“ノリ”を出すために長い休符の時などに軽くブラッシングする“ゴースト・ノート”というテクニックもあるので、休符は絶対に音を出してはいけないというわけではありません。“休符”の方がいいのか、“ゴースト・ノート”でノリをサポートした方がいいかはケース・バイ・ケースなので、その判断はその人の解釈で変わってきます。
次回からより実践的な16ビートのパターンを弾いていきますのでその中で研究してみてください。
“ゴースト・ノート”を含むパターンを弾いてみましょう。
譜例4 元のリズムパターン
譜例5 ゴースト・ノートを加えたリズム
このように“ゴースト・ノート”があるのと無いのとではグルーブ感が変わってきます。
次に解釈によって“ノリ”が変わってしまう例を紹介します。
譜例6
譜例7
「譜例7」の感じ方の方が自然だし、より大きなグルーブになっていることがわかると思います。
このように「1拍」で割り切れないリズム・パターンも存在する(ポリ・リズム)ので弾いてみる前に注意してみてください。それとどんなリズムを弾く時もドラムをよく聞いてください!自分の弾くリズム・パターンのどの部分がドラムのリズム(バス・ドラ,スネア,ハイ・ハット・・・)のどこに合っているのか、注意しながら“グルーブ”を感じることが鉄則です。
3連符についても、ここでもう一度整理しておきましょう!“シャッフル”も含めて理解しておいてください。
■3連符には基本となるピッキングが4種類あります。
譜例8-1
最も基本的なオルタネット・ピッキングでのストローク
譜例8-2
各拍ごとに{}の同一パターンでストローク。
譜例8-3
すべてダウン・ピッキング。スローな曲や音ツブをそろえたいときに最適。
譜例8-4
各拍ごとに{}の同一パターンでストローク。8分音符や16分音符などが混ざる複合リズムの時に有効。
■3連符のアクセント移動
譜例8-1のオルタネイト・ピッキングで行います。
譜例9-1
各拍の頭にアクセント。、
が交互に入れ替わるので注意。
譜例9-2
3連符の真中にアクセント。
譜例9-3
3連符の3つ目にアクセント。シャッフルなどで“ノリ”をコントロールする部分なのでしっかり練習しましょう。
■シャッフルについて
「シャッフル」とは3連符を2:1に分割したリズムです。
下記の図で確認してください。
まずは3連符を弾いておいてそのまま「シャッフル」する練習をしてみましょう。(アップ・ピッキング)の位置が同じになるように心がけてください。
譜例10-1
今度は「シャッフル」とふつうの「8ビート(even beat)」を切り替えるリズムトレーニングをしてみましょう。
2つのリズムの違いがよくわかると思います。
譜例10-2
■2拍3連について
「2拍3連」とは4分音符2つ(2拍)分の長さを3等分したリズムです。
“キメ”やメロディによく使われるのでしっかりとマスターしておいてください。
ふつうの2拍3連とバリエーションを切り替える練習をしましょう。
2つのリズムを完全に把握してないと見失ってしまうのでそれぞれをきちんと確認してから取り組んでください。
譜例11
今回は16ビートのリズム・パターンの組み立て方と3連符&シャッフルについて詳しく解説してみました。
グループを出すためのいろいろなヒントや基本的なピッキングをなるべくわかりやすく解説したつもりですので、ぜひ参考にしてみてください。16ビートも8ビートの時と同様にリズム・パターンが変わっても“カラ・ピッキング”を利用して規則的な「ダウン」&「アップ」をくり返しているという鉄則を忘れないようにしてください!
次回からより実戦的な“FUNK RIFF”を使っていろいろなケースでの『グルーブ』について解説してみたいと思います。6連符についても詳しく考えてみたいと思います。お楽しみに!
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