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今回は前回の「トゥ・ファイブ」からの続編として“ウラ・コード”についてや“転調”について解説していきたいと思います。それに加えて、“クリシェ”や“SUS4”などの効果的な『コードの装飾法』についても解説していきます。これらのテクニックをモノにして、ワン・ランク上の曲作りにチャレンジしてください。
それでは始めましょう!
“ウラ・コード”とは簡単に言えば『Ⅴ7の代理コード』である『Ⅱ7』のことです。
「すべての7thコードはⅡm7-Ⅴ7に分割できる」という法則を応用してさらに発展させた「Ⅱm7-Ⅴ7」を生み出すことができます。下図で詳しく説明していきますので参考にしてください。
ということを踏まえて考えていきます
ではここですべてのドミナント7thコードはⅡm7-Ⅴ7に分割できるというⅡm7-Ⅴ7の法則を利用してSTEP2の進行をさらに発展させてみましょう。STEP2は本来のドミナント7th(Ⅴ7)をウラ・コード(Ⅱ7)に代理した進行でした。
STEP2の進行
ここではウラ・コードとしてできたⅡ7コード(E
7&D
7)をⅡm7-Ⅴ7に分割して新たな進行を作ってみます。
STEP3
もともとは {Em7 – A7 – Dm7 – G7 – C}でしたからウラ(裏)コードを使用することでまったく別の進行に変化させることができたわけです。ここまでくると少々強引な感じがしてしまいますがJAZZでは普通に行われる代理方法です。
ここでは「Ⅱm7-Ⅴ7」を使った転調に限らず、いろいろな“転調”の手法についてまとめてみたいと思います。
効果的な転調を使いこなせるようになって曲を盛り上げてみてください。
順を追って整理していきますので下図を参考に“転調”のテクニックを磨いてください。
単純にKeyを半音上に上げる転調です。
サビの繰り返しを盛り上げる時などに使われることが多いやり方です。
手法1の半音上への転調と同じ要領で行います。
※これと同じやり方で「半音下のKey」や「1音下のKey」に転調することもあります。
平行調とは、調号(♭&♭)が同じメジャーKeyとマイナーKeyのこと。
五線譜でも平行調の関係を確認してみましょう
※CメジャーもAマイナーも同じスケールということがわかります
実際に弾いてみましょう。
同主調とは、主音(トーナリティー)が同じメジャーKeyとマイナーKeyのこと。
例1. 五線譜でも確認してみましょう
※平行線の転調と違い、調号までが変わってしまうのでかなり強烈な印象になります。
例2. では実際に弾いてみましょう
転調する前と後の両方のKeyの中にある共通するコードのこと。
例1. KeyCとKeyGの共通するコードを調べてみましょう
例1.前の項目でも積極的にⅡm7-Ⅴ7をクッションにした転調を行ってきましたが、より複雑な印象をつけるものにアレンジしてみます。
Fm7はKeyCに対してⅣm7(S.D.M)、KeyE に対してはⅡm7にあたる
これは理論に関係なく、どのKeyからどのKeyに転調してもかまわないという、ちょっと強引なやり方です。
ROCKなどでは「Aメロ」と「Bメロ」でKeyを突然変えたりすることも多いようです。
クリシェとはコードの中のどれか1つの音を動かして、コードに変化を与える手法をクリシェといいます。
「動く音」をベース音にしたりしても、おもしろい効果が得られるでしょう。
メジャー・コード&マイナー・コードそれぞれに代表的なクリシェの「音の動き方」がありますので下図でまとめてみます。みなさんも、これ以外に色々なクリシェを考え出してみてください。
メジャー系のクリシェ
マイナー系のクリシェ
※マイナー・コードは♭3rdを動かすことはありません
SUS4コードは、たいていの場合4thの音を3rdに戻して使います。
主に Ⅰ & Ⅳ & Ⅴ コード、またはセカンダリー・ドミナント、S.D.Mの代理、などの『メジャー・コード』に使用されますので、下図で例をあげて解説していきます。
SUS4コードの使い方の例
SUS4コードは広がりのある美しい響きをもったコードですが、メジャー、マイナーを決める3rdがないため不安定なコードでもあります。 (単独で使われることは少ない)
では実際に弾いてみましょう。
※このようにサビ前などで盛り上げる効果をねらった使い方が多い
●まとめ
今回は「Ⅱm7-Ⅴ7の応用」から「曲を演出するための手法」をいくつか紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
次回はディミニッシュ・コードやオーギュメント・コード、分数コードなどに話を広げて、さらに曲を効果的に演出していきましょう。ちょっと変わった感じをコード進行の中に取り入れてみたい人やよりなめらかにコードを進行させたい人などに最適です。お楽しみに~!
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