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巨匠セゴビアの使用により世界的に評価の高まったフレタ一世の1959年 660mm 松・ローズウッド。
ネック:セドロ
指 板:黒檀
塗 装:セラックニス
糸 巻:ロジャース
弦 高:1弦 3.2mm /6弦 3.8mm
[製作家情報]
イグナシオ・フレタ1世(1897~1977)により設立され、のちに二人の息子フランシスコ(1925~200?)とガブリエル(1929~201?)との共作となる、スペイン、バルセロナの工房。このブランドを愛用した、または現在も愛用し続けている数々の名手たちの名を挙げるまでもなく、20世紀後半以降を代表する銘器の一つとして、いまも不動の人気を誇っています。
フレタ家はもともと家具製作など木工を生業とする家系で、イグナシオも幼少からそのような環境に馴染みがありました。13歳の頃に兄弟とともにバルセロナで楽器製作工房の徒弟となり、更に研鑽を積むためフランスでPhilippe Le Ducの弦楽器工房でチェロなどのヴァイオリン属の製作を学びます。その後フレタ兄弟共同でバルセロナに工房を設立し、ギターを含む弦楽器全般を製作するブランドとして第一次大戦前後でかなりの評判となりますが、1927年に工房は解散。イグナシオは自身の工房を設立し、彼の製作するチェロやヴァイオリンをはじめとする弦楽器は非常に好評でその分野でも名声は高まってゆきます。同時に1930年ごろからトーレスタイプのギターも製作していましたが、1955年に名手セゴビアの演奏に触れ、そのあまりの素晴らしさに感動しギター製作のみに転向することになります。フレタは巨匠の演奏から霊感をも受けたのか、その新モデルはトーレススタイルとは全く異なる発想によるものとなり、1957年に製作した最初のギターをセゴビアに献呈。すると彼はその音響にいたく感動し、自身のコンサートで使用したことで一気にフレタギターは世界的な名声を得ることになります。それまでのギターでは聞くことのできなかった豊かな音量、ダイナミズム、そしてあまりにも独特で甘美な音色でまさしくこのブランドにしかできない音響を創り上げ、セゴビア以後ジョン・ウィリアムスやアルベルト・ポンセなどをはじめとして数多くの名手たちが使用し、20世紀を代表する名器の一つとなりました。
当初はIgnacio Fletaラベルで出荷され、1965年製作のNo.359よりラベルには「e hijos」と記されるようになります(※実際には1964年製作のものより~e hijos となっておりフレタ本人の記憶違いの可能性があります)。1977年の1世亡き後も、また2000年代に入りフランシスコとガブリエルの二人も世を去ったあともなお、「Ignacio Fleta e hijos」ラベルは継承され、現在は1世の孫にあたるガブリエル・フレタが製作を引き継いでいます。
[楽器情報]
イグナシオ・フレタ1世 1959年製 No.156 の入荷です。フレタ一世50年代の貴重な一本であるとともに、彼の特性を十分に感得できるギターです。
表面板内部構造はサウンドホール上(ネック側)に2本、下(ブリッジ側)に1本のハーモニックバーで、下側のバーは低音側から高音側に向けてほんのわずかに斜めに下がってゆくように設置されています。そして左右対称9本の扇状力木とそれらの先端をボトム部で受け止める2本のV字型に配置されたクロージングバー、駒板位置には駒板幅よりもやや長い範囲であてられたパッチ板、そしてサウンドホール両脇に貼られた補強板(これらは近接する横板の下部に沿うように斜めに設置されています)という構造。レゾナンスはGの少し下での設定となっています。1958年までのフレタは表面板の厚み、扇状力木とクロージングバーの形状などもかなり薄く加工されていましたが、それと比較すると特に扇状力木は本作では9本のうち中央の7本を少し高めの山型に加工されているなどの変化が見られ、レゾナンスの位置も高くなっています(1958年はEの下に設定)。
中低音~低音の厚みのある響きが素晴らしい。高音は比較的細めのすっきりとしたむしろ端正とさえ言える響きですが、十分にロマンティック。うねりを持った野性的な低音との対照がなんとも良く、曲の中でもメロディが渋い佇まいを演出する中で迫力ある低音が前景化してくるような独特パースペクティブがあります。そしてこの時期のフレタならではのタッチとの高いリニアニティもやはり特筆されます。奏者はタッチと音とが(音色の変化という点でも)一体化しているような感覚で演奏することができます。
表面板はこの時期のフレタにしばしば見られる現象ですが、ブリッジのサウンドホール側とボトム側とでやや歪みがあり、割れの修理履歴がいくつかございます。指板両脇、低音側肩部分からくびれ部にかけて、ブリッジプレートのサウンドホール側に数か所とボトム側センター部分にそれぞれ1~数か所の割れ修理履歴があり、それぞれやや厚めのプレートでしっかり補強されています。表面板は過去にゴルペ板を貼りのちに剥離させた形跡があります。表面板全体は再塗装が施されており、現在は傷などは少なめです。横裏板はおそらくオリジナル塗装の状態で、年代考慮すると傷等は少なく良好な状態です。ボトム近くにローズウッドのバールがありその木目に沿ってやや段差がありますが割れには至っておらず、継続しての使用にも問題ありません。ネックは反りもほとんどなく良好です。フレットと指板は1~8フレットで軽微な摩耗が見られますが、演奏性影響はなく継続しての使用に問題はありません。ネック形状もこの時期のフレタ1世の特徴的なコンパクトなグリップ感で、ほとんどCラウンドに近いDシェイプで薄めの加工。弦高は現在値でほぼ標準値ですがサドルに2~3㎜の余剰がありますのでお好みに応してさらに低く設定することも可能です。
| 商品名 | Ignacio Fleta I[イグナシオ・フレタ1世] No.156 |
|---|---|
| 商品ID | 1220480 |
| 楽器カテゴリ | ギター/ベース/弦楽器 > クラシックギター/フラメンコギター > クラシックギター |
| ブランド | Ignacio Fleta I[イグナシオ・フレタ1世] |
| 型番・モデル | No.156 |
| 楽器区分 | ビンテージ |
| 年式 | 1959年 |
| 程度 | 3+[EX] : 年代相応で標準的な状態 |
| トップ材 | スプルース(松) |
| サイド&バック材 | ローズウッド |
| カラー系統 | ナチュラル/木目系 |
| 生産国 | スペイン |
| 弦長 | 660mm |
| ケース | ハードケース |
| 付属品 | セーム革 |
| 公開日 | 2023/12/18 |
| 更新日 | 2025/09/21 |
| 住所 | 〒110-0004 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F![]() |
|---|---|
| アクセス | 営団地下鉄日比谷線 入谷駅下車。 3番出口(上野方面行きの場合)又は4番出口(三ノ輪方面行きの場合)より徒歩5分。 JR山手線 鶯谷駅下車(南口)より徒歩10分。 近くにコインパーキングあり。 |
| TEL / FAX | TEL:03-3876-7207 / FAX:03-3876-7206 |
| 営業時間 / 定休日 | 営業時間 11:00~19:00 / 定休日 毎週水曜日 |
| ホームページ | http://www.guitarra.jp/ |
| 取扱商品タイプ | 新品, 中古, ビンテージ |
| 取扱商品カテゴリ | アコースティックギター/エレアコ, クラシックギター/フラメンコギター, ギター・ベース・弦楽器用アクセサリ/ケア用品, その他の楽器, CD/DVD/書籍/楽譜/教則本 |
| 対応サービス・設備 |
|
| Jギター決済 |
| 店名 | ギターショップ アウラ |
|---|---|
| 所在地 | 東京都台東区下谷3-3-5 アズール上野2F |
| メールアドレス | info@guitarshop.jp |
| 営業時間 | 営業時間 11:00~19:00 |
| 販売事業者 | |
|---|---|
| 代表者又は責任者 | |
| 所在地 | - 0 |
| 電話番号 | -- |
| 販売価格 | |
| 販売代金以外に必要な手数料等 | |
| 支払方法及び支払時期 | |
| 引渡時期 | |
| 申込み有効期限申込み有効期限 | |
| 保証 | |
| 返品・交換・キャンセル | |
| 販売数量制限その他の特別な条件 |
| 名称 | 株式会社アウラ |
|---|---|
| 許可を受けている公安委員会 | 東京都公安委員会 |
| 許可番号 | 第306619505019号 |

委託販売、買取、下取りのお申し込みは随時受け付けております。
現役の手工製作家によるメンテナンスチェックを実施し、楽器の状態を確認させて頂き正確な査定を致します。
大切な楽器を、「安心」と共に次のユーザーへと引き継ぐことを心掛けています。

確かな技術で、楽器の故障状況を的確に把握し、また、隠れた故障、潜在的な故障を見逃すことなく、適切な修理方法をご提案致します。
深刻な故障でもあきらめる前にまずはご相談下さい。
割れ、はがれ、傷等の破損や故障の補修。音質改善のためのナットとサドルの調整。
弾き心地改良のためのネック反り補正や、弦高、弦幅等を奏者に合わせるフィッティング調整。
更に再塗装、塗り重ね、フレットや糸巻きの調整や交換等の経年劣化に対しての補修、修理まで専門家の知識と技で、あらゆる問題点に関してのご相談、見積もり、リペアまで責任を持って承ります。担当制で木曜・土曜・日曜に各製作家がギターショップアウラに常駐しております。
お困りのことが御座いましたらお気軽に電話でご相談ください。
また、各担当製作家は、スペイン伝統工法に忠実に則り楽器を製作している現役製作家。
使用材からネック幅、弦幅、弦長などディテールを細かく指定出来るオーダーメイドについても製作家と直接ご相談頂けます。
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