商品説明
ラベルには「Noboru Nakayama MAESTRO 内城氏製作共力」と記入されている。
中山昇氏は中出一門で、特にフラメンコギターの製作が多いが、ギターに使用する材も上質かつ多彩で、ハカランダやローズウッドはもちろん、メイプル、ホワイトアッシュ、そして和名では「紫鉄刀木(ムラサキタガヤサン)」と呼ばれる銘木「ウエンジ」…等々の稀少材使う事でも定評がある。
本器はこの「ウエンジ」が側板&裏板に使われており、MAESTROのグレード名が示すように上位機種と思われる。
ただ本器は中山氏がお一人で製作されたものではない。
ギター内部(ネックヒールエンド部)に「中山先生指導のもと、内城某が製作」と明記してある。
このあたりの事情は承知していないが、内城氏の手に余るような個所、例えば側板の成形などは直接中山氏が製作にあたったものと思う。
本器の使用材ウエンジは、アフリカ原産の恐ろしく硬い木材で、かつ水に弱い。
水に浸けると、材の油分(樹脂分)が直ぐに溶け出して材の強度が落ちるのである。
手工ギターでも量産するような大手メーカーがやるような方法、つまり材を煮沸または長い時間の水付けで材を柔らかくしてから側板をプレスする方法(成形に失敗がなく材の歩留まりが良いが、やはり油分が溶けだし材の強度が落ちる。それ故に側板に「割れ止め」が必要になる。)はウエンジではとれない。
ベンディング・アイロン(断面が楕円形の筒状の金属製アイロン)で成形する一発勝負である。
本器については肝心かなめの部分は中山氏が直接タッチしたものと思うが、やはり少し工作精度が甘いのは否めない。
ただ楽器としての本分は正確で、フレチッング、ネックの仕込みとその精度、弾き易さ(12フレット弦高 6弦側3.4㎜、1弦側2.6㎜)等々において何ら問題はない。
一個のギターマニアの視点で見れば、なかなか面白いギター