商品説明
2001年にバンブーギター製作で復活した稀代の名工、中山修氏の全身・孟宗竹のオールバンブーギターになる。
中山修氏の70年代のギターを一番最初にJ-Guitarに出品したのがご縁で、中山氏からわざわざお電話をいただき、その後も何度かお話を聞く機会に恵まれたので、そのいくつかをご紹介申し上げる。
中山修氏のプロフィールについては、もはや愛好家の方々にもよく知られるところだが、9年間のホセ・ラミレス工房で修業去れた後、ギタリスト兼ギター製作家として活躍され始めた頃、ギターの師でもあるN・イエペス氏が来日された。
その折にイエペス氏から託された言葉が「ギターのネックからも音の出るギターを作れ」であると。
また中山氏がバンブーギター製作家として復活されてから程なく、日本弦楽器製作者協会(JSIMA)が主催する弦楽器フェアにバンブーギターを出品されようとした時、保守的な一部の協会関係者から「孟宗竹で作ったギターを出品するなんて何事か」そういうクレームもあったとお聞きしている。
その関係者達が実物のバンブーギターを見た時に驚嘆し、すぐにその場で非礼を詫びたという。
そしてすぐにJSIMAの正会員としてお迎えしたという。
おそらくは中山氏の過去の実績も判明したものと思う。
本器は、表面板・側板・裏板だけでなく、内部の力木、ナットやサドル(骨棒)、ヘッドやネックはもちろん、指板に至るまで孟宗竹で製作されている。
本気で竹を使用していない個所は、側板の二重張り部分とブリッジのみである。
※ラミレス工房出身者らしく、ラミレス1aばりの側板二重張
の構造で、側板のみマホガニーと孟宗竹の二重張りである
孟宗竹をギター材として使用できるまで、どれほどの時間と技術が必要になるのか、計り知れないほどの手間をかけて製作されたことは容易に想像できる。
本器の音は、雑味のないシャープでかつブリリアントな音色
、そしてどこか清々しい印象がある。
また音の立上りも早く、クラシックギターとしては勿論の事、フラメンコギターとして使用しても面白い存在と思う。
出音の仕方は、ボディ部分だけでなくネックも含めギター全身から音が立ち上がってくる感がある。
まさに「ギターのネックからも音の出るギターを作れ」この言葉の具現化である。
状態としては硬質な孟宗竹の特長でもあろうか、傷が付きにくく、製作から20年の歳月を経過しているにもかかわらず、弾き傷&打痕…等が少なく、当然ながら割れ補修など重大なものは何もない。
一見すれば新品ギターと見紛うほどの良い状態になる。
12フレット上の弦高は、6弦4.0㎜、1弦3.0㎜の標準値になる。
もちろん弦高調整は可能だが、孟宗竹のサドルを削るのは少しもったいない気もする。